ズレズレスクールライフ2

夏目心 KOKORONATSUME

13 それぞれの想い(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
田中光太郎「親父!ただいま〜!」
田中太郎「あ!お前らお帰り!それといらっしゃいさゆりちゃん!」
白川さゆり「お疲れ様ですおじさん!今からご飯作りますね!」
田中太郎「あぁ、頼むよ・・・ミク、お前も手伝ってくれよ?」
田中ミク「うん!お父さんの頼みならやるよ!」
田中太郎「なぁ光太郎、最近学校どうだ?」
田中光太郎「あぁ、この前会った汀さんっていただろ?その人が作ったロボットの世羅さんってのが転校してさ・・・」
田中光太郎「今度の現場実習一緒にやる事になるんだ・・・それと、」
田中光太郎「クラスメイトに酒井って奴がいるんだけどさ・・・何かロボットに生まれ変わってて・・・」
田中太郎「はぁ?どう言う事だ?楓が作ったロボットの話は知ってたけど・・・クラスメイトがロボット?」
田中光太郎「あぁ、実はカクカクシカジカでさ・・・」
田中太郎「ま、マジか!そう言えばあの時夏目工房に呼ばれたのそんな話があった後だったな!」
田中光太郎「あぁ、もう本当ビックリでさ・・・って、」
田中光太郎「え?なぁ親父、この前技術提供したって言ってたけど?」
田中太郎「え?えぇ?もしかして、俺があの時やったのって・・・向こうは詳細言わなかったし・・・」
田中光太郎「良く良く考えたら、酒井の奴、普通に喋ってたな・・・」
「・・・・・・」
田中太郎「まぁ、あれだ・・・何かあったら言ってくれよ?」
田中光太郎「お、おう・・・」
田中ミク「えぇ!?お兄ちゃん、今日一緒にいたロボットと一緒の所に実習行くんですか!?」
白川さゆり「そうよ・・・別にそんな驚く事無くない?」
田中ミク「いやいや!あなたはそれで良いんですか!?ここに来てご飯作るのだって、お兄ちゃんに近づく口実じゃ・・・」
白川さゆり「・・・全く、何を勘違いしてるの?」
田中ミク「え?」
白川さゆり「確かに私は光太郎とは仲良いわよ・・・でも、私いつ光太郎と付き合ってるなんて言ったの?」
田中ミク「え?そう言えば一緒にいる事は多いけど、付き合ってるとは・・・」
白川さゆり「・・・最初から分からない程馬鹿じゃ無いわよ・・・そもそも人間とロボットじゃ子供作れないじゃん・・・」
田中ミク「え?だったら何でここにご飯作りに来てるんですか!?」
白川さゆり「・・・情けは人の為ならずよ・・・田中家の家庭事情を見たら、放って置けないじゃん・・・」
白川さゆり「おじさんも光太郎も助けたいと思ったのは、私がそうしたかったからよ・・・」
田中ミク「・・・で、ですが、お兄ちゃんが他の子と仲良くしてるの見て辛くなったりしないんですか?」
白川さゆり「・・・ロボットとは言え、折角生まれて来たんだもの・・・光太郎が納得する形で幸せになれるなら、私は何も言わないわ・・・」
白川さゆり「あなたも光太郎の事が大好きなら、そう言う事はちゃんと応援した方が良いわよ?」
田中ミク「・・・・・・」
田中ミク「お兄ちゃんの幸せって、何なんでしょうか?」
白川さゆり「それは光太郎じゃ無いと分からないわね・・・さて、早くご飯作っちゃいましょう!余り待たせるのも良く無いし!」
田中ミク「・・・!はい!」

〇実験ルーム
  夏目工房。研究室。
汀楓「良し!インプット完了ね!」
世羅「・・・・・・」
世羅「データチェック完了・・・後の実習には87%の確率で状況処理が可能です・・・」
汀楓「そう!それなら余程の事が無ければ大丈夫そうね!」
汀楓「只、これでもっと感情表現が豊だったら良かったのだけど・・・ここの所は太郎には敵わないわね・・・」
世羅「・・・・・・」
汀楓「ん?どうかしたの世羅?」
世羅「楓様、質問宜しいですか?」
汀楓「あら!あなたから質問なんて珍しいわね!何かあったの?」
世羅「・・・友達がいるとは、どの様な感じなのですか?」
汀楓「・・・これはまたメジャーな質問ね・・・そうね・・・」
汀楓「一緒にいて楽しかったり、助け合ったり、喧嘩しちゃう事もあるけど、そうやって互いを助けたり、」
汀楓「高めあったりするのが友達かしらね?私も明確な答えは出せないけど・・・」
世羅「・・・随分と曖昧な解答ですね・・・」
汀楓「そんな物よ・・・助けたいから助けたい・・・間違ってたら直す・・・人間って世羅が思ってる以上に矛盾してるのよ・・・」
汀楓「言い出したら切りが無いけど、それが面白い所でもあるわ・・・」
世羅「・・・なら、もう一つ質問です・・・」
汀楓「今度は何?」
世羅「もし私が大破など、私と言う存在がいなくなったら、楓様はどう思われますか?」
汀楓「成る程・・・そう来たか・・・」
汀楓「当然、私は悲しい気持ちになって、何日で立ち直れるか分からないわ・・・」
世羅「ですが、楓様の力があれば、今よりももっと高性能なAIロボットを開発出来る筈ですが?」
汀楓「あのね、確かにAIなら直ぐにでも新しいのは作れるわ・・・でも人間の命が一度消えれば二度と元には戻らないから、」
汀楓「良し悪しは問題じゃ無いの・・・その人だからそうしたいのよ・・・」
世羅「その発言からだと、楓様からは私も含まれると?」
汀楓「そう言う事!」
汀楓「まぁ、地道に学んで行けば分かって来るわよ・・・実習頑張るのよ?」
世羅「・・・・・・」

次のエピソード:14 実習開始

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