10/王とユルシャ家(脚本)
〇黒
〇山並み
〇森の中
モブ君「ひぃいいいい!!!!!」
ギン「うぉおおおおぉぉおりゃぁああいっっ!!!!!」
〇森の中
ギン「大丈夫っすか!? そこの人!」
モブ君「あっ‥‥‥ありっ‥‥‥ ありぐぁ‥‥‥と、ござ‥‥(ゼェハァ)」
ギン「無理して喋らなくていいっすよ‥‥‥」
モブ君「すびばせっ‥‥‥助かりまし、た‥‥ (ゼェゼェ)」
ギン「‥‥‥‥」
モブ君「‥‥‥そうだ」
モブ君「お礼に、これをどうぞ‥‥‥!」
モブ君「うちの名産品の干物です!」
ギン「‥‥‥‥‥‥‥‥」
ギン「ありがとうございます!」
モブ君「では、私はこれにて‥‥‥」
ギン「‥‥‥‥」
ギン「金ほしかったなァ」
マモ「あ? 今、なんて?」
ギン「謝礼金」
マモ「‥‥‥‥金なら、俺が持ってるだろ」
ギン「“俺の”路銀が尽きたんだよ」
マモ「だから、俺が持ってるだろって」
ギン「お前に頼りすぎるのはイヤだ!!!!!!」
マモ「‥‥‥あっそ」
ギン「と、いうわけで仕方ないから‥‥‥」
ギン「然るべき所から、お金を いただきに行こうかと思っている」
マモ「‥‥‥‥‥‥‥」
マモ「は?」
ギン「多分、ツッコミどころありすぎて お前をすげぇ疲れさせると思うから これから先の事は気にしない方がいいぞ」
マモ「あ? 何?」
ギン「あ。干物ウメェ」
〇西洋の城
マモ「‥‥‥え」
ギン「すいまっせーん!」
門番くん(彼女募集中)「何用だ?」
ギン「キンの息子の、ギンという者です」
門番くん(彼女募集中)「えっ?!」
門番くん(彼女募集中)「ど、どうぞどうぞ! 王は奥の玉座に鎮座しております」
ギン「どうもどうも」
マモ「‥‥‥‥え?」
〇謁見の間
ギン「王様ぁー! お金下さーい!!!!!」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「いいともー!」
マモ「おい待て、コラァ!!!!!!」
オウシ・ヤマ王「ギン君、大きくなったのぉ〜」
ギン「王様は、ダンディに磨きがかかってません?」
マモ「えっ‥‥‥えぇ‥‥‥?」
オウシ・ヤマ王「キンから手紙で、大まかには知らされておるぞ」
オウシ・ヤマ王「ほれ」
ギン「‥‥‥頂いていいものなはずなんですけど、 やはり複雑な気分ですねぇ」
ギン「直接手渡しだと、特に‥‥‥」
マモ「頂いていいわけないだろう!」
マモ「城の金は、民の税金だろ! んな‥‥‥個人がホイッと受け取っていいものでは‥‥‥!」
ギン「やっぱり、そうなるよなぁ」
オウシ・ヤマ王「なんじゃ、この "至極まっとうな事を言う好青年"は」
オウシ・ヤマ王「好青年よ。気にするでない」
オウシ・ヤマ王「このお金は、民が善意で寄付して くれたお金だから大丈夫ぞ」
マモ「‥‥‥はいぃ?」
オウシ・ヤマ王「この『キン募金』でな!」
マモ「‥‥‥‥‥ん?」
マモ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥ん????????」
〇貴族の応接間
マモ「‥‥‥‥」
マモ「‥‥‥‥慰謝、料‥‥‥?」
ギン「そう」
ギン「10数年ほど前‥‥‥ ここら一帯の魔物殲滅の際に、この国で 親父をさんざんこき使ったそうなんだよ」
ギン「その"手酷く働かせてしまった事"を 王様らが、よほど後悔しているらしくて‥‥‥」
ギン「だから、その詫びとして定期的に『寄付金』 という名の慰謝料がいただけてるんだよ」
ギン「で、今回はそのぶんを俺が直接 いただきに来ただけ‥‥‥っていう」
マモ「えぇ‥‥‥?」
ギン「さすがに、寄付5年目には「もういいですよ」と親父も遠慮したんだけど‥‥‥」
