〇おしゃれなリビングダイニング
お母さん「ほら、さっさと食べて 学校の仕度しちゃいなさい！」
美香「はーい」
お母さん「あと、テレビ点けてちょうだい」
美香「はーい」
ニュースキャスター「・・・アメリカで２つの銀行が相次いで破綻したことを受け、連邦政府は・・・」
ニュースキャスター「・・・こうした動きは、日本にも・・・」
お母さん「あらあら、銀行の経営破綻だって！ 大変だねー」
美香「お母さん、銀行って潰れることがあるの？」
お母さん「ええ、日本でも普通にあるわよ 美香が生まれる前は、銀行も信用組合も バッタバタ経営破綻していたんだから」
美香「えー、銀行ってお金たくさんあるのに 潰れることってあるんだー」
お母さん「そりゃ、銀行だって普通の会社だから 赤字が続けば潰れちゃうわよ」
お母さん「例えば、銀行は「融資」といって いろんな相手にお金を貸してるのだけど」
お母さん「その相手が破産・倒産しちゃったら 貸したお金が帰ってこなくて赤字になるし」
美香「あっ、そっかー」
お母さん「それと、銀行のお仕事って いろんな人の預金を元手にやってるから」
お母さん「預けている人が一斉に預金を引き出したら お金が無くなって潰れちゃうしね」
美香「なるほどー」
美香「ちなみに、銀行が潰れちゃったら 預けているお金もゼロになっちゃうの？」
お母さん「今は「ペイオフ」という制度で １,000万円までは保証されているから それ以下の預金なら全額戻ってくるわよ」
お母さん「だから、ウチみたいにお金が無いところは 損するかの心配はいらないってワケ」
美香「さらっと悲しくなること言わないでよ」
お母さん「だって事実だから」
美香「じゃあさー」
美香「私がお年玉を十数年間も預け続けている 「お母さん銀行」の経営は大丈夫なの？」
美香「私が預金を全額引き出しても 経営破綻になったりしない？」
お母さん「あー・・・」
お母さん「もうとっくに経営破綻しちゃってるわよ」
美香「えー、どうしてー！ 一体、何に使ったの??」
お母さん「ええと、美香のその制服代だったり・・・」
美香「えー、他にも使ったんでしょ！」
お母さん「まあ、お母さんのエステ代だったり・・・」
お母さん「コスメ代にも消えちゃってる、かも・・・」
美香「ヒドイってーー!!」
美香「あっ！」
美香「そうだ、「お母さん銀行」にも ペイオフってあるんでしょ？」
美香「１,000万円まで保証するってヤツ！」
お母さん「あー、「お母さん銀行」の制度だと・・・」
お母さん「はい、ペイオフでの保証金額ね！」
美香「えー、そんなのヒドイってー!!」
お母さん「はいはい、この話は終わり終わり」
お母さん「さっさと仕度しないと、遅刻しちゃうわよ」
美香「わたしのお年玉ー!!」