ズレズレスクールライフ2

夏目心 KOKORONATSUME

14 実習開始(脚本)

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〇田舎の総合病院
  数日後。
田中光太郎「ここが俺らの実習先か・・・」
世羅「施設名、夏目ホーム・・・従業員、約50名・・・施設完成日は・・・」
田中光太郎「だぁ!そう言うの良いから!」
谷本京子「あの、すみません・・・」
田中光太郎「ん?どうかなさいましたか?」
谷本京子「今日から夏目高校から実習生のロボットが来ると聞いてたんですが、もしかして?」
世羅「はい・・・我々が本日より夏目ホームで実習を受ける事になります・・・夏目高校所属の生徒です・・・」
谷本京子「あ!やっぱりそうでしたか!ロボットが来ると言ってたからにわか信じられなかったのですが、」
谷本京子「お話は本当だったのですね!私は夏目ホームの職員の谷本です!」
谷本京子「あなた方のご指導は私が引き受ける事になりましたので、本日から宜しくお願いします・・・」
田中光太郎「あ、はい!宜しくお願いします!」
谷本京子「えぇ!それでは中へ案内しますね!どうぞこちらへ!」

〇田舎の病院の休憩室
  数分後。
谷本京子「施設案内は以上になります・・・何か質問はありますか?」
世羅「質問はありません・・・地図の把握は完了しています・・・」
田中光太郎「俺も大丈夫です・・・」
谷本京子「成る程・・・AIと言うだけあって記憶力も良い感じですね・・・それでは今日から仕事を覚えて頂きます・・・」
谷本京子「あなた方には先ず、掃除、洗い物、ご飯を持って行く所から始めて頂きます・・・その後で、」
谷本京子「御老体の方々の相手も少しずつやって頂きたいと考えています・・・話し相手や下の世話等、」
谷本京子「状況に寄ってはマニュアルからそれる事もあるのでそこはご理解下さい・・・」
世羅「分かりました・・・事前情報は全てインプットしてありますので問題ありません・・・」
田中光太郎「世羅さん・・・それ失敗フラグに聞こえるんだが・・・まぁ良いや・・・」
田中光太郎「分かりました!宜しくお願いします!」
谷本京子「はい!それでは早速始めましょう!」
  数時間後。
田中光太郎「お待たせです!ご飯持って来ました!」
小林義明「おぉ!こりゃまた美味そうだな!」
関敏子「おや?あんた達見慣れない顔だけど、新しい人なのかい?」
田中光太郎「あ、はい・・・人と言うよりロボットですが・・・」
世羅「私達は夏目工房産のロボットシリーズです・・・夏目ホームには、現場実習生として参加させて頂いております・・・」
小林義明「へぇ!て事は期間限定で仕事しに来たって事か?てかあんたら学生なのか?」
田中光太郎「あ、はい!俺らは夏目高校の生徒なんです・・・」
小林義明「そうなのか!なぁ、ロボットに若いとかあるのか?」
世羅「その様な概念は我々にはありません・・・適切な素材があれば直ぐに修復出来ますので・・・」
田中光太郎「おい、余り無機質に振る舞うなって・・・」
浅野叶「ちょっとあんた達!こんなのに何現抜かしてるんだい!?」
田中光太郎「え?あなたは?」
小林義明「ちょっと浅野さん!何言っちゃってるのさ!この子ら学生さんなんだぜ!」
浅野叶「何が学生だよ!どっからどう見ても邪魔にしかならないだろ!ここの連中は何考えてるんだい!?」
浅野叶「こんな危なっかしいの買って来て!」
田中光太郎「あ、あの、失礼ですが、俺ら何か悪い事しましたか!?」
浅野叶「悪いも何も!あんたらAIなんだろ?それが私ら人間に取っては迷惑でしか無いのよ!」
世羅「・・・?確かに我々はAIです・・・ですが、その程度の根拠では我々を嫌う理由にはならないと思いますが?」
浅野叶「あんたらはロクなもんじゃ無いよ!言われた通りの事しか出来ないし、やれる事も限られてて、」
浅野叶「あんたらあれだろ?人殺しを覚えたら、もうそれしかやらない様な奴らだろ!!」
田中光太郎「んな!あんた幾らなんでも!!」
関敏子「だ、駄目だよ浅野さん!この子達は学校の行事でここに勉強しに来たんだ!そんな風に言ったら!」
浅野叶「とにかく!こんな奴ら早く追い出すかスクラップにして頂戴!人殺しを覚えられた後じゃ遅いんだからね!」
関敏子「全く、困ったもんだね・・・」
世羅「あの、質問宜しいですか?」
関敏子「ん?どうしたんだい?」
田中光太郎「あ、俺からも聞きたいんですが、あの人、俺らロボットに対して随分険悪でしたが、何かあったんですか?」
小林義明「あぁ、こうなったからには説明しないとだな・・・」
小林義明「あの車椅子の人は浅野さんって言ってな・・・結構古い時代の生まれで、何でも自分達でやって来てたんだ・・・」
小林義明「経緯は分からねぇが、機械が人を支配するアニメか何かを見た事があってよ・・・」
小林義明「それ以降あんたら見たいなロボットやAIを怖がってるんだ・・・」
世羅「え?たったそれだけで我々を恐れているのですか?しかもそれだけでは明確な根拠にもならないかと・・・」
関敏子「浅野さんは時代の流れに乗るのがどうしても苦手でね・・・そう言う怖い物を見たら直ぐ怒鳴り散らすんだよ・・・」
関敏子「来て早々だけど、余り気を悪くしないでおくれよ?」
田中光太郎「成る程・・・分かりました・・・まぁ、ここには色んな人がいるって感じで見て置きます・・・」
  老人ホームに通う事になった光太郎と世羅は、癖の強い老人を相手にしながらも、実習を受ける事となるのだった。

次のエピソード:15 怖がる理由

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