2. アルバイトでピンチ(脚本)
〇シックなリビング
春の月 2日目
まいん「おはよ・・・」
「おはよー!よく眠れたー?」
まいん「っていうか・・・ なんでいるのよ・・・」
サラ「えへへ・・・、ちょっと おじゃましてまーす」
まいん「こんな朝から・・・?」
サラ「あ、ラブリンだ! 入ってもいいよー!」
ラブリン「おはよー、まいんさん!」
ラブリン「おすそわけのおやつを 持ってきたよー!」
まいん「うわぁ~!おいしそう!」
ラブリン「どうぞどうぞ~、 遠慮なく食べちゃって!」
まいん「いただきまーす!」
まいん「うまみ~!」
ラブリン「よかったー!」
ラブリン「あ、そうだ! ねぇ、まいんさん、」
ラブリン「ミズルのお店でアルバイトを してみない?」
まいん「探偵のあたしが・・・ ミズルのお店でアルバイト?」
サラ「まいんちゃん、お金・・・ そんなに持ってないよね?」
まいん「うん・・・」
まいん「電車代を払ったら、 いつの間にか」
まいん「10円しか入ってなかった・・・」
サラ「ありゃりゃ・・・」
まいん「ラブリン、ほんとにアルバイト していいの?」
ラブリン「いいんだよ! まいんさんに任せるよ!」
まいん「・・・じゃ、行ってみるね」
ラブリン「行ってらっしゃ~い!」
まいん「・・・サラも行く?」
サラ「うん!行く行く!」
まいん「じゃ、行こう!」
〇コンビニのレジ
ミズル「いらっしゃいなのだ!」
まいん「こ・・・、こんにちはー」
ミズル「お主が『アルバイトをしたい』 って言ってた、まいんだな?」
ミズル「準備はもう完了してある、 いつでもやっていいぞ!」
サラ「・・・だってさ やる?やらない?」
まいん「えっと・・・、あたし・・・、」
ミズル「アルバイトを『今』やらないと、 罰を受けてもらうからな!」
まいん「罰・・・?」
ミズル「村を3周走る刑だ!」
まいん「そんなの、探偵のあたしに 出来る訳ないでしょ!」
まいん「やだよ、そんな罰!」
まいん「アルバイトするから、罰は なしにして下さいぃー!」
ミズル「・・・・・・・・・」
ミズル「分かった、罰はなしだ!」
ミズル「さっそくアルバイトを始めるぞ!」
サラ「急だなぁ!?」
〇ボロい駄菓子屋(看板無し)
ミズル「はいよっ!これが アルバイト用の荷物だ!」
ミズル「全部で4箱あるから・・・、 4人分だな!」
まいん「・・・で、どうやって 持っていくのよ?」
ミズル「そこの自転車で運ぶのだ!」
ミズル「自転車の後ろにかごを 取りつけて・・・、」
ミズル「箱を置いて・・・っと」
ミズル「よし!完成だ! さあ、まいんよ!乗ってくれ!」
まいん「な・・・、 なんで強制なのよ・・・」
まいん「サラ、一緒に乗ってよ」
サラ「やだー! これ、2人乗りじゃないもん!」
ミズル「まいんが乗って、サラがついて いくだけでいいじゃないか」
サラ「その手があったね!」
サラ「えへへ、ボク、体が小さいから、」
サラ「自転車のペダルに足が 届かなくって・・・、」
サラ「自転車に乗るの、諦めようかと 思ってたんだ~」
ミズル「サラ、お主・・・ バイト人じゃないだろ!」
ミズル「まいんに謝れー!」
サラ「まいんちゃん・・・、 待たせてごめん」
サラ「もう・・・最初の人の所へ行こ?」
まいん「かしこまりましたぁ!」
ミズル「全く・・・、 我の身にもなれよ・・・」
まいん「・・・って、ん?」
エイリン「こんにちはっ!」
ミズル「エ・・・、エイリン!」
エイリン「ミズル、仕事したいな」
まいん「・・・?」
ミズル「ごめんな、まいん 急用が出来てしまった」
ミズル「ほら、サラが待ってるぞ 早く行ってこーい!」
まいん「・・・うん!」
ミズル「さぁ、仕事開始だ!」
エイリン「はーい!」
〇大樹の下
まいん「えーっと・・・、ここかな?」
まいん「キラレーヌがいる大樹って・・・」
