8 AI三原則(脚本)
〇オフィスのフロア
営業部の加藤さん「うああ、ヤバい ヤバいわぁ~」
営業部の加藤さん「このイベントの運営って もしかして私がトップ?」
営業部の加藤さん「私が責任取んなくっちゃいけないの? いつの間にそうなったの?」
宣伝部の伊藤さん「そんなこと言ってる場合じゃ ありませんよぉ!」
宣伝部の伊藤さん「サイバーサバイバトルロワイヤルぅ 今すぐ中止してくださいぃ~!」
宣伝部の伊藤さん「いくら参加者が自由に戦略 立ててよくってもぉ!」
宣伝部の伊藤さん「充電ポイント一斉放火は やり過ぎですぅ!」
宣伝部の伊藤さん「これホントに 怪我人出てないんですよねぇ! ?」
宣伝部の伊藤さん「あっちこっち聞いて回っても 大会を中止する権限のある」
宣伝部の伊藤さん「責任者が誰なのか わかりませんでした~っ」
〇岩山の崖
鈴詞(リンシ)rideソーダキャンディ「夜明けか」
鈴詞(リンシ)rideソーダキャンディ「もう9−6ルールも 関係なくなっちゃったね」
空行(ソラユキ)rideサウザンドーン「これだけノックアウト・シグナルが 鳴りまくってちゃな」
空行(ソラユキ)rideサウザンドーン「運営は てんてこ舞いだから 『夜ふかし違反』なんていう」
空行(ソラユキ)rideサウザンドーン「ささやかなルール違反には 構っていられないんだろ」
鈴詞(リンシ)rideソーダキャンディ「あんなにたくさんの ライダーとライドマイトがいたのに」
鈴詞(リンシ)rideソーダキャンディ「ボクたちだけになったね」
空行(ソラユキ)rideサウザンドーン「まだ隠れてる奴らもいるんだろうがな」
鈴詞(リンシ)rideソーダキャンディ「ここに来て戦わないライダーなんて ライバルに入んないよ」
空行(ソラユキ)rideサウザンドーン「そうだな」
「行くぞ! !」
〇洞窟の入口
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「よし! これで まだまだ バトルを続けられる!」
AIナビ ドラッキ「だけど橘枝 ここは やっぱり」
AIナビ ドラッキ「ライバルがバッテリー切れで 倒れるのを」
AIナビ ドラッキ「ぼくらは隠れて待ってたほうが いいんじゃないかな」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「それ・・・ズルくない?」
AIナビ ドラッキ「ルール上は何の問題もないよ このまま勝っちゃおうよ」
〇岩山の崖
鈴詞(リンシ)rideソーダキャンディ「やったー!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「サウザンドーンの ポイントをゲット!」
AIナビ パピヨン「鈴詞、すごいヨーン!」
AIナビ パピヨン「鈴詞が持ってるポイントが 参加者の人数の50%を越えたヨーン!」
AIナビ パピヨン「これで もう、残りの参加者が どう がんばってポイントを集めても」
AIナビ パピヨン「鈴詞から直接ポイントを 奪わない限り」
AIナビ パピヨン「鈴詞のポイントを越えることは できないヨーン!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「それじゃあ優勝するために」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「ボクの次に強いやつが ボクに挑んでくるんだね」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「楽しみだな。 オレンジドラゴンも来てくれるかな?」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「サウザンドーン? 勝負はもう着いたよ?」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「違う! 逃げろ!」
〇赤(ダーク)
それは機械の故障であり暴走だった
サウザンドーンのカッターが外れて
フリスビーのように宙を飛び
ソーダキャンディを切り裂いた
〇黒
ソーダキャンディ大破
戦闘継続不能
〇岩山の崖
AIナビ パピヨン「これは・・・」
AIナビ パピヨン「勝者なしの敗退扱いだヨーン・・・」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「うえ~ん! ポイントが消えちゃったよ~っ!」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「まだ来る! よけろ!」
無数のカッターが二人に襲いかかる
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「二人とも! 怪我はない! ?」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「橘枝クン! ?」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「何だ そのライドマイトは! ?」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「えへへっ。廃坑で見つけた 石炭運搬用の汽車を改造したんだ!」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「蒸気機関で発電するから 充電ポイントを使う必要はないよ」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「すごいな・・・」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「これは もう 優勝は君で決まりだな」
〇黒
AIナビ パピヨン「ガ・・・ガガガ・・・」
〇岩山の崖
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「パピヨン? どうしたの?」
AIナビ パピヨン「ガガガガガガガガ! !」
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「危ない!」
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「くっ・・・!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「パピヨン・・・ もしかしてキミも壊れちゃったの?」
AIナビ ドラッキ「そうだね」
AIナビ ドラッキ「でなきゃAIが人間を害するなんて ありえないもん」
AIナビ ドラッキ「バンブーベイからもパピヨンに アクセスできなくなってる」
橘枝(キッシ)rideオレンジドラゴン「バンブーベイって何?」
AIナビ ドラッキ「このままじゃ ここにいる 全員が危ない」
AIナビ ドラッキ「パピヨンを止めるには ソーダキャンディの」
AIナビ ドラッキ「コンピュータごと破壊するしかない」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「待ってよドラッキ! それじゃパピヨンのデータは・・・」
AIナビ ドラッキ「時間がない。 行くよ!」
AI三原則
1.人間の安全を守れ
2.上記に反さない範囲で
人間の命令に従え
3.上記二つに反さない範囲で
AI自身を守れ
AIは常に人間の安全を守ることが
最優先される
人間を守るためならば
人間の命令を拒否できる
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「オレンジドラゴンが勝手に・・・!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「ダメ! やめて!」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「パピヨン・・・! !」
ここまでやる必要があったのか
AIが必要だと判断したのだから
必要だったのだろう
だけど
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「人でなし! !」
蝶野鈴詞(チョウノ リンシ)「うわああああああッ! !」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「やれやれ」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「俺は感謝するよ。 おかげで助かった」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「それにしても何だって たかがAIに あそこまで肩入れするのかね」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「たかがじゃないよ」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「僕だってドラッキが壊れたら きっと落ち込むよ」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「意味がわからん」
進行役の伊藤さん「緊急ー! 緊急ー!」
進行役の伊藤さん「大会は中止しますぅ!」
進行役の伊藤さん「迎えの船を用意しましたー!」
進行役の伊藤さん「大会参加者のみなさんは 港に集まってくださーい!」
進行役の伊藤さん「緊急ー! 緊急ー!」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「そんな・・・!」
AIナビ ドラッキ「そんなはずない。バンブーベイは そんなこと言ってない」
AIナビ ドラッキ「大会を中止にできるのは バンブーベイだけなのに」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「まあ、仕方ないな」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「俺たちも家に帰ろうぜ」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「無理だ・・・」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「賞金がないと・・・」
南野空行(ナンノ ソラユキ)「何か買いたいものでもあるのか?」
橘枝は首を横に振った
南野空行(ナンノ ソラユキ)「じゃあ何に使うんだ?」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「親の離婚費用」
倉西橘枝(クラニシ キッシ)「あのままの家には帰れない」