踏み出す一歩

夏目心 KOKORONATSUME

10 気付いた感情(脚本)

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〇田舎の学校
鳥海宏斗「有難う義父さん。此処からは自力で行けるから」
鳥海父「言いたい事は分かるが、本当に一人で大丈夫か?」
鳥海宏斗「大丈夫だよ。この状況にも早く慣れたいし」
鳥海父「そうか・・・くれぐれも、無理な事はしないでくれよ!」
鳥海宏斗「分かってる。もし困ったら言うよ」
鳥海父「あぁ、私はそろそろ行くよ。本当に無理はするな・・・」
鳥海宏斗「とは言った物の、右利きだから色々と苦戦しそうだな。教室には早めに辿り着きたい」
  右手足の怪我を抱えながらも、俺は一人で教室に向かうのだった。

〇教室
鳥海宏斗「や・・・やっと着いた・・・まさか教室に行くだけで此処までしんどいとは・・・」
前川敦子「鳥海!あんた大丈夫だった!?」
黒部真由「聞いたよ!車に轢かれたって!!」
鳥海宏斗「あ、あぁ・・・幸い五体満足だけど・・・」
大島武「いやはや・・・昨日そんな話聞かされた時は流石に焦ったわ・・・その後どうしてたんだよ?」
鳥海宏斗「取り合えず、この怪我じゃ一人暮らし出来ないから実家に戻る事にしたよ。暫くの間バイトも出来ないし、当分親に」
鳥海宏斗「送り迎えして貰う感じだよ」
大島武「マジか・・・色々不便そうだな」
黒部真由「宏斗、本当無理な事しないでよね!本当に困ったら、私達に頼ってよ!」
鳥海宏斗「あぁ、そのつもり」
星宮まどか「鳥海君!居る!?」
鳥海宏斗「あ、星宮さんお早う」
星宮まどか「そんな呑気な挨拶は良いよ!大怪我したんだって!?」
鳥海宏斗「あぁ、した。死ななかっただけでもラッキーだったよ」
星宮まどか「ほ、本当だよ・・・これで死んじゃったらどうしようかと・・・」
鳥海宏斗「ま、まぁ、現に俺はこうして此処に居る訳だから、やれる事はやってくよ」
前川敦子「でも余り無理しない様にね。鳥海、昨日あんたがやれなかった課題、ノートに書いといたから、後で目を通して置いて」
鳥海宏斗「あぁ、有難う」
  仲間から心配されながらも、俺はこれからの授業に打ち込むのだった。

〇教室
  昼休み。
鳥海宏斗「あぁ、やっと終わった・・・まさか左手でやるのが此処までやり辛いとは・・・もうしんどい尽くしだ・・・」
星宮まどか「鳥海君、大丈夫だった?」
鳥海宏斗「あ、あぁ、何とか・・・普段出来てた事が出来なく成ると此処まで不便に成るとは思わなかった」
星宮まどか「そっか・・・これから皆でお昼でしょ?どうするつもり?」
鳥海宏斗「一応、義母さんにサンドイッチ作って貰ったから、そこまで考えなくても大丈夫だよ」
星宮まどか「そ、そうなんだ・・・ちょっと残念・・・」
鳥海宏斗「え?何だって?」
星宮まどか「あ!ううん!何でも無いよ!そう言うの不謹慎だよね!」
鳥海宏斗「何か良く分からないけど、取り合えず皆の所行こうか」
星宮まどか「あ、ならあたしが呼んで来るから」
鳥海宏斗「あぁ、有難う」
  星宮さんが皆を呼び集めてくれて、俺達は何時もの様に昼食タイムと成った。
大島武「あ〜、近々期末テストか。今から憂鬱だぜ・・・」
前川敦子「何言ってるのさ。乗り越えたら強く成れるじゃん」
大島武「うん。言いたい事は分かる・・・最初から強かったら苦労しないわな・・・」
鳥海宏斗「大島、お前は怪我とかしてないから今の俺には羨ましいよ。今日左手使ったからやり辛かったし」
大島武「いやいや!怪我してまでテスト避けたいとは思わないから!てか、テストまでに怪我治りそうか!?」
鳥海宏斗「残念だけど間に合わないな」
前川敦子「あちゃ〜・・・それは確かにキツいね・・・」
鳥海宏斗「まぁ、仕方無いよ。俺も出来る限りの事はやるからさ」
黒部真由「そっか・・・本当無理しない方が良いよ・・・」
鳥海宏斗「まぁ、塵も積もればって言うだろ?左手もずっと使ってれば慣れるかもだし、テスト先送りにしたく無いから」
大島武「・・・たく、そんな事言われちゃ負けられないじゃ無ぇか」
黒部真由「本当だよ。辛いのは宏斗の方なのに、何で私達が励まされてるの?」
鳥海宏斗「どうだろう。たまたまだと思うけど」
星宮まどか「・・・・・・」
黒部真由「あれ?どうしたのまどかちゃん・・・」
星宮まどか「え!あ・・・何でも無いです・・・早く食べなきゃ、お昼終わっちゃう!」
黒部真由「・・・・・・?」
  星宮さんが何か言いたげだったが、俺達は気にせずに昼食を続けるのだった。