サラ「うん、合ってるよ!」
まいん「でも、どこにいるのか・・・ ちょっと不安だなぁ」
サラ「呼んでみたらどう?」
まいん「うん・・・、呼んでみるね」
まいん「キラレーヌさ~ん! お届けものだよー!」
キラレーヌ「はいはーい、呼んだ~!?」
まいん「・・・って、うわー!」
まいん「大樹からひょこっと出てきたー!」
キラレーヌ「ねぇねぇ、あたしを呼んだのは あなたよね?」
キラレーヌ「名前、教えて?」
まいん「ま・・・、まいん・・・」
キラレーヌ「まいんね!覚えたわ!」
キラレーヌ「さっそくだけど、まいんの 持ってるお届けもの、」
キラレーヌ「ここで開けちゃってもいい!?」
まいん「え・・・、えっと・・・、」
サラ「『ばーんと開けちゃって』って 言いなよ~!」
まいん(サ・・・、サラ・・・)
まいん「ば・・・、ばーんと 開けちゃっていいよ・・・」
キラレーヌ「ほんと!?ありがとー!」
キラレーヌ「じゃあ、開けちゃうよー! えーい!」
キラレーヌは、箱を開けた
キラレーヌ「きゃー!」
キラレーヌ「このティアラ、 ちょーかわいいー!」
キラレーヌ「これ、ちょー高級品なのよねー! もらってよかったー!」
まいん「・・・そんなにうれしい?」
キラレーヌ「うれしいに決まってるじゃん!」
キラレーヌ「これをつけて、誰かとお付き合い ごっこしたいな~!」
まいん(妄想すぎる・・・)
サラ「ねぇねぇ、まいんちゃん」
サラ「キラレーヌも喜んでくれた みたいだから、」
サラ「次の人の所へ行こ?」
まいん「うん!」
まいん「キラレーヌさん、またね!」
キラレーヌ「やだ~!『さん』付け されちゃったら、」
キラレーヌ「あたし、照れちゃう~!」
キラレーヌ「だから、普通に呼んで~!」
まいん「はいはい・・・」
まいん「改めてだけど、 またね、キラレーヌ」
サラ「ばいばーい!」
キラレーヌ「まったね~!」
〇草原の道
まいん「次の人、どこですか~?」
まいん「・・・・・・・・・」
まいん「・・・あ!みっけ!」
フラン「おや・・・?」
フラン「君は誰だい?」
まいん「あたし、まいん!」
まいん「ミズルのアルバイトを している所なんですっ!」
フラン「アルバイト・・・、ご苦労さん」
フラン「じゃあ・・・、その箱、 私にくれないかな?」
まいん「了解ですっ!はい、どうぞ!」
フラン「ありがとう・・・、 私はフランだよ」
まいん「フラン、よろしくね!」
フラン「さて・・・、 さっそく開けてみよう」
フランは、箱を開けた
フラン「これは・・・、魔法の書だ!」
フラン「ミズル・・・、あんな高い本を 用意してくれるなんて・・・」
フラン「とてもありがたいよ!」
まいん(そんなに感激するんだ・・・)
サラ「ねぇ、フラン」
サラ「魔法の書って、実際どんなの? ちょっと見せてよ」
フラン「・・・長くなるけど、いい?」
サラ「うわっ、フランの自慢話・・・ 聞くのはいいけど、」
サラ「途中で飽きちゃうんだよね・・・」
まいん「たった5分程度でもいいじゃん! ひまつぶしにもなるからさ!」
サラ「・・・そうだね!」
フラン「じゃ、5分だけ・・・ 話してあげよう」
・・・でも、フランの話は
あたしたちの予想時間を超えて、
気づいたら15分経過していた
サラ「フラン・・・、 いつまで話すんだよー!」
サラ「もう、とっくに5分 超えてるじゃないかー!」
まいん「あたしたち、次の人の所へ 行かなくちゃいけないの・・・」
フラン「はっ・・・、すまない!」
フラン「まいんたちには迷惑かけて しまったみたいだね・・・」
まいん「いいのよ!」
まいん「次、来た時にまた、続きを 話せばいいじゃないの!」
フラン「ふふ・・・、そうだね」
フラン「じゃあ、また後で話そっか・・・」
まいん「うん、また!だね!」
サラ「ばいばーい!」
フラン「まいん・・・」
