3月20日 排水口(脚本)
〇中規模マンション
〇おしゃれなキッチン
夜、喉が渇いたので水を飲みに来た時のことです
ズゥ、ズズゥ・・・ ズゴゴォォ!
シンクに水を流すと、流れは悪く、ボコボコ音がしていました
妹「詰まってるのかな?」
私は排水管の蓋を外し、網かごを見ましたが問題なし。網かごも、防臭器も外し、排水管を覗きこみます
妹「んー?」
ズゥ、ズズゥ・・・ ズゴゴォォ!
暗い排水管の奥に、水の流れに揺られるなにかが見えました
妹(なんだろう? 何か藻みたいなのに絡まれた白い丸いのがいる。虫かな?)
観察を続けていると、それと目が合いました
妹「え?」
白くむき出しになった眼球の、黒目がこちらを見ていました
それは人の目でした
妹「おおお兄ちゃーん!」
〇高層マンションの一室
( ´∀`)「排水溝の中に目?」
妹「うんうんうん!」
( ´∀`)「あー、そういう時は。洗剤を流し込むんだ。ちゃんと蓋をしないと、中からワラワラ湧いて出てくるから注意な」
妹「それ下水管の虫退治するやつ!」
( ´∀`)「なーに、俺に任せとけ。一度、やってみたかったんだよな、あれ」
妹「だから虫じゃなくて・・・って、待ってよー!」
〇おしゃれなキッチン
兄はキッチンにつくと、手近にあった洗剤を排水溝に流し込み、すぐさまフライパンの底で蓋をします
すると──
くぐもった歪な絶叫がキッチンに響き渡りました
妹「な、何、今の?」
( ´∀`)「おっと!」
ドン、ドン! ドン!!
兄の抑えるフライパンを、何かが下から激しく叩きます。その度に兄の体が大きく揺れました
妹「お兄ちゃん」
( ´∀`)「おいおい、こいつは大物だぞ。ちょっと覗いてもいい?」
妹「絶対、虫じゃないから!」
私はすぐさまフライパンを抑える兄の手の上に、自分の手を乗せました
( ´∀`)「痛てててて! おい、俺の手に全体重を乗せるな」
ドン、ドン! ドン!!
下から打ち上げる力は、どんどん強く激しくなります。まさに死に物狂いの抵抗を、こちらも必死に抑え込みます
ドン!! ドン! ドッ・・・
叩く力は次第に勢いを失い──
ズゴゴォォ・・・
詰まっていたものが、排水管を流れてゆく音がしました
妹「助かったー」
私はフライパンから手を放し、へなへなとその場に座り込むのでした
〇中規模マンション
数日後──
〇おしゃれなキッチン
( ´∀`)「排水管に、腐った皮膚と毛がこびりついてたそうだ」
先日の一件の後、念のため業者に排水管を見て貰ったところ、また知りたくない情報が明らかになりました
妹「ナニソレ? 何も知らず、ずっと使ってたんだけど・・・」
( ´∀`)「いや、ついたのは最近みたいだ」
妹「え?」
( ´∀`)「なんか疑いの目で見られたぞ。うちはちゃんと生ごみ処理してるつーの」
妹「そういう意味じゃないと思うよ?」
あれは確かに排水管を流れてゆきました。でも、そもそもどこから来たのでしょう?
もしかしたら、あれは流れたのではなく、逃げただけなのでは。嫌な想像がよぎります。だから、私は──
妹(定期的に排水溝に洗剤を流そっと)
そう誓うのでした
恐ろしい‼ 排水管と目が合うなんて凄い発想ですね💦
妹ちゃんが、お風呂に入ってる時に風呂の排水管と目が合ったら、もっとワクワク💛…いやゾクゾク…いやガクガクと震えますけども💦 次々とよくアイデアが浮かびますね、感心致します。
一つ一つのアイデアでもじっくりと話が作れるクオリティですね😃