エピソード
挿絵イラスト
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キャラクター
- ウサ子
宇佐美 華子(18歳)
A.I.プログラマーの父と画家の母をもつ女子高生。
高2の頃に父が急死し、とある理由から不登校となる。
アダ名の由来は、小学生の頃にいわゆる“トイレの花子さん”弄りをされていたらコン介がキレて『コイツは花子さんじゃねー!ウサ子だ!』と叫び、クラスメートを震撼させたことがキッカケ。
将来は母のように画家になりたいと夢見ていたが、不登校と同時に絵を描くのを止めてしまった。
- コン介
近藤 龍之介(18歳)
ウサ子の幼馴染みで、商店街の電器屋の息子。
父が野球バカゆえに幼少から洗脳される。
ずっとウサ子からは『リュウちゃん』と呼ばれていたのに、中学くらいから急に『コンの介』と改名され、やがて“の”すら省略されてしまった悲しき過去をもつ。
基本的に大雑把な性格だが、野球とウサ子のことに関してはウルサイ。
ちょっとバカ。
- バニ子
ウサ子の父が開発したネット販売直結型の自動絵画生成プログラム『ラビットドロー』のA.I.。
キャラデザインはウサ子の母。
公式名称は特になく、ウサ子が勝手に『バニ子』と呼んでいる。
ネット界隈では根強い人気を有しており、非公式のグッズが出回っていることでウサ子の母を悩ませている。
語彙は少ないがリアクションは大きい。
特殊な学習プログラムで設計されているようで、生成される絵はランダム性が高い。
- 鼻毛
顔面の中心に備わっている器官『鼻』の内壁に生える毛で、主に異物や病原菌が体内へ侵入するのを防ぐ役割を担う。
たまに異常に毛根が強く生えていたり、奥へ向かって逆に伸びてクシャミが止まらなくなったり頻繁に問題を起こすが、抜いてしまうと毛穴が炎症の原因になったりするので、可能な限り切って処理した方がいい。
鼻腔から飛び出るほど成長した鼻毛は、この世のあらゆる事象を台無しにする破壊力をもつ。
2000字の果てを見た気がします。
ただ、個人的には演出面より、ウサ子とコン介の軽妙な掛け合いに心惹かれました。さりげない好意に対して「今、バッターボックス立った?」と返すのが2人の信頼関係と月日を感じさせて良きですね……
いいなぁ……
ラスト、バッセンとはいえコン介はホームランを打てたのでしょう、きっと。
自分が描いた絵でも、誰かの描いた絵でも、自動生成でも、結局、そこに価値を見出すのは人間だから。だからこそ、「好き」と「研鑽」と「苦悩」と「挫折」の末に、誰かの心に響いた「ナニカ」が堪らなく愛おしい。と、感じました。
エベレストのように高まった期待を裏切らない!
説明しすぎない余韻がとても良かったです。
文字がないのに、何があったかわかってしまう。
効果音、エフェクト、スチル。
TapNovelでしかできない表現のために生まれたみたいな物語でした。
ここにさらに、声の表情が乗ったもので、どこまでホームランが飛ぶか見てみたいです。
相変わらず時間軸を引き伸ばされたような作品なのが見事です。一台詞あたりの文字数の使い方と説明のダイエットが半端ないと分析するものの、真似は出来ないですが。
AI絵という時事ネタと二人の甘酸っぱい、けど甘すぎない青春ストーリーがよかったです。また鼻毛ってワードがね、甘さをビターにしてくれるんですよね。
登場人物の呼び名の音がいいのもトリコラ意識した作りになってるなと感服しました。
だから200字では感想収まらないんですよ。物凄く静かな感動が押し寄せて来ております。私にも画家を目指していた時期があり、更に不登校だった事もあり、かなり感情がリンクしてしまいました…・・・ こんな甘酸っぱい青春はなかったんですけど。笑 お陰でセリフが逐一刺さるんですよ。いやそれもあのイラストだからなのか。素直になれなくてストライクだのアウトだの鼻毛だの…… トドメにあのスチルね。夕日の土手(文字数