フラン「不思議な子だったな・・・」
〇田舎の役場
まいん「・・・・・・・・・」
サラ「・・・まいんちゃん?」
まいん「あっ、考え事してた」
サラ「どんな考え事?」
まいん「アルバイト終わったら、 お金もらうじゃん?」
まいん「そのお金で・・・ 何を買おうかなー・・・って」
サラ「なぁーんだ!そんな事で 悩んでいたのかぁ~!」
サラ「買いたい物は、ぱっと買う! この村の鉄則だよ」
まいん「じゃあ、あたしが欲しい物を 買えばいいのね!?」
サラ「うん!全てはまいんちゃん 次第だよ!」
まいん「あたし次第かぁ・・・」
サンディ「よっ!元気か?」
サラ「あっ、サンディだ! こんにちはー!」
まいん「初めまして! あたし、まいんだよ!」
サンディ「ミズルの店でアルバイトしてる って噂になってたのって、」
サンディ「まいん、お前だったのかー!」
まいん(・・・なんでアルバイトしてる だけで、噂になるの・・・)
まいん「・・・お届けもの、持ってくるね」
サラ「もう・・・、最初から箱を 手に持ってれば、」
サラ「そのまま渡せたんだろう けどなぁ・・・」
まいん「えっと・・・」
まいん「サンディに渡す箱・・・、 どれだっけ?」
まいん「そうだ、上の箱だった! よいしょ・・・って、」
まいん「えぇーっ!? うそでしょ!?」
サンディ「おい、どうしたんだよ!?」
まいん「箱を持ったら・・・、 なぜか軽かったの!」
サンディ「箱が軽いとか・・・、 絶対ありえねぇよ!」
サンディ「まいん、その箱とあっちの箱、 ちょいと開けてみろ!」
まいん「うん!」
まいん「サラ、もう一箱持ってきて! 一緒に開けよう!」
サラ「分かった!」
サラがもう一つの箱を
持ってきた
まいん「行くよ!」
「せーのっ・・・って、」
「開かなーい!なんでー!?」
まいん「おかしいよ・・・、 こんなのおかしいよ!」
まいん「ミズルに文句言ってやるん だからー!」
サラ「・・・・・・・・・」
サンディ「・・・なぁ、サラ」
サンディ「オレたちも、まいんを 追いかけようぜ?」
サラ「うん・・・」
〇ボロい駄菓子屋(看板無し)
まいん「ミズル!」
ミズル「まいん、どうした!?」
まいん「この自転車に積まれた箱、 あなたも持ってみて!」
ミズル「な・・・、なぜ我が箱を持たねば ならぬのだ・・・」
まいん「もう、箱のせいでアルバイト どころじゃないの」
まいん「お願い、箱を持って?」
ミズル「・・・仕方ないな、 持ってやろうぞ!」
ミズルは、箱を持った
ミズル「・・・って、何ーっ!?」
まいん「ね?軽いでしょ?」
ミズル「まさか・・・、箱の中身が 空になっていたとは!」
まいん「ミズル、箱を開けてよ」
ミズル「む・・・、無理だ!」
ミズル「キラレーヌとフランに用意した 箱は開けやすい箱で、」
ミズル「この箱ともう一つの箱は 中にガムテープが貼ってある!」
ミズル「だがな、4箱とも貴重な品は 入ってはおらぬ!」
ミズル「全て、あいつらの好みの品が 入っておるのだ!」
まいん「えっ・・・、じゃあ、 なんでもう2つの箱に」
まいん「ガムテープをくっつけたの?」
ミズル「ガムテープをくっつけたのは 我ではない・・・はずだ」
まいん「・・・『はず』?」
サラ「まいんちゃーん!」
サンディ「箱の件はどうなったんだ!?」
まいん「それが・・・、」
まいん「・・・?」
サンディ「・・・まいん?」
まいん「・・・ねぇ」
まいん「ちょっと箱を裏返してもいい?」
あたしは、箱を裏返してみた
まいん「裏に・・・切れ目!? どういう事!?」
ミズル「あんな頑丈な箱が・・・ 傷ついてる・・・だと!?」
まいん「・・・・・・・・・」
まいん「・・・はっ!」
まいん「ひらめき、きらめきっ!」
サラ「何か思いついたの!?」
まいん「どうやら、探偵まいんの出番が 来たみたいね!」
(探偵・・・まいん?)
