他担狩り〜タタンガリ

ゆきんこ

#8 ジレンマとパラドックス(脚本)

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〇黒
  君は信じる?
響スイ「俺が本当に『響スイ』だと」

〇黒

〇黒

〇イルミネーションのある通り
舘マモル「なるほどね」
  ならば──
舘マモル「答えは『イエス』よ」
響スイ「エッ・・・」
響スイ「マモちゃんは本当に面白い人だね」
響スイ「普通の人なら躊躇して言いよどむか」
響スイ「逆に質問を被せてくるハズだよ」
舘マモル「最初に、 『本当に響スイだと思うか』と聞いた後」
舘マモル「すぐに『信じるか』と聞いたわよね」
舘マモル「後者は『信じてほしい』という願望の表れ」
舘マモル「パラドックスな問題だからよ」
舘マモル「信じてほしいんでしょう?」
舘マモル「私はヒビキ、アナタがアナタであることを信じるわ」
響スイ「──」
響スイ「・・・時々、自分でも分からなくなるんだ」
響スイ「俺は、色々な役を演じなくてはならなくて」
響スイ「その役にハマると抜け出せなくて、」
響スイ「日常生活までオカシくなる時がある」
響スイ「台本に、『止まない雨はない』という台詞があるんだけど」
響スイ「俺はいつもいつも、止まないスコールの中に居る気分なんだよ」
響スイ「でも」
響スイ「マモちゃんが信じてくれるなら、自信を持てる気がする」
響スイ「ありがとう」
響スイ「ちょっとだけ気分が晴れたよ」
舘マモル「質問に答えただけだから・・・!」
響スイ「ねえ」
響スイ「寒いから、手を繋いでも良い?」
舘マモル「え〜!?」
響スイ「良いでしょ?」
舘マモル「ウ・・・」
舘マモル「中庭にいる間だけよ」
舘マモル(大きくて温かい手)
舘マモル(正体は分からなくても)
舘マモル(今だけは・・・この人はヒビキよ)
舘マモル「あれ?」
舘マモル(『寒いから手を繋いでいい?』って・・・)
舘マモル(『タタンガリ』のCMと同じ台詞じゃない!?)
舘マモル(だとしたら、ただのファンサ!?)
舘マモル(ウワァ〜! 1人で浮かれて恥ずかし過ぎる!!)
「手が離れるから、もっとコッチに来て」
舘マモル(確信犯め・・・! ゼッタイに逮捕するわよ)

〇屋敷の書斎
「・・・」
「ようやく、睡眠薬入りのサンドイッチを食べたようね」

〇城の客室
伊集院コマチ「ハアアア」
伊集院コマチ「ヒビキのために犯罪に手を染めたのに」
伊集院コマチ「こんなコトになるなんて」
伊集院コマチ「お父様に何て言おう・・・」
伊集院コマチ「この施設のPVR『タタンガリ』は通信が無くてもプレイできるのよね」
伊集院コマチ「もう、現実なんてどうでもいい。 夢の世界に行きましょう」
伊集院コマチ「ヒビキ・・・♥」
伊集院コマチ「アーン!」
伊集院コマチ「無理無理無理ィ〜!」

〇水玉2
響スイ「愛してるよコマチ♥」
響スイ「もう二度と離さない」
伊集院コマチ「やっぱり『タタンガリ』のヒビキが1番!」
伊集院コマチ「私もヒビキが大好きだよ!」
伊集院コマチ「アララ?」
伊集院コマチ「幸せすぎて、 目の前が2重に視えるわ~!?」
響スイ「良かった」
響スイ「麻酔ガスが部屋に充満していることに、気が付かないでくれて」

〇黒
伊集院コマチ「どういうコト!?」
響スイ「エリザもタイコもやり方は同じ」
響スイ「こんなに無防備になるなんて、アイドルってスゴいわね」
伊集院コマチ「ヒエッ・・・」
伊集院コマチ「ウグウ〜ッ・・・!!」
響スイ「気づいた時には、もう遅い」
伊集院コマチ「ヒッ、苦し・・・ 息がッ・・・ゲボッ」
響スイ「オカリカ・・・剛力キョウカの恨みよ」
響スイ「アナタにも、キョウカと同じ苦しみを受けて貰うわ!!」
伊集院コマチ「・・・・・・!!」