〇教室
  放課後。
鳥海宏斗「さてと、義父さんが来たから俺もそろそろ行くよ」
大島武「鳥海、念の為だから俺も一緒するよ。途中で転んだりしたら溜まんないだろ?」
鳥海宏斗「一応一人でも大丈夫だけど、お願いしようかな」
大島武「そうで無くちゃ!階段とか気を付けろよ!」
星宮まどか「・・・・・・」
黒部真由「まどかちゃん、今日もお疲れ様!」
星宮まどか「あ、黒部さん、前川さん・・・」
前川敦子「星宮、ちょっと聞きたい事が有るんだけどさ」
星宮まどか「え?何です?」
前川敦子「あんた、鳥海に気が有るの?」
星宮まどか「え!?な、何言ってるんですか!?あたしは、その・・・!!」
黒部真由「あぁ、やっぱり?」
星宮まどか「え?」
前川敦子「いやいや、その事であんたを弄るつもり無いから!あたし等薄々あんたの事気付いてたから」
星宮まどか「そ、そうだったんですか?」
黒部真由「ねぇ、実際の所どうなの?」
星宮まどか「え、えっと・・・この際だからありのまま話します。実はですね」
  星宮さんはこれまでの事を全て話した。ストーカーに追われてる時に助けて貰った事。俺には実の親が居ない事等を、
  黒部と前川に打ち明けた。
前川敦子「その話本当!?てかあいつ、ストーカー見つけたって初耳よ!!」
黒部真由「え?何でずっと言わなかったの!?てっきり私ずっとあの家族が宏斗の家族だと思ってたんだけど!!」
星宮まどか「多分彼、大騒ぎに成るのが嫌だったと思います。ストーカーから助けてくれた時も、見返りに興味無いって言ってましたから」
前川敦子「そうだったんだね・・・それで鳥海の事が気に成って?」
星宮まどか「最初はそこまででは無かったと思ってたんですが、今日鳥海君の話聞いたら、何かこの気持ちが好きだって気付いたら、」
星宮まどか「何かどうして良いか分からなくて・・・あの、この話は誰にも言わないでくれませんか?鳥海君もその事は望んで無いと」
星宮まどか「思いますから」
前川敦子「まぁ、そう言う事なら、無闇に話す事でも無いね」
黒部真由「大丈夫だよまどかちゃん。今の話は忘れるから」
星宮まどか「あ、有難う御座います!」
前川敦子「それで、星宮としてはどうしたい感じ?」
星宮まどか「何て言うか、あたしも良く分からなくて・・・」
黒部真由「でも行き成り宏斗に告白したら宏斗の事困らせちゃうよね」
星宮まどか「そうですよね・・・」
前川敦子「何より、期末がもう直ぐだから告白はしない方が良いよ。それまで出来る事からやったらどうかな?」
星宮まどか「え?何したら良いです?」
前川敦子「そうね・・・例えば・・・」
  星宮さんが俺を好きだと言う話をしていた事等俺は知らずに、星宮さん達は引き続き話し合いをするのだった。

次のエピソード:11 警告

コメント

  • ツンデレっぽかった子の初心な恋心みたいですね!
    しかし、聞き手が使えないのはきついですね・・・
    自分は剣道を始めたばかりは左手を使えるようにするのに苦労しましたからね・・・
    しかもテストとか時間制限があるのに、聞き手が使えずですからね・・・
    答えが分かっていても書くのに苦労するのはかなり歯がゆいですね

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