エピソード3(脚本)
〇おしゃれな食堂
学園内 食堂
眩しい日差しが窓から差し込んでいた。
うーん・・・昼ご飯は何にしようかな・・・バイキングスタイルとはいえ、なにを選べばいいんだ・・・
にしても、今日はなんだか色々と忙しいな・・・
???「騎士様ー!」
ん?いま誰かに呼ばれたような・・・
どこからか、優しくて柔らかい声が聞こえた。
呼ばれた方に振り向くとそこには・・・
水無月あおば「そこにおられたのですね!」
あ、水無月さん!
水無月あおば「お昼ご飯、何を取られるかお決まりになりました?」
いや、まだなんだよね・・・迷っててなかなか決められなくて
水無月あおば「そうですか・・・では、何かおすすめを聞いてみるのが1番かもしれませんわ」
え?おすすめなんて聞いてもいいの?
水無月あおば「ええ、ここのお昼ご飯は種類が多く、どれも絶品ですからなかなか決められない方が多いんですの」
水無月あおば「だから迷ってしまった時はおすすめを聞いて決めてるんですの」
そうなんだ・・・さっそく聞いてみるかな
ありがとう、水無月さん
水無月あおば「いえ、お役に立てたのなら嬉しいですわ」
水無月あおば「にしても、今日は暖かいですわね」
そうだね、暖かくてつい眠たくなりそう
食べておかないと元気が出ないし、さっそく頂くとするかな
すみません、おすすめお願いします!
水無月あおば「わたくしもお願いします」
おお・・・!これがおすすめなのか・・・美味そう
水無月あおば「本当ですわね、今日も美味しそうですわ」
ではさっそく・・・いただきます
水無月あおば「いただきます」
2人はゆっくり食べた後、色々と話を聞いた
ところで水無月さんってさ、お父さんが水無月財閥の人なんだよね
水無月あおば「ええ、家族代々そうですわ」
お父さんはどんな人なの?
水無月あおば「父は優柔不断な所があるのですが、ここぞという時、決める時には決めます」
水無月あおば「それから心配性で、この学園に入る時には・・・」
水無月健太郎「本当に大丈夫なのかい?お父さん心配だ・・・」
水無月あおば「・・・なんて言っていた事もありましたわ」
へぇ・・・でも心配になる気持ち、分かるかもしれない
水無月あおば「えっ?それは、どうしてですの?」
ほら、何かと事件とかあったりするだろ?
いじめや辛い目にあわされてないかとか、事故にあってないかとか、色々心配になるんだよ、きっと
水無月あおば「・・・お父様・・・」
水無月あおば「でも何だか、父の気持ちを汲み取れた気がします」
水無月あおば「これからは今まで以上に、父と向き合いますわ」
水無月あおば「本当にありがとうございました」
お役に立てて良かったよ
キーンコーンカーンコーン・・・
あ、随分長いこと話したせいかな・・・はは
水無月あおば「そんな時もありますものね、戻りましょうか」
そうだね、戻ろう
〇教会の中
授業を終えた後の放課後の教会。
明かりの消えた暗闇の教会の中で、女神の像に向かって話す声が聞こえた
???「お兄ちゃんともう一度仲良くなりたい・・・」
声の主はフランシスだった。
強気な性格のせいで、兄を困らせているのでは無いかと不安だった
フランシス・アサクラ「こんな自分じゃないはずなのに・・・」
遡ること10年前
当時オーストラリアの小学校にいたフランシスは、自分の成績が落ちていくことにプレッシャーを感じていた。
浅倉ようこ「フランシス!なんなのこの成績は?!」
フランシス・アサクラ「Sorry,ママ・・・」
浅倉ようこ「このままじゃいい大学も入れないわよ」
フランシス・アサクラ「・・・」
そこからはずっと、毎日勉強漬けの日々だった
兄と一緒に見ていた大好きな番組も、この日を境に見るのを辞めた
そんな妹を1番心配していたのは、兄のダニエルだった。
ダニエル・アサクラ(幼少期)「フランシス・・・大丈夫?」
フランシス・アサクラ「・・・」
ダニエル・アサクラ(幼少期)「・・・一緒にプレイスクール見ないのかい?いつも楽しみにしてるだろ?」
フランシス・アサクラ「・・・それどころじゃない、いい大学に入れるように成績上げなくちゃいけないから」
ダニエル・アサクラ(幼少期)「たしかにそれも大事だけど・・・一緒に過ごす時間は今しかないんだよ?」
フランシス・アサクラ「・・・そんなの、今はいい」
フランシス・アサクラ「・・・とにかく邪魔しないでくれない?」
ダニエル・アサクラ(幼少期)「フランシス・・・」
フランシス・アサクラ「・・・あの時、追い返さずに、一緒に居てあげれば良かった」
コンコンコン
フランシス・アサクラ「──誰?!」
あ・・・驚かせてごめんね
フランシス・アサクラ「なんだ・・・あなただったのね」
・・・どうかしたの?