まいん「推理時空、展開っ!」
ミズル「・・・って、 まいんたちが消えたーっ!」
エイリン「ミズル・・・、どうしたの?」
ミズル「・・・・・・・・・」
〇ポリゴン
まいん「バイトの箱破り事件、発生! 推理タイム、スタート!」
サラ「箱が軽くなってたなんて、 ちょっとびっくりだよ」
まいん「しかも、箱の裏を見たら 傷ついてた・・・」
まいん「キラレーヌとフランは、 普通に箱を開けた・・・」
まいん「けど、サンディに渡すはず だった箱と、」
まいん「もう一つの箱には、中に ガムテープが貼ってあった・・・と」
まいん「誰かが箱にいたずらした? それしか思えない」
サラ「ミズルの手伝いをしてた子が いた・・・とか?」
まいん「つまり、最初の2つの箱は ミズルが仕込んでいた物で、」
まいん「もう2つの箱はミズルの手伝いを してた子が仕込んでいた物・・・」
まいん「・・・だとすれば?」
まいん「いたずら目的で犯行した・・・ としか思えない」
サンディ「そういえば、朝、ミズルの手伝いを しに来たやつを」
サンディ「見かけたんだが・・・」
まいん「ほんと!?」
まいん「あ、でもちょっと待って」
まいん「あたしとサラが ミズルの店に来たのって、」
まいん「昼ごろだったはず・・・」
サンディ「おかしいと思うだろ?」
サンディ「手伝いに来たつもりが、 何かがきっかけで」
サンディ「箱にいたずらしてしまった 可能性もない・・・はずだ」
まいん「『何か』・・・?」
サラ「まいん、もしかしたら・・・」
まいん「うーん・・・」
まいん「一回戻ってみよう」
〇ボロい駄菓子屋(看板無し)
まいん「・・・・・・・・・」
ミズル「・・・で、どうだったんだ?」
まいん「・・・ミズル」
まいん「友達、呼んで来れる?」
ミズル「友達・・・っていうか、 ここにいるが・・・」
エイリン「はーい! ここにいまーす!」
まいん「・・・ねぇ」
まいん「何か持ってる?」
エイリン「持ってる・・・って、 はさみなら持ってるけど?」
まいん「ふっふっふ・・・」
まいん「どうやら事件の核心に 近づいてきたみたいね!」
まいん「犯人は・・・あなたよ!」
エイリン「なんで私なのー!?」
まいん「はさみで箱の裏を切って、 物を勝手に出したんでしょ!」
エイリン「そ・・・、そうだけどっ・・・!」
エイリン「あれは私が空腹だったから 取った行動の一つでっ・・・!」
まいん「・・・どういう事?」
エイリン「あのね、私ね、」
エイリン「ミズルに『新人のバイトを 手伝ってくれ』って頼まれて、」
エイリン「朝イチでお店へ来たの」
エイリン「で、その時に、偶然サンディが いたから、」
エイリン「10分くらい話してたの」
エイリン「で、サンディと別れた後に ミズルから呼ばれて、」
エイリン「手伝いの続きをしたの」
まいん「なるほど・・・」
エイリン「で、気づいたらお昼に なってて、」
エイリン「昼ごはんを食べたかったけど、 ミズルったら」
エイリン「昼ごはんを用意して くれなかったの!」
エイリン「だから、私、机に置かれていた はさみを取って、」
エイリン「箱の裏を切って、中身を 取り出しちゃったの!」
サラ「それで箱が軽くなってた んだね・・・」
サラ「・・・あれ?」
サラ「中のガムテープは どうやってつけたんだい?」
エイリン「『食べ物が入った箱には ガムテープを中につける』って、」
エイリン「命令されてたの」
まいん「食べ物・・・」
まいん「ねぇ、何を食べたの?」
エイリン「・・・カステラ」
まいん「バイトの品を勝手に食べる とか・・・」
まいん「がまんできなかったの?」
エイリン「だって・・・、昼ごはんを用意 してくれなかった」
エイリン「ミズルが悪いんだもん・・・」
ミズル「エイリン、もういいぞ!」
ミズル「カステラを食べたのは許す、 だから、我は怒らぬ!」
エイリン「許すのね・・・、 ごめんね、ミズル・・・」
エイリン「ごめんね、まいんちゃん たち・・・」
エイリン「余ったカステラ、持ってって いいからぁ・・・」
サンディ「エイリン、もう泣くなってー!」
まいん「もう・・・、」
まいん「みんなも気づいて、アラモード?」
〇草原の道
まいん、サラー!
まいん「あっ、ティナ!」
ティナ「なんであたしの所に 来なかったのよ!?」
ティナ「『バイトしてる』って 言っておいて、」
ティナ「あたしをスルーするとか・・・ ほんと最低ね!」
まいん「えっと・・・、あの・・・」
まいん「バイトの途中で事件が 発生しちゃって・・・」
ティナ「あら、だったら しょうがないわね」
まいん「でも、バイトは一応 終わったんだよ」
まいん「はい、これ!」
まいん「このカステラ・・・ 3人で食べよ?」
ティナ「えっ・・・、いいの?」
まいん「いいんだよ!だって、」
まいん「あたしたちは友達だからね!」
ティナ「・・・そうね!」
サラ「じゃ、早く家に帰って カステラを食べよー!」
「はーい!」
アルバイトは中途半端
だったけど、
事件の後のカステラは
すごくおいしかったよ!
続きはネクスト、またアゲイン!