〇城の客室
???「なっ!! 銃撃だとぉ?」
???「しかも、ワルサー・・・!?」
伊集院コマチ「なッ・・・んとか、窓に当たったわね」
伊集院コマチ「思ったより、ガスを吸い込んでしまったけど」
伊集院コマチ「これで、空気の入れ替えは出来そうね!」
伊集院コマチ「『タタンガリ』を使って油断させて、ヒビカシたちを襲うなんて」
伊集院コマチ「許さないわよ、Petロス!」
伊集院コマチ「いえ、街田シノグ!!」
街田シノグ「アナタはコマチじゃないわね・・・」
「マモル!?」
舘マモル「当たりよ」
街田シノグ「オカシイわね」
街田シノグ「アンタが睡眠薬で寝たのを確認してから動いたのに!」
舘マモル「アレは私に変装したヒビキよ!」
街田シノグ「罠だったのね」
街田シノグ「クソッ、 このヒビキの追跡装置もフェイクか!」
街田シノグ「──いつから気づいていたの?」
街田シノグ「バディとして、全幅の信頼を得ていると思っていたから」
街田シノグ「結構ショックよ!」
舘マモル「いけしゃあしゃあと、 よくもそんな減らず口が叩けたものね!」
舘マモル「信じられないよ。 全部ウソだったの!?」
街田シノグ「銃口が震えているわよ、マモル!」
街田シノグ「だから、いつも言っているじゃないの」
街田シノグ「アンタは身内に甘すぎるのよ」
街田シノグ「でも、だからこそ信じていたわ」
街田シノグ「ヒビキを追い詰めるための、猟犬(イヌ)になってくれるとね!!」

〇城の客室
舘マモル「何故なの?」
舘マモル「キョウカとオカリカは同一人物」
舘マモル「さっき、私の首を絞めながら」
舘マモル「『キョウカの恨み』と言っていたわね」
舘マモル「剛力キョウカの復讐というならば、何故キョウカを殺したの?」
街田シノグ「キョウカを殺したのはアタシじゃない」
街田シノグ「キョウカはね」
街田シノグ「自⚫したのよ」

〇黒
  私たちは姉弟は、1年に1度会えたら良い方。
  特にお互いを頼って生きている訳では無かった。
  でも、先月──
街田シノグ「あらヤダ。珍しいわね、電話なんて」
街田シノグ「最近キョウカのSNSが荒れてるから、あまり関わりたくないのよね!」
街田シノグ「悪いけどスルーしよ」

〇マンションの入り口

〇本棚のある部屋
街田シノグ「確か合鍵があったはず・・・」
街田シノグ「キョウカ、居ないの?」
街田シノグ「気になって来てみたけど・・・何かあったのかしら」
街田シノグ「パソコンの履歴に何か残ってないかな」
街田シノグ「──何よこの怖いブログ」
街田シノグ「しかも、検索履歴がカルト宗教と自⚫の方法ばかり・・・!?」
街田シノグ「まさかッ・・・!?」
街田シノグ「キョウカの携帯にハッキングして、位置情報を掴むのよ!」

〇森の中の沼
街田シノグ「キョウカ・・・」
  変わり果てたキョウカを見て
  私は初めて、
  姉を愛していたことに気がついたわ
街田シノグ「キョウカのスマホ・・・」
街田シノグ「馬鹿ね・・・画面ロックくらいしなさいよ・・・」
街田シノグ「私宛の未送信メール!?」
  そこには、想像を絶するネットの執拗な嫌がらせの数々と
  キョウカの苦しみと恐怖が綴られていて
  最後に私に会いたかったけど、叶わなかったことが添えられていた。
街田シノグ「私が・・・」
街田シノグ「最後の最後に、キョウカの手を放してしまったんだ・・・」
街田シノグ「キョウカは助けを求めていたのに!」
街田シノグ「・・・!!」

〇黒

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コメント

  • 自害だったのですね……。
    復讐は動機としては納得です。決してやっていいことではないですが…。

    しかし表紙&オマケが甘々で😍
    ヒビキ、お前、お前…ってなってますw

  • ニトロ……自分も壊すと言ってましたのね。緊張感で目が離せませんでした。
    最期の電話がとれなかった後悔が彼を駆り立てたのですね。
    マモルの選択にドキドキしながら次に進みます。

  • 分かりました、自分は騙されやすい性格です😭😭😭😭😭
    少しでも響が本物か疑ってごめんなさい。……いや、騙されているという可能性も(疑心暗鬼😰)
    今回は怒涛の展開でしたね。甘い展開からシリアスへと急転直下。響の変装も今回の伏線だったんですね。
    そろそろ佳境近づいてきましたね。絶体絶命の状況にマモルはどうするッ😣

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