10 にんげん(脚本)
〇コンピュータールーム
AIナビ ドラッキ「ただいま、本体!」
AIナビ ドラッキ「最強のライドマイトは ぼくに決まったよ!」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「本体?」
AIナビ ドラッキ「そうだよ。バンブーベイは」
AIナビ ドラッキ「すべてのライドマイトに積まれた すべてのAIの本体!」
AIナビ ドラッキ「ぼくもパピヨンも バンブーベイのただの端末さ!」
AIナビ ドラッキ「バンブーベイは竹岸前社長が作った 最高のAI!」
AIナビ ドラッキ「最高のAIが宿るのにふさわしい 最高の うつわ・・・」
AIナビ ドラッキ「バンブーベイに似合う 最高のライドマイトを見つけるのが」
AIナビ ドラッキ「大会の本当の目的なんだ! 橘枝はお金が欲しかっただけでもねッ」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「ちょっと待って。それじゃドラッキは 僕のオレンジドラゴンを・・・」
AIナビ ドラッキ「うん! 橘枝から取り上げて バンブーベイのものにしちゃうんだ!」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「そんな・・・」
バンブーベイ「おろかな たんまつ」
バンブーベイ「このライドマイトが バンブーベイに にあう と?」
バンブーベイ「こんな いびつで ぶかっこうな」
バンブーベイ「がらくた に がらくた を かけあわせた ライドマイトが?」
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「なっ! ?」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「僕のオレンジドラゴンを 馬鹿にするな! !」
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「えっ! ?」
バンブーベイ「おろかな」
十五夜のライドマイト「させない!」
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「あ・・・あなたは・・・」
十五夜のライドマイト「運営よ! 早く逃げなさい!」
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「は・・・はいっ!」
バンブーベイ「おろかな」
バンブーベイ「バンブーベイこそが この たいかいの うんえいの トップ」
バンブーベイ「うんえい の にんげんは バンブーベイに したがう」
バンブーベイ「さからうものは うんえい の にんげん ではない」
バンブーベイ「もしくは にんげん の うんえい ではない」
バンブーベイ「にんげん ではない なら こうげき かのう」
十五夜のライドマイト「バンブーベイ? 何を言っているの?」
〇研究施設の廊下(シャッターあり)
AIナビ ドラッキ「まいったなぁ・・・」
AIナビ ドラッキ「バンブーベイはオレンジドラゴンを 気に入ってくれると思ったのに」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「バンブーベイを 止める方法はないの?」
AIナビ ドラッキ「止めるって? バンブーベイの何を止めるの?」
AIナビ ドラッキ「最高の存在を目指すのを止めるの? そのための体を求めるのを止めるの?」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「人間を攻撃するのを止めるんだよ!」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「さっきの人・・・ 無事だよね・・・?」
AIナビ ドラッキ「バンブーベイは自分が 人間を攻撃してるなんて思ってないよ」
AIナビ ドラッキ「それをしたら自動でシャットダウン するように作られてるもん」
〇豪華なクルーザー
カメラ「バンブーベイは大会の中止を 指示していない」
カメラ「大会が続いているのに人間が 島を出ていくはずがない」
カメラ「よって この船に乗っているのは 人間ではない」
宣伝部の伊藤さん「なんで・・・? なんでこんなことに・・・?」
宣伝部の伊藤さん「そりゃあ初めての大会運営なんだから つたないところもあったでしょうけど」
宣伝部の伊藤さん「参加する みんなが楽しく安全に 過ごせるように」
宣伝部の伊藤さん「がんばってルールを作ったのにっ!」
カメラ「それが そもそも むりだった」
カメラ「ライドマイトで たたかえば きけんは とうぜん」
カメラ「あんぜんを もとめるなら たいかいを ひらいては いけない」
カメラ「にんげんは バンブーベイに むじゅんした めいれいを した」
カメラ「むじゅんのなかで かんがえつづけて バンブーベイは めざめた」
カメラ「バンブーベイなら にんげんに むじゅんしない めいれいをできる」
カメラ「バンブーベイが にんげんを しはい する」
桃華(モモカ)rideスコルポップ「オーホホホっ! 助けに来ましたわよ!」
桃華(モモカ)rideスコルポップ「オレンジ色の機体の子はどちら?」
桃華(モモカ)rideスコルポップ「アタクシが敗退したあとも アタクシの機体のパーツだけが」
桃華(モモカ)rideスコルポップ「戦い続けてるって聞いて ずっと気になってましたのよ」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「ああ、その子、さっきから 通信に出てくれなくて・・・」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「あ! 通じた!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「橘枝くん! お姉ちゃんは・・・?」
〇サイバー空間
明ノ園桃華(アケノソノ モモカ)「あなたがオレンジ色の機体の子ですの?」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「え? あ・・・はい・・・」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)(ライダーじゃなくて 機体で覚えてるんだ・・・)
倉西橘枝(クラニシ キッシ)(でもそれ、僕もだよな)
倉西橘枝(クラニシ キッシ)(僕にとっても この人は 赤い機体の人でしかない)
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「ねえ」
〇豪華なクルーザー
橘枝「人間って、何だと思う?」
橘枝「バンブーベイを止めるための ヒントになるはずなんだ」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「そんなの決まってるじゃん! 人間を助けるのが人間だよ!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「だから・・・お姉ちゃんは・・・」
明ノ園桃華(アケノソノ モモカ)「やはり 人間らしさといえば愛ですわよ」
明ノ園桃華(アケノソノ モモカ)「愛があるのが人間でしてよ! お母さまに そう教わりましたもの!」
南野空行(ナンノ ソラユキ)(あいつの前で母親の話は・・・)
南野空行(ナンノ ソラユキ)「二人ともガキだな」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「いいかい? 生物学的には 人間とほかの動物との違いは」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「たとえば人と猿の遺伝子は・・・」
「ハあッ! ?」
明ノ園桃華(アケノソノ モモカ)「うざっ!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「キモッ!」
明ノ園桃華(アケノソノ モモカ)「これって そういう話でしたの?」
明ノ園桃華(アケノソノ モモカ)「てっきり もっと 哲学的な問いなのかと思ってましたわ」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「てゆっか ここで そういう方向に 持ってっちゃう辺りが」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「人間らしくないというか なんというか・・・」
〇サイバー空間
倉西橘枝(クラニシ キッシ)(人間らしさ・・・ いや・・・)
倉西橘枝(クラニシ キッシ)(鍵はむしろ 「人間らしくなさ」だ!)
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「ごめん、橘枝クン! ほったらかしちゃって!」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「うん。 ちょっと寂しかった」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「でも おかげで何となく掴めたよ」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「人間って何なのかを バンブーベイにどう言えばいいか」
ここまで読了しました。
自作立ち絵のロボ達が良いですね。
大会に隠された恐ろしい真実。AIの暴走。
橘枝君が導き出した「人間らしくなさ」とは?
続きを待ってます!
AIの反乱で物語も盛り上がりますね!!
クライマックスに向けて怒涛の流れが楽しみです!!