イケメン文化0世界でプロデューサー令嬢、推し参る!

咲良綾

第05話 キャラが具現化している!(脚本)

イケメン文化0世界でプロデューサー令嬢、推し参る!

咲良綾

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〇華やかな裏庭
レノフォード「ふー、結構きついね」
シェリアータ「トレーニングメニュー、 もう少し軽くしましょうか?」
レノフォード「大丈夫」
レノフォード「こうして自分で決めた目標に向かって頑張るのって初めてで、楽しいよ」
フランロゼ伯爵「・・・」
シェリアータ「どうなさったんですか、お父様」
フランロゼ伯爵「・・・シェリアータ、お前は可愛いな」
シェリアータ「は??」
シェリアータ「あ、ありがとうございます」
フランロゼ伯爵「ふぅ・・・」
フランロゼ伯爵「我が娘をもってしても、傷は癒えぬか」
シェリアータ「??? 何かあったのですか?」
レノフォード「もしや、リュシー姫のことですか」
フランロゼ伯爵「!」
シェリアータ「リュシー姫? 王室にそんな方、いらしたかしら」
レノフォード「庶民オペラの歌姫だよ」
シェリアータ「その歌姫が、どうかしたんですか」
レノフォード「喉を痛めたまま引退して、行方知れずだとか」
レノフォード「お父様はリュシー姫をお好みのようだったから」
フランロゼ伯爵「レノフォード、それ以上は」
シェリアータ「お父様にも推しがいたのですね!」
フランロゼ伯爵「推し?」
シェリアータ「感銘を受け応援する対象のことです」
シェリアータ「推しの引退の辛さ、わかります・・・!」
フランロゼ伯爵「若い娘にうつつをぬかしてとか、 つまらぬ感傷を、などと軽蔑しないのか」
シェリアータ「まさか!」
シェリアータ「彼女の芸術性に 感銘を受けてらしたのでしょう?」
シェリアータ「芸術を惜しむのは高尚な感情ですよ」
フランロゼ伯爵「そ、そうなのだ」
フランロゼ伯爵「わしは彼女の崇高な音楽を惜しんでいるのであって、見目にデレデレしていたわけでは」
シェリアータ「デレデレしてたんですか」
フランロゼ伯爵「いや、だから」
シェリアータ「良いと思います! ときめく心は自由であり、人生の栄養です!」
シェリアータ「ただ、手を出せば低俗に落ちますので お間違いなきよう」
フランロゼ伯爵「わかっている。そんな感情ではない」
シェリアータ「嬉しいです。お父様はもっと堅物で情緒を解さない方だと思っておりました」
フランロゼ伯爵「シェリアータ・・・」
エレナ「シェリアータ様、ロシュオル様がお越しです」
シェリアータ「ありがとう、お通しして」
エレナ「それが、『例の準備ができた』とか・・・」
シェリアータ「キターーー!!!!」
シェリアータ「お兄様、すぐに参りましょう!」
レノフォード「え? う、うん」
シェリアータ「お父様、失礼します!」
フランロゼ伯爵「可愛いのだが・・・ やはり、我が娘は変わっているな」

〇西洋風の部屋
ミレーヌ「そ、そろそろかね、シェリ様」
シェリアータ「そろそろ、だと思うのですけれど」
ミレーヌ「緊張で、手汗が」
シェリアータ「わかります。 喉もカラカラです」
イルエラ「お待たせしました」
シェリアータ「き、きた・・・」
ミレーヌ「来ましたね・・・」
  ごくり
シュクレ(レノフォード)「あ、あの・・・ 変じゃない?」
「ファーーーー!!!」

〇カラフル

〇西洋風の部屋
シュクレ(レノフォード)「!?!?」
シェリアータ「何これ・・・夢?」
ミレーヌ「うっかり昇天しかけました」
シェリアータ「なんですか!? このびっくりクオリティ!」
シェリアータ「お母様、コスプレイヤーの記憶でも??」
イルエラ「コス・・・記憶?」
ミレーヌ「イルエラは昔から裁縫が上手くてね。 やってくれると思ってたよ!」
ミレーヌ「しかしなんといっても・・・ 素体が素晴らしい!」
ミレーヌ「思い描いたシュクレが、極色彩の立体に」
シェリアータ「お兄様の美しさを表現しきっている!」
シェリアータ「お兄様、シェリアータは幸せです」
シュクレ(レノフォード)「シェリが喜んでくれるなら良かったよ」
シェリアータ「で?」
ミレーヌ「もう一人は?」
イルエラ「ちょっと手間がかかっているので、 もう少しだけ待ってくださいね」
シェリアータ「ミレーヌ様にデザインを描き下ろしていただけるなんて」
ミレーヌ「いや、私が孫の晴れ姿を見たかったんだよ!」
シェリアータ「本当に素敵です、穀物の妖精ファリヌ」
シェリアータ「これ・・・どうなるんでしょうね?」
ミレーヌ「当て描きだからね。 外すはずが・・・」
ファリヌ(ロシュオル)「着替えたぞ」
「ファーーーー!!!」