フランシス・アサクラ「・・・なんでもないの」
・・・じゃあ、どうして・・・涙が出てるの・・・?
フランシス・アサクラ「・・・えっ・・・?」
あっ・・・ごっ、ごめん・・・俺が余計な事を言ったから・・・
フランシス・アサクラ「ううん・・・いいの・・・ずっと苦しかったから・・・」
・・・そっか
俺に何があったか、聞かせてくれないかな・・・・・・?
フランシス・アサクラ「いいの・・・・・・?」
ああ、俺でよければ
フランシス・アサクラ「・・・」
フランシス・アサクラ「ありがとう、騎士様・・・」
〇教会の中
静かな夜の教会の中で、1人悲しむフランシスの姿を見たあなたは、訳を聞くために駆け寄った。
━━で、一体どうしたのか、ゆっくりでいいから俺に聞かせてくれないかな。
フランシス・アサクラ「うん・・・・・・実は・・・・・・」
フランシス・アサクラ「私ね、ここへ来る前に、my countryのオーストラリアに住んでたんだけど」
フランシス・アサクラ「私のお兄ちゃんとは仲が良くて、『プレイスクール』を毎日見たり、遊んだり・・・毎日が宝物みたいだった」
フランシス・アサクラ「でもね、日に日に落ちていく自分の成績に遂に私のママが怒っちゃって・・・」
・・・・・・。
フランシス・アサクラ「ついに許されなくて、そこから成績を取り戻す為に勉強漬けの日々がはじまったんだけど・・・」
だけど?
フランシス・アサクラ「お兄ちゃんは凄い心配してくれたのに、わたし、冷たい態度を取るようになって、距離も置いちゃって・・・」
フランシス・アサクラ「私を気遣ってくれてたのに、」
フランシス・アサクラ「邪魔しないで、って、つい冷たくしちゃって・・・」
・・・そっか、それは辛かったね・・・
確かに、成績を取り戻すのに勉強は確かに大事だけどさ
フランシス・アサクラ「え・・・?」
勉強もやりながら、一緒に遊んであげたり、一緒に過ごす時間も大事だと思う
フランシス・アサクラ「・・・・・・っ!」
・・・・・・って俺は、そう思うんだけど・・・・・・
フランシス・アサクラ「やっぱり・・・そうよね・・・」
あ・・・・・・ご、ごめん!
俺また変なこと、言ったかな・・・・・・
フランシス・アサクラ「ううん・・・私、気付かされた・・・ 騎士様も同じこと、思ってたみたいだし・・・」
え・・・・・・そうなの・・・・・・?
フランシス・アサクラ「うん・・・」
フランシス・アサクラ「私、またお兄ちゃんと仲直りしたい・・・」
フランシス・アサクラ「今度、お兄ちゃんに連絡してみる・・・ありがとう、騎士様のお陰で救われたわ・・・」
こちらこそ!
笑った顔のフランシスは、さっきと違い、キラキラとした表情で満ち溢れていた。
フランシス・アサクラ「I love you, and thank you Knights!」
・・・って、えっ、ちょっと・・・アサクラさん!?!?
わーっ!?
フランシスのあまりにも熱い抱擁に、勢いよくその場で転んでしまった。
フランシス・アサクラ「Are you okay?!」
O...okay...ガクッ・・・・・・
登場人物の回想では、シーンを切り替えて背景を変えるとより過去の出来事であると伝わりやすくなりますよ。
(フランシスと母のやり取りの部分)
主人公は誰とリングを交わすのか。
楽しみにしてます。