僕は天才!

夏目心 KOKORONATSUME

5 秀夫の実力(脚本)

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〇オーディション会場(物無し)
橋本敏夫「以上で、夏目ゲームスの説明会は終了とさせて頂きます・・・」
富田秀夫「(成る程な・・・ここでなら僕の実力が存分に発揮出来そうだ・・・しかしまぁ、)」
月島和也「いよいよ俺らもここの社員か・・・説明聞いたら益々楽しみになって来たぜ!」
明石家達也「俺もだよ!VRとかどんな感じに弄るんだろうな?」
雛森花「どんな感じの人達がいるかワクワクするねぇ!」
水島理央「周りの人達がライバルなら、少しでも気が抜けないわよね!」
富田秀夫「(どいつもこいつも緩そうな奴ばかりだな・・・大方こいつらは無理矢理頑張って入ったんだろうが、)」
富田秀夫「(僕に至ってはヘッドハンティングされた身だならな!実力差は明白だな!)」
月島和也「あの、すみません・・・」
富田秀夫「ん?どうしたんだ底辺さん?」
明石家達也「て、底辺?て言うか、俺らの事ジロジロ見てどうかしましたか?」
富田秀夫「あ、いえ!僕はこの夏目ゲームスに才能を見込まれてスカウトされたんだ!君達はどんな感じなんだい?」
月島和也「え?そりゃまぁ、入社試験を受けて受かったから・・・」
富田秀夫「やっぱりな!このIQ200から300の僕と君達との実力差は決定的だな!僕はここで君達よりも早く出世するだろうから、」
富田秀夫「君ら雑魚どもは精々足掻く事だな!」
月島和也「な、何だよあいつ!?IQ200だか何だか知らないが、初対面なのに偉そうに・・・」
明石家達也「放っとけ、あぁ言う奴は後で痛い目見るから、俺らは俺らのやる事やってようぜ?」
月島和也「まぁ、そりゃそうだけどよ・・・いけ好かないと言うか痛々しいと言うか・・・」
  僕とこの雑魚どもとの実力差は明確。そう思っていたのだが。

〇研究施設のオフィス
  数日後。
富田秀夫「な、何故ですか!?何故僕の案が不採用なんですか!?」
橋本敏夫「何故だって?こんなのは一目見れば分かるだろう?」
橋本敏夫「何だねこの馬鹿にならない資料の量は?文は固いし専門用語は多いし小難し過ぎる・・・」
橋本敏夫「最初の一枚をめくっただけで読む気が失せたよ・・・」
富田秀夫「お、お言葉ですが!あなた方夏目ゲームスは僕の能力を見込んでスカウトして下さったのですよね!?」
富田秀夫「なのに何故僕の案が却下されるんですか!?」
橋本敏夫「分からないのか?ゲーム作りと言うのはチーム戦だ・・・お互いに長所と短所を補い合い、」
橋本敏夫「お互いに意見を出し合いその上で何が最良なのかを見定め、進んで行く・・・」
富田秀夫「で、でしたら何故!?あなた方は僕の才能を存分に活かす事が出来るから僕を雇ったんじゃ無いですか!?」
橋本敏夫「うむ、どうやら何も分かっていない様ですね・・・」
富田秀夫「は?」
橋本敏夫「IQが高いからスカウトした、これは間違いではありません・・・知識も豊富ですし他では出来ない様な事が出来る・・・」
橋本敏夫「我々が着目したのは、その他には無い発想が富田君に出来ると思ったからです・・・」
富田秀夫「は、はぁ?」
橋本敏夫「ですが、今回の君の資料を見て一つだけ分かった事があります・・・」
富田秀夫「・・・!?それは一体!?」
橋本敏夫「あなたの思考は、独り善がりだと言う事です・・・」
富田秀夫「そ、そんな!?」
橋本敏夫「ですので、周囲の意見を聞きながら、今一度自分を客観視して見て下さい・・・」
富田秀夫「こ、この僕が独り善がりだと・・・!?奴ら何を見てそう思った!?」
富田秀夫「こうなったら、もう一度この資料を見直して、何が駄目だったか見定めてやる!」
  上司からのダメ出しを喰らった秀夫は一目散に自分のデスクに戻り、資料作りをやり直すのだった。

〇大衆居酒屋(物無し)
  所変わって、その日の夜。
星川スミレ「ぷはー!やっぱ仕事終わりと言ったらビールだけど、何か今日に限ってじゃんじゃん行けそう!!」
赤木加奈子「本当それっす!仕事も不満無くやれましたし、やっぱあいつがいないせいですよね!」
秋山人志「お、お前ら、余り飲み過ぎると帰れなくなるぜ?」
赤木加奈子「何言ってるんすか秋山先輩!どうせ明日は休みなんすよ!今日飲まないでいつ飲むんすか!?」
秋山人志「い、いや・・・他にもやる事あるだろうしさ・・・俺は遠慮しとくよ・・・」
星川スミレ「え〜・・・勿体無い事するなぁ・・・」
星川スミレ「秋山く〜ん、ちゃんと飲んでる〜?」
秋山人志「お、おい、大丈夫か星川?」
赤木加奈子「ありゃりゃ、完全に出来上がっちゃってるっすね・・・」
星川スミレ「大体さぁ・・・あんな片付けもやろうとしないヘッポコなんか相手してるのがあたしらに取って間違いだったよね〜・・・」
星川スミレ「こちとらやる事やって秋山君と飲みに行ったりどっか遊び行ったりしたいのに・・・」
星川スミレ「それなのにあいつと来たら〜!!仕事舐めんの大概にしやがれってんだ〜!!」
秋山人志「お、おいおい星川!お前もう飲み過ぎだ!もうその辺にしとけって!」
星川スミレ「言い足りないよ〜!大体、秋山君ちゃんと飲んでる〜?」
赤木加奈子「ありゃりゃ、秋山先輩好かれてるっすねぇ・・・今日位良いんじゃ無いっすか?」
秋山人志「いやいや!俺が飲んだらどうやって帰るんだよ!?」
赤木加奈子「え?近くのホテルでも使えば良いんじゃ無いっすか?秋山先輩ご指名されてるっぽいっすし・・・」
秋山人志「そ、そんな事出来るか!!」
星川スミレ「あ〜もう!秋山君もっと飲もうよ〜!!」
秋山人志「いや!お前が呑まれてるからな!」
  こっちはこっちで盛り上がってるのだった。

次のエピソード:6 プレゼン

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