〇カラフル

〇西洋風の部屋
ミレーヌ「もうちょっと勿体ぶって出てきておくれ! 心臓が止まる!!」
ファリヌ(ロシュオル)「ご、ごめん」
シェリアータ「褐色肌ってちょっと、 何ですかどうしたんですか天才ですか!!」
シェリアータ「お兄様と引き立たせあって・・・」
シェリアータ「あ」
ミレーヌ「シェリ様! しっかり!!」
シェリアータ「大丈夫です」
シェリアータ「墓に入ってる場合じゃありません! 推しの供給はまだこれからです!」

〇西洋風の部屋
ファリヌ(ロシュオル)「それで」
ファリヌ(ロシュオル)「これで何をすればいいんだ? ダンスをすればいいのか」
シェリアータ「そうね。でもダンスだけで人の心を掴むのは、短期間の訓練では難しい」
シェリアータ「そこで妖精伝説よ」
シェリアータ「隣国で長年人の心を掴んできた伝説は文献も豊富で、心を掴んだときの沼が深い」
シェリアータ「私がやりたいのは、歌って踊って物語を表現するミュージカル!」
ファリヌ(ロシュオル)「ミュージカル・・・」
シェリアータ「オペラをもっと演劇寄りにしたものよ」
シェリアータ「心を掴む上で、歌の力は絶大よ。 そこに物語を乗せて・・・」
ファリヌ(ロシュオル)「歌うのか?俺たちが」
シェリアータ「・・・・・・」
シェリアータ「あの、そういえば」
シェリアータ「二人とも、歌の経験は?」
ファリヌ(ロシュオル)「ない」
シュクレ(レノフォード)「シェリに子守唄を歌ったことなら」
シェリアータ「・・・・・・」
シェリアータ「試しに、歌ってみてくれる?」

〇西洋風の部屋
シェリアータ「下手じゃないけど、普通・・・」
ミレーヌ「普通だね・・・」
シェリアータ「あー、なんで気づかなかったんだろう。 楽曲は準備してたのに!」
シェリアータ「声楽家の知り合いはいませんか?」
イルエラ「いえ、特には・・・」
シェリアータ「そんなに都合良くはいかないか・・・」

〇ヨーロッパの街並み
シェリアータ「歌に明るい人材を探してみるわ。 訓練できる人か、歌えるメンバーか」
ロシュオル「ああ。何もできなくてすまない」
シェリアータ「いえ、これはパトロンである私の役目よ」
イルエラ「そういえば、最近庶民オペラで人気だった歌姫が引退したのですが」
シェリアータ「ああ、知っているわ。 リュシー姫でしょう?」
イルエラ「それが実は男だった、という噂が・・・」
シェリアータ「えっ?」
イルエラ「最近町で見かけるハニーブロンドの少年が、歌姫に似ているというのです」
シェリアータ「えええ?」
シェリアータ「それが本当なら、 相当美少年なのでは・・・?」
  キンニク!フッフー!
  ムキムキ!フッフー!
フッキン・シックスパック「キンニク!フッフー!」
ケブカイ・オナカポヨン「ムキムキ!フッフー!」
シェリアータ「うわっ、マソパリスター!」
シェリアータ「今日も圧が強い! しかもなんか人数が多い!」
イルエラ「ああ、マソパジムの皆さんですね」
シェリアータ「マソパジム・・・」
シェリアータ「あれか・・・!」
「キンニク!フッフー!」
「ムキムキ!フッフー!」
シェリアータ「・・・」
シェリアータ「待って!? 今ハニーブロンドの美少年いなかった?」
レノフォード「そういえば・・・」
シェリアータ「ロシュ! あの子を追いかけて!!」
ロシュオル「わかった」
シェリアータ「速っ!」

