看破(脚本)
〇グレー
浄土院・薪小屋
眠っている道化、英林、戌丸
道化、何かを感じ、目覚める
それは紛れもない殺気
眼前に不動尊の面を被った者が
じっと三人を見据えている
道化「英林様・・・」
英林「・・・!」
英林「何者か」
不動面「悪に対する護法の憤怒」
英林「ほざけ。曲者風情が」
道化「私はただの河原者にて」
英林「いちいち答えずともよい。相手は魑魅魍魎」
英林「或いは無頼の野盗か? ならば相手が悪かったな」
不動面「如何に非人乞食を名乗ろうと、 体が勝手に動くこともあろう」
道化「・・・?」
と、躍り込む黒装束の集団
不動面「かかれ」
〇グレー
薪小屋・表
刀を抜き、黒装束と刃を交える英林
道化は降りかかる凶刃をかわし続ける
逃げ惑う戌丸
戌丸「ひいっ!」
不動面「ワッパなど捨て置け。 見定めるはあの男のみ」
煌々と輝いている月が雲間に隠れる
〇黒
刹那、道化の目が妖しく輝く
道化「見える」
道化「見えているぞ」
黒装束を捻りあげ太刀を奪う道化
そして異形の動きで次々と
不動面「やはり『忍(しのび』か」
英林「もはやおぬし一人!往生せい!」
〇グレー
面の奥より現れるその顔は
また、明王なり
英林「そ、宗全さま!」
宗全「無頼の輩の頭目ならば、好きにせよ」
英林「お戯れを・・・」
道化「戯れとは知らず斬ってしまいました」
宗全「気に病むな。こやつらの命は儂のもの」
宗全「うぬの正体を見定めるため、 十分な働きであったわ」
英林「正体?」
英林「道化・・・ うぬは一体・・・」
道化「・・・」
続


