事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

3月19日 壁紙(脚本)

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〇中規模マンション

〇女性の部屋
  壁紙の端が剥がれているのを見つけました
  ここに来た時から壁紙はやけに真新しいと感じてましたが、入居前に張り替えていたみたいです
  その糊付けが甘かったのでしょう。天井近くの壁紙の端が少しだけ捲れています
妹(つまりこの部屋でも何かあって、その修繕で壁紙を張り替えた・・・)
妹(いやいや、さすがにそんな部屋を可愛い妹に──)
( ´∀`)「これ修繕費とられないよな?」
妹(するね、この兄なら)
妹「これ以上、壁紙が捲れないようになんとかしてよ」
( ´∀`)「面倒だな。明日で良いだろ」
妹「良くない。朝起きたら、壁に人型の黒いシミが! なんて嫌だもの」
( ´∀`)「バンクシーが描いたと思えば気にならないだろ」
妹「万苦死とかいうパチモンにしか思えないよ」
( ´∀`)「仕方ねえなぁ」
  兄は渋々と壁の前に椅子を運ぶと、椅子を踏み台にして捲れた壁紙に手を伸ばします。そうして具合を確かめていると
( ´∀`)「なんだ? 壁と壁紙の間に、何かあるぞ」
  そう言って壁紙と壁の間に指を滑り込ませした。すると──
  壁紙はぺりぺりと力なく剥がれ、否応なく壁紙の下が露になりました
妹「御札・・・」
  中には御札がはってありました。それもびっしりと、無造作に、何枚も何枚も重ねて・・・
  それらは焦げたような黒ずみと、長く放置された古い本の毒々しい黄ばみ、あれに似た生理的な嫌悪を醸す黄色に変色してました
( ´∀`)「これが壁との間にあったから、剥がれたのか」
( ´∀`)「よし、御札を全部剥がすか」
妹「違うでしょ! ここはそういう反応するところじゃないでしょ」
( ´∀`)「いやでも、御札を剥がさないと壁紙がちゃんとつかないし」
( ´∀`)「まさか、壁と壁紙の間に何か貼るのが普通なのか? 湿気予防とかの理由で」
妹「う~ん、湿気じゃなくて、幽霊予防的な?」
( ´∀`)「でも御札もボロボロだし、まとめて取り除いたほうが」
妹「やーめーてー。中から万苦死がでてくるー。むしろ私達が作品にされるー」
( ´∀`)「じゃあ、今日は接着剤だけつけておくぞ」
妹「おねがい」

〇中規模マンション
  こうして万苦死との邂逅は延期となりました

〇中規模マンション

〇女性の部屋
妹「壁紙一枚だから怖いんだよね」
( ´∀`)「機嫌良いな、どうした」
妹「御札が何枚も貼ってあるの見て思ったの。自分でもポスターとか貼れば、中の万苦死が気にならなくなるなって」
妹「だから、色々と壁に貼ってみた」
  このとき私は、自分がどれだけ恐ろしいことをしたのか気付いてませんでした
( ´∀`)「・・・全部、画鋲が刺さってますが?」
妹「画鋲で壁紙が剥がれるのも予防できて一石二鳥。どや」
  壁紙と御札と石膏の、僅かな抵抗を貫いて、画鋲を壁に刺します
( ´∀`)「あ・・・ああ・・・!」
妹「な、なに?」

〇中規模マンション
「壁に画鋲を刺すなー!」
  壁に画鋲を刺したら、修繕費を払わないとならないことを、私は知らなかったのです

次のエピソード:3月20日 排水口

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