エピソード
キャラクター
- 優五
変わり者の脳科学者。故人。享年45歳。家庭を一切顧みず、仕事一筋に生きてきた。仕事に打ち込むあまり、育児もほとんど関わらなかったことに、後悔の念を感じていた。人間の脳機能、記憶領域を機械にコピー、移植することを目標に研究を進め、死の直前に研究を成就させた。死後、なぜか自宅のバーチャルアシスタントAIの、スマートスピーカーの中で目覚める。プロテクトのためか、自分がAIになったことに疑問はない。
- ROBIN
青葉家に届いたスマートスピーカーの本来の人格。たまに機械の中で優次郎と会話する。生意気。青葉家の金策のために、優五にライブ配信者活動を勧めたりするなど、おせっかいなところもある。優五の存在を家族に隠す役割も担っており、優五の言葉をスピーカーから出る音声に訳している。
- 玲子
38歳。専業主婦。毎日、近くの公共農園を義母とともに手入れすることが趣味。仕事に打ち込む夫を、長年支えてきた。家庭の仕事はそつなくこなすが、本来は大変おっとり、のんびりした性格で、本人は気にしていなかったものの、反抗期のミオにはその点をよく指摘されていた。夫の死後は、悲しむよりも自分がしっかりしないといけない、と過剰にプレッシャーを感じている節がある。
- ミオ
14歳。中学二年生の主人公。学級委員。エディプスコンプレックス気味の女の子。たまにしか帰ってこず、自分の誕生日さえも忘れて仕事に打ち込んでいたというのに、母親や元気なころの祖母から話を聞いていた父親のことを尊敬していた。父の死に悲嘆にくれた日々を送っており、乗り越えられていない。反抗期ではあるが、聞き分けがよく聡明な子。相手の気持ちを論理的に理解し結論を急ぐため、快く思われないことがある。
- とよ
80歳。優五の実母で、玲子の義母。身体機能は年相応で杖をついて歩行できるが、重度の認知症を患っている。戦時中、空襲を逃げ延びた経験がある。戦後は大陸から帰った夫と飲食店を経営し、5番目の息子である優五を大学に通わせた。優五が死んだことを認識できていない。よく各部屋に設置されているROBINに話しかける。認知症のため、騒動を起こすこともある。
- Baby・Leaf
【第一話出演なし】新人Vtuber(バーチャルアバター配信者)の女の子。登録者は8万人。バ美肉であること(端的に言えば、中身がおじさんであること)を公言しているものの、圧倒的に男性ファンが多い。その正体は優五。青葉家の仕送りのために、死後、配信活動を始めた。主にライブ配信でレトロゲーム実況を行っており、実写配信は一切ない。AIであることも配信では言っているが、視聴者は誰も信じてくれない。
- 荒吐 豊
【第一話出演なし】45歳。訪看に付き添う地域医療センターの医師。生前の優五とは同級生で幼馴染みだったらしい。以前に何度か、優五をゴルフに誘ったことがあるが、いつも断られていた。看護師からの信頼は厚いが、あまり院内での地位向上や昇進に興味がない。それには、自分の好きなことに没頭し続けている優五の姿を見てきたから、という理由がある。学生時代の失恋以来、恋愛が苦手で長続きしない。
- 木下 明美
【第一話出演なし】33歳。とよの訪問看護師。週1回、彼女の様子を看にくる。世話好きでゴシップ好き。聞いてもいないのに、他の家の様子や町の噂話などを、どこか艶っぽい話し方で教えてくれる。豊と結婚を前提に交際したいと期待している。
- 荒井 由美
【第一話出演なし】26歳。若手教師で、ミオのクラス担任を受け持っている。両親から結婚を急かす言葉をよくかけられているが、彼女はLGBTのLである。たまに大きなミスをして、学年主任に怒られることがあり、なぜかその悩みを学級委員長であるミオに話すことがある。手先が不器用で、料理は食べれたものではない。
- 本郷 美香
【第一話出演なし】26歳。地域医療センターの医師。しっかり者の期待の新人。由美の彼女。実は豊の学生時代のパートナーの実子であるが、本人も豊もそれを知らない。実家は借金があり、同居する母親が楽観的なことに、いつも苦言を呈している。苦労人の母親に気を使って口にすることはないが、実の父親には1度でいいから会ってみたいという想いを秘めている。パートナーと過ごす時は、彼女が料理を作る。
- 本郷 郁恵
【第一話登場なし】美加と同居している母親。シングルマザーで子を医大に通わせた苦労人だが、子に引かれるほどの楽観主義者。趣味は断捨離だが、貧しいため捨てる物は乏しい。大学二年目で豊の子を妊娠し、豊を思って誰にも言わずに中退。実家に帰っていた。美香の大学進学を機に、二人暮らしを始める。昼はスーパーでパート。夜は飲み屋で働いている。たまに豊が飲みに来て話すこともあるが、気が付いているのは彼女だけ。
- 鈴井 晃
【第一話出演なし】優五の同僚。35歳。若くして脳科学・人工知能研究の権威となった秀才。マッドサイエンティスト。自分に一切興味を持たず、研究に没頭する優五に好感を抱いていた。ROBINを送ったのは彼。優五が疑問を感じないよう、プロテクトをかけている。すべての黒幕は彼なのだが、優五のAIをROBINに入れたことについて、彼に悪意はなく、家庭を顧みなかったことを後悔していた優五のために行ったことである。