#9 番外編 記憶の断片(カケラ)を辿って(脚本)
〇城の客室
舘マモル「私がヒビキを撃つ・・・」
響スイ「──」
舘マモル(もし、打たなければシノグはニトロを使う)
舘マモル(この至近距離で爆破されて、逃げ切れるわけがない)
身体の震えが止まらない
この感覚は
あの時と同じ──
〇警察署の入口
〇地下の避難所
篤井カンジ「ヒューッ! お見事」
篤井カンジ「今日も百発百中だな、マモル」
舘マモル「カンジさん、何時から居たんですか?」
篤井カンジ「俺が隣に来たことも、分からないくらいの集中力」
篤井カンジ「新人の刑事の中で、お前ほどの腕のヤツはなかなか居ない!」
舘マモル「そんなにヨイショされても、何も出ませんよ!」
篤井カンジ「バディとして、俺は鼻が高いよ」
舘マモル「私はただ、エリートで人望の厚いカンジさんに、追いつきたくて・・・」
舘マモル「私が未熟だから色んなコト言われるけど」
舘マモル「カンジさんのバディの座に居るために、努力しているだけです」
篤井カンジ「なんだ、その言い方? 捜査一課でイジメでもあるのか?」
舘マモル「いや、イジメというか、 妬みが若干・・・」
舘マモル(ほぼ、カンジさんを好きな女子職員からの陰口ですよ)
篤井カンジ「マモルをイジメた奴は、どこのドイツだ!!」
篤井カンジ「俺がぶっ飛ばしてやるから、教えろ!」
舘マモル「困ります!」
篤井カンジ「ったく、マモルは優しすぎるんだよ!」
篤井カンジ「犯人は俺が必ず見つけるからな!」
舘マモル「犯人て・・・カンジさ〜ん!?」
舘マモル(あ〜、自分が男女問わずモテるって、自覚無い人か)
舘マモル(ま、そういうところも憎めないのよね)
〇渋谷のスクランブル交差点
「ガガガ」
「あ〜警察庁から〜中央〜」
「ガッ」
「ハイ中央」
「渋谷スクランブル交差点地点の一般市民から110番が入っております〜」
「◯◯ビル南側の植え込み付近から突然の爆発〜」
「怪我人複数です〜」
「付近のPB員及び凸ピン含め〜」
「現場に近い人間は、急行願います〜」
「繰り返す〜・・・ガガガ」
〇荒廃した街
篤井カンジ「爆発音!?」
篤井カンジ「黒煙がモクモクと吹き出している!!」
篤井カンジ「マズいぞ、マモル」
篤井カンジ「もう、ここら一帯はテログループに占拠されているのかもしれない」
舘マモル「カンジさんが前に出向していた、国テロが追っているグループですか?」
篤井カンジ「ああ、恐らくな」
篤井カンジ「今年になって組織由来の、末端グループの動きが活発になっていたから」
篤井カンジ「注意喚起の警備はしていたが・・・」
篤井カンジ「Xデーを狙って、 逆に犯行に走るとはな!」
篤井カンジ「情報漏れ・・・スパイでも居たのか?」
舘マモル「とりあえず現着しましたが、」
舘マモル「防弾チョッキもヘルメットも無い私たちが向かっても、邪魔になるだけでは?」
篤井カンジ「だからといって、一般市民が巻き込まれているのを見過ごす訳にはいかない」
篤井カンジ「ワルサーに装填しておけ」
篤井カンジ「せめて現場の様子だけでも確認して、察庁に報告しよう」
舘マモル「りょ、了解!」
舘マモル(訓練以外で、ワルサーを構えるなんて・・・しかも人間が標的)
舘マモル(怖い・・・)
〇渋谷のスクランブル交差点
篤井カンジ「ウウッ」
篤井カンジ「あちらこちらに瓦礫の山と爆破の跡・・・」
篤井カンジ「焼け焦げた匂いが鼻に付くな」
篤井カンジ「酷いな・・・地獄絵図だ」
舘マモル「西の方角に人影が!」
市民「オーイ、オーイ」
市民「足をやられて動けないんだ!」
市民「手を貸してくれ!!」
篤井カンジ「大丈夫ですよ、今行きます!!」
舘マモル(え?)
舘マモル(これだけ荒れ果てた場所なのに、)
舘マモル(あの市民の周囲だけ、爆破の跡が無いだと・・・?)
舘マモル(明らかにオカシイ)
舘マモル「カンジさん、罠かもしれません!」
篤井カンジ「分かっている」
篤井カンジ「でも、見殺しには出来ない!」
篤井カンジ「マモルはココで待機していてくれ。 俺が行く」
舘マモル「みすみす、バディを危険な目に合わすワケには行きません!」
篤井カンジ「俺は、国テロ課に長く居た。 奴らのやり方は熟知している」
篤井カンジ「でも、男なら」
篤井カンジ「行かなきゃならない時もあるんだ」
舘マモル「カンジさん、待って・・・」
舘マモル「あ・・・足が・・・」
舘マモル(足が竦んで動けない)
「・・・ヒュー・・・」
舘マモル「!?」
「ガタガタ・・・」
舘マモル(どちらかが、まだ生きている!?)
舘マモル(助けなきゃ・・・ でも、上手く呼吸できない・・・)
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
今回のエピソードによって、マモルの銃の引き金の重さが増しますね。
エピソード中では撃たなくてホッとしました。でも、バディの願いを叶えられなかった事はずっと心に残り続けてしまいますね。辛い(´๐_๐)
次回、最終回!!このまま自分も次話へ💨
マモル、撃たなかったのね。撃ってトラウマかと思いました。でも線状痕とかからマモルの銃だと後々わかるだろうし、撃てないか…。いや、そんな計算できないですよね。
さて、最後の決断、楽しみにしてます
とうとう明かされたマモルの過去編…最終回迎える前にハッキリすべきエピソードなんでしょうが、想像以上のキツかった……ここで撃たなきゃ過去を教訓にできないけど、読者としては撃ってほしくないですし😖😖このまま最終回、読みに行きます💨