〇西洋の街並み
フッキン・シックスパック「うちの生徒が何か?」
ロシュオル「追いかけろと言われたので」
リュカリオ「オレはなんもしてねーよ!」
シェリアータ「す、すみません、あの・・・」
ロシュオル「説明できる人が来ました」
シェリアータ「あなた、美少年ですね!!」
リュカリオ「!?!?!?」
フッキン・シックスパック「これが説明か?」
シェリアータ「あ、それでちょっと、ぜひお話を」
リュカリオ「オレ、口説かれてる!?」
フッキン・シックスパック「トレーニングを中断されると 皆の筋肉が困るのだが・・・」
シェリアータ「すみません」
フッキン・シックスパック「話があるなら、後でリチェラー公爵家併設のマソパジムまで来てください」
シェリアータ「わかりました」
リュカリオ「オレにもモテ期が・・・モテ期が来たんか!?」
フッキン・シックスパック「話は後です」
「マッスル~ファイト!!」
「キンニク!フッフー!」
「ムキムキ!フッフー!」
シェリアータ「相変わらず圧がすごかった・・・」
レノフォード「ハァハァ、2人とも速いね」
シェリアータ「お兄様はもうちょっと、鍛えましょうね」

〇トレーニングルーム
シェリアータ「ここがマソパジム・・・」
シェリアータ「すごい設備ね。世界観がバグりそう」
フッキン・シックスパック「お待たせしました。 トレーニングが終わりました」
シェリアータ「先ほどはご迷惑をおかけしました」
リュカリオ「お姉さん、オレを口説きに来たんですか?」
シェリアータ「ええ、まあ・・・」
リュカリオ「参ったなあ、やっぱり男は筋肉なんだな!」
シェリアータ「単刀直入にお聞きします。 あなたはリュシー姫ですか?」
リュカリオ「・・・えっ」
リュカリオ「・・・・・・」
リュカリオ「・・・・・・」
リュカリオ「・・・・・・・・・・・・ちがい、ます」
シェリアータ「すごい間が空きましたね」
リュカリオ「オレはリュカリオ・ミエルミュゲです。 リュシー姫など知りません」
レノフォード「そうなんですか!」
レノフォード「僕はリュシー姫を見たことがあるんですが、本当にそっくりなんですよ!」
リュカリオ「リュシー姫はオペラ特有のケバい化粧をしていたはずです。似ているはずが」
シェリアータ「あの」
シェリアータ「私たちはリュシー姫がオペラの歌姫だとは一言も言っていないのですが」
リュカリオ「!」
シェリアータ「少なくとも、ご存知ですよね?」
リュカリオ「知らないって言ってるだろ!」
リュカリオ「大体、女装に何のメリットがあるんだよ」
リュカリオ「うまく化ければちやほやされるし、 女子更衣室にも入り放題見放題だけど、」
リュカリオ「女にモテないじゃないか!」
シェリアータ「女装以前にそういう考え方が女にモテませんよ」
リュカリオ「うるさい! フトメンになればモテる!」
リュカリオ「よく見たらナヨナヨしたのばかり連れて、何?ナヨ枠のお求めなら願い下げだよ」
リュカリオ「オレは鍛えて筋肉つけて、 ゴツゴツのムキムキになるんだ!」
シェリアータ「・・・」
シェリアータ「そうですか。頑張ってください」
リュカリオ「これ以上用がないなら、オレはこれで」
シェリアータ「はい、さようなら」
レノフォード「シェリ・・・」
シェリアータ「残念だけど、他を当たるわ」
シェリアータ「あっ」
ルディア「どうして貴女がここにいるの?」
シェリアータ「ルディア様~!!」
レノフォード「!」

次のエピソード:第06話 美少年が歌っている!

コメント

  • インナーエンジェルっ!🤣🤣🤣突然作画がガラリと変わって驚きましたが、大正解な感情表現だと思います!妖精衣装のお兄様たちも、美しくて素敵です✨自分で立ち絵を描けるライターの方々は、表現のバリエージョンが豊富で凄く読んでいて楽しいです😆
    個人的に今回、冒頭のシェリアータとお父様のシーンがかなり好きです。この作品を読んでいると、自分の『好き』を大事にしていいんだと、勇気づけられます

  • テンション爆上がりの2人に笑いました😀
    また癖のある微妙にゲスな美少年…。
    筋肉つけた姿も見たい気がする笑

  • こんにちは!
    インナーエンジェルの立ち絵が可愛くて、年齢とか世界とかそんなものはとっぱらって、推しへの喜びは共通というのはとても素敵だと思いました!おばあちゃんが喜び過ぎて怒ってるの好きでした!あと世界観狂いそうになるに笑いました!

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