ギン「「父子家庭だし」 「もう、コレは民のライフワークだから」 ってんで‥‥‥」
ギン「今に至るまで、ありがたく頂戴しております」
マモ「‥‥‥親父さんは昔、どれだけ “手酷く酷使された”んだ‥‥‥?」
ギン「“手酷く酷使”って‥‥‥ “頭痛で頭が痛い”みたいな重語だな」
マモ「うっさい、黙れ」
城のメイド(彼氏募集中)「お食事の用意が出来ました」
ギン「‥‥‥はぁい」
ギン「‥‥‥「結構です」って言ったのになぁ‥‥‥」
〇城の会議室
オウシ・ヤマ王「さぁ、若いんだからお食べお食べ!」
ギン「はぁい‥‥‥」
ギン「‥‥‥‥‥」
マモ「お前、まさか‥‥‥」
マモ「宮廷料理でもダメなのか‥‥‥?」
ギン「もう、地元近辺以外の味付けは 口に合わないっす‥‥‥」
ギン「親父の、薄く揚げたハムカツが恋しい‥‥‥」
マモ「あとで再現してやるから、 とにかくその顔やめろ」
オウシ・ヤマ王「ところで、ギン君はアググ賞に向けて 頑張っているんだって?」
ギン「あっ、ハイ」
オウシ・ヤマ王「北に向かって魔物討伐しながらじゃ、 執筆に集中出来なくないか?」
ギン「それでも、まぁ‥‥‥5分の3ほどまでは 出来てきているので‥‥‥」
ギン「大丈夫ですよ」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「北に向けての魔物調査は我々に任せて、 君は夢に向かって執筆作業を 優先したほうがいいのではないか?」
オウシ・ヤマ王「実は、既に軍を調査には向かわせている」
ギン「えっ‥‥‥」
ギン「ありがたいお申し出ですが‥‥‥」
ギン「遠路はるばる、ここまで来てしまったから には、最後まで自分の目で真相を確認したい所存です」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥ほぅ」
ギン「それに‥‥‥」
〇森の中
未だに顔をしかめ続けるギン「この国への道中、魔物に襲われている人を たくさん救助致しました」
未だに顔をしかめ続けるギン「今日は、たまたま森のウメェきのこを 探して変な道に入りましたところ」
涙目ギン「襲われている行商人に遭遇でき、 助ける事が出来ました」
〇城の会議室
ギン「おこがましい限りですが、私が 行動・移動する事によって救えた命が これまでにたくさんあります」
ギン「‥‥‥行き違いや、別のルートを通った事で 救えなかった者もたくさんいると思いますが」
ギン「少なくとも、家にこもって小説を 執筆しているだけだったら‥‥‥」
ギン「助けられるものも、 助けられなかったでしょう」
オウシ・ヤマ王「く、口調が他人行儀で寂しいから やめてくれんかのぉ‥‥‥?」
ギン「あ、はぁ」
ギン「あと、これは「何言ってんだお前」ってな もんすけど‥‥‥」
ギン「未来の『俺の小説の読者になるかも しれない人ら』が減るのは嫌っす」
ギン「未来の『スゴイ書き手になるかも しれない人』に何かあってもイヤっす」
ギン「今現在、何かを頑張っている人を 魔物どもが邪魔しているのを許せない」
ギン「ノココ先生の右手を折りやがった あのウサギ系列は、マジ滅ぼす‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥」
〇戦場
あの時はワシが
国が
嫌がるキンを強制的に魔物と
戦わせてしまったが‥‥‥
この子は、自主的に魔物と
交戦してくれているのか。
それならば‥‥‥‥
大丈夫、だろうか。
あんな事には、ならないだろうか。
〇城の会議室
オウシ・ヤマ王「そうか」
オウシ・ヤマ王「では、無理せず程々に頑張ってくれたまえ」
オウシ・ヤマ王「期待しているぞ」
顔が戻らないギン「うぃ」
