折檻(脚本)
〇グレー
浄土院・庭舞台
しゃぐまにささらの田楽舞
連なり踊るは道化
戌丸
英林
ほろ酔いの義視と西方武将
傍女に酌をさせながら手拍子を打つ
と、宗全
上座に登り、義視の傍に胡坐をかく
義視「・・・」
宗全「あの者ども、見慣れぬ顔にて」
宗全「同朋衆にござるか?」
義視「同朋?ただの道化よ・・・」
宗全「ふむ。ただの道化でしたか」
宗全「忍びを飼うとは、いよいよ 立派な戦さ人になられたと、 喜んでおりましたが・・・」
宗全「ただの道化とは」
義視、盃を叩きつけ席を立つ
義視「不快至極」
宗全「・・・」
宗全「・・・」
宗全「戯れは終わりだ」
宗全
握っていた鉄扇を舞台に飛ばす
道化、己が扇で鉄扇を叩き落とす
舞台を飛び降りる道化
道化「お目汚し、ご容赦」
宗全「・・・」
宗全「明後日。管領勝元と会う」
斯波弟「な、なんと?」
宗全「そなたらの兄も出てこよう」
斯波弟「まさか!今更和睦など・・・」
畠山弟「それがお前の用意した戦場と申すか!」
宗全「不服か?」
宗全「ならばその場で太刀持て兄を殺すがいい」
宗全「止めはせぬ。助けもせぬがな」
斯波弟「宗全・・・」
畠山弟「気でも違われたか?」
宗全「ふん」
宗全「兵がおらねば喧嘩もできぬか」
斯波弟「呆けたことをぬかすでない!」
畠山弟「結局和睦で治めるとは! 田舎守護の後ろ盾なぞ、 その程度という事か!」
宗全「どこに行く?」
畠山弟「己が陣に戻るまでよ」
宗全「そして次はどこに逃げる?」
畠山弟「に、逃げるなど・・・」
斯波弟「ぶ、無礼ぞ!」
宗全「どこに籠る?」
宗全「誰に頼る?」
宗全「誰に愚痴を吐く?」
宗全「お前達は本気で 戦さする気などないのであろう」
宗全「家督を継げぬ憂さを 喧嘩騒ぎで晴らしておるだけであろう」
宗全「気は済んだならばとっとと兄に 頭を下げ、家来になるがいい」
宗全「その場所を儂が用意してやると言うのだ」
畠山弟「宗全!貴様!」
軽くかわし、投げ飛ばす宗全
畠山弟「ぎゃん!」
斯波弟「ひいっ・・・!」
宗全「何がバサラだ白粉武者ども」
宗全「お前達は誰にも叱ってもらった事が ないのだろう。 ならばこの入道が叱ってくれよう」
宗全「この馬鹿者が!」
宗全「甘ったれが!」
畠山弟「お、お許しを・・・」
宗全「考えろ」
宗全「血族を殺し家を奪い、長となるは どれ程の覚悟かよく考えろ!」
宗全「政に携わるという事を。 大義の為に愛も情も捨てるという事を」
宗全「戦さという人生しか生きられぬ! それが我等武士(もののふ)だ!」
宗全「肝に銘じよ!」
「は、ははーーーーーッ!」
宗全「夢幻は終わりだ」
宗全「腹を括れ。鬨の声を上げろ」
宗全「下が上に克つ鬨の声を」
道化「夢幻は終わり・・・・・・」
英林「下が上に克つ・・・」
宗全「左様」
〇炎
下剋上よ
続