オウシ・ヤマ王「好青年よ」
マモ「マモ・リュンファンと申します」
マモ「こやつのサポートをしております」
オウシ・ヤマ王「それならば‥‥‥あまりギンが無理を しないようよろしく頼む」
マモ「‥‥‥承知致しました」
マモ「‥‥‥‥」
ギン「ところで、王様ぁ」
オウシ・ヤマ王「なんじゃ?」
ギン「ミーナ派ですか? ノキース派ですか?」
マモ「おっ前、何を訊いてっ‥‥‥!」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥っ‥‥わしは‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「ミーナ派じゃ‥‥‥‥!」
顔の変わらないギン「ほれ見ろぉーー!!!!!! 聞いたかぁーー!!???」
顔の変わらないギン「一国の主がミーナ派だぞ、クソがーーー!!!!」
マモ「てめぇ! その話は終わったんじゃねぇのかよ!」
顔の変わらないギン「『どうでもいい事』とは言ったが、 『どっち派が多いか』は知っときたいだろ!」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥」
ギン「えっ、ちょ‥‥‥王様、何泣いてんの?」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥いや」
オウシ・ヤマ王「なんでもない」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥」
〇西洋の城
〇城の客室
ギン「‥‥‥‥‥」
ギン「てめぇ!」
ギン「王様相手にゃ、サラッと名前 言いやがったな!!!!」
マモ「だから何だよ、クソが。 王様相手に名乗らないのは失礼だろ」
マモ「とっとと寝ろよ&顔戻せよ」
ギン「‥‥‥‥」
ギン「にしても、王様は何をそんなに 申し訳なく思ってるんだろうな?」
ギン「俺、親父がこの国や王様の悪口 言ってるの聞いたことねぇぞ?」
おねむマモたん「お前と違って"人"が出来ているんだろ」
ギン「単に頭悪くて、恨みも何も忘れてるだけ なんじゃねぇかな」
強く否定できないマモ((‥‥‥‥‥ありえる‥‥‥))
〇山並み
〇山の中
???「‥‥‥」
???「ふふふ‥‥‥!」
???「アレさえ なくなってしまえば‥‥‥」
???「べんきょう なんて しなくて すむんだ‥‥‥!」
〇謁見の間
マモ「ところで、王よ」
オウシ・ヤマ王「ん? なんぞ」
オウシ・ヤマ王「ギンなら、もう城門に向かったぞ」
マモ「こちら、キン募金にお納めください」
オウシ・ヤマ王「えっ‥‥‥」
マモ「では、ごきげんよう」
オウシ・ヤマ王「昨晩、あんなに『ミナ・ノキ戦争』して おったような相手に募金‥‥‥?」
やだぁ……ギンくんカッコいい……(顔が戻らない可愛さもすげぇ😍)
高級料理が美味しくないのわかるぞ、同士よ……!
序盤のスピーディー討伐、漫画でぜひ見たいもんです……ふぁいと😊
募金生活してる家族、斬新すぎて!www
「覚悟しろ」ってそういうことかぁ😂😂引退した勇者って王様に嫌われがちだから、険悪なのかな?と思っていたので、良好な関係性にほっこりしました😊ギンを孫みたいに扱う王様もいいですね…面白かったです!
伏線がたっぷりそうな回ですね…!うーん気になる…🤔✨ギン氏の目パチ美しすぎて、おおっ!!✨と声出ました🥹しかし、当たり前のように自分の金でギン氏を食わせていくつもりなマモさんとか王様にはすぐ名乗ると喧嘩したりと盛りだくさんな夫婦っぷりでどうしましょう?🤤💕💕もう別でBLジャンルで書いてほしい笑💖なにげに吹き出しの名前欄がちょいちょい変わるのが細かくて好きです🥰