イケメン文化0世界でプロデューサー令嬢、推し参る!

咲良綾

第02話 イケメンが並んでいる!(脚本)

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咲良綾

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〇荒れた競技場
  私のアートデュエラーにならない?
騎士見習いの青年「アート、デュエラー?」
シェリアータ「公爵家のサロンで行われる 芸術バトルに参加するの」
騎士見習いの青年「芸術バトルって・・・ そこで俺が何をするんですか」
シェリアータ「それはこれから考える!」
騎士見習いの青年「お断りします」
シェリアータ「どうして!?」
騎士見習いの青年「なぜOKされると思えるんですか」
シェリアータ「うら若き乙女が困っていたら、 騎士様は助けてくれるかなって」
騎士見習いの青年「騎士はボランティア団体ではないし、 俺は騎士ではなく見習いです」
騎士見習いの青年「一刻も早く騎士になりたいのに、 他のことにうつつをぬかす余裕など」
シェリアータ「だったら尚更、あんな力押しの剣技に励むのは時間の無駄よ」
騎士見習いの青年「・・・無駄?」
シェリアータ「貴方の体に合ってないもの」
騎士見習いの青年「体格差別には慣れているが、部外者の女にそこまで言われる筋合いは」
シェリアータ「違う、騎士になれないってことじゃない」
シェリアータ「もっと効率的に強くなれると言ってるの」
騎士見習いの青年「効率・・・? それは、どういう」
イジ・ワル 「お嬢さん、ここにいては危険ですよ」
イジ・ワル 「俺がお送りしますから・・・」
シェリアータ「気安く触らないで」
「ウワァ」
セン・パイ 「どうした!? 穴でもあったか」
イジ・ワル「いや・・・何故か、景色が回って」
シェリアータ「相手の力を使って、体軸をずらすの」
シェリアータ「体の使い方を知れば、 体格差なんて関係ないのよ」
騎士見習いの青年「・・・!」
シェリアータ「私はフレイロゼ伯爵家の娘、シェリアータ」
シェリアータ「私についてくれば、もっと効率的に強くなれる方法を教えてあげる」
騎士見習いの青年「・・・」
ロシュオル「俺はロシュオル・カヌヴィオレといいます」
ロシュオル「話だけは聞きましょう」
シェリアータ「やった!」

〇黒背景
  あーびっくりした、自分でもびっくりした!
  記憶が曖昧だから、忘れてた属性が急に出てくるんだもん!
  でも知ってて良かった古流武術・・・
  ありがとう、仕込んでくれた前世の父!
  世李(せり)!
  ・・・父?

〇古風な和室(小物無し)
世李(せり)「あーっ! 推しのアクスタが!」
世李(せり)「何すんのよ、横暴親父!」
世李の父「こんなチャラチャラした男たちの何がいいんだ!」
世李(せり)「私の推したちをバカにすんなー!! 演技もダンスもすごいんだから!」
世李(せり)「体幹のコントロール、洗練された動き」
世李(せり)「人を壊すためでなく、ただひたすらクリエイトのために存在する最強技術だよ?」
世李の父「男が化粧してる時点で気持ち悪い!」
世李(せり)「男が表現する美の栄養を舐めないで!」
世李(せり)「いわば宗教画なんだよ、 これで助かる命があるんだよ!」
世李の父「いいから昇段試験を受けて道場を継げ!」
世李(せり)「嫌!私はダンスがやりたいの!」
世李(せり)「いつか推しの後ろで踊るんだからー!!」

〇黒背景
  父・・・
  あんまりありがとうでもなかったな
  ていうか、この世界そのものじゃないの!

〇荒れた競技場
ロシュオル「それで、俺はどうすれば強くなれるんだ」
シェリアータ「・・・ダンスをやるといいと思うの」
ロシュオル「ダンス?」
シェリアータ「舞踏会で女性と踊るものとは別よ」
シェリアータ「もっと細かく激しい動きで、きっと見たことがないタイプの・・・」
シェリアータ「見せた方が早いわね」

〇華やかな裏庭
シェリアータ「では、そこで見ていて」
ロシュオル「わかった」
シェリアータ「私もブランクがあるから、うまく踊れるかわからないけど」
シェリアータ「ふーっ」
シェリアータ「行きます」

〇洋館のバルコニー
レノフォード「あれは」
レノフォード「シェリ・・・?」
レノフォード「あの動きは・・・ダンス?」

〇華やかな裏庭
シェリアータ「どう?」
ロシュオル「筋肉が細かく波打つように・・・ でも、芯はブレない」
ロシュオル「こんな動き、見たことがない」
シェリアータ「体幹を鍛えてコントロールできれば、最小限の動きで攻撃回避できる」
シェリアータ「スピードは飛躍的に上がると思うわ」
ロシュオル「・・・なるほど」
シェリアータ「お兄様?」

〇洋館のバルコニー

〇華やかな裏庭
ロシュオル「ご婦人・・・じゃ、ないのか?」
  しまった、どうする?
  ごまかす?
  いいえ
シェリアータ「来て!」
ロシュオル「えっ」

〇城の客室
シェリアータ「お兄様!」
シェリアータ「お友達になれそうな人を連れて来たわ!」
レノフォード「えっ」
ロシュオル「「お兄様」?」
レノフォード「・・・!」
シェリアータ「そうよ。美人でしょ?」
ロシュオル「心は女ということか」
シェリアータ「いいえ、違うと思う」
シェリアータ「今は男でいるのが辛いだけ」
シェリアータ「そうよね、お兄様?」
レノフォード「・・・」
シェリアータ「ロシュオル」
シェリアータ「私、貴方ならお兄様を バカにしたりしない気がしたの」
シェリアータ「貴方なら理解できる・・・そうでしょ?」
ロシュオル「・・・そうだな」
ロシュオル「俺は女になりたいと思ったことはないが、否定され続ける辛さはわかる」
ロシュオル「俺は」
ロシュオル「実の父に認知してもらえないのです」
レノフォード「えっ・・・」
ロシュオル「顔も似ていない、こんな弱々しいのが 自分の息子なわけがないと」
シェリアータ「なにそれ、ひどい・・・」
ロシュオル「騎士になれば認めてくれるそうです」
ロシュオル「俺は正直、そんな父親どうでもいい」
ロシュオル「でも、母が1人で苦労することには 納得がいかない」
シェリアータ「それで、あんなに必死に・・・」
ロシュオル「母のことがなければ、 俺だってとっくに心が折れてる」
ロシュオル「だから、笑ったりはしません。むしろ」
ロシュオル「1人じゃないと思えたのは、 初めてかもしれない」
レノフォード「・・・」
レノフォード「僕は、レノフォード・フランロゼ」
レノフォード「君は?」
ロシュオル「ロシュオル・カヌヴィオレといいます」
レノフォード「じゃあ、ロシュって呼んでいいかな」
レノフォード「僕はレノでいいよ。 口調もフランクでいいから」
ロシュオル「・・・わかった」
シェリアータ「ロシュ、ありがとう」
シェリアータ「ぜひ、お兄様と、仲良く」
シェリアータ「・・・・・・」
ロシュオル「?」
シェリアータ「並んでる・・・顔のいい男が・・・」
シェリアータ「イケメンが並んでる!」
「!?」
シェリアータ「心を通わせ、美しい微笑みを交わし、 芽生える 友・情☆」
シェリアータ「これよ、これに飢えてた! はぁーーーっ! 尊い! サイコー!」
ロシュオル「な・・・何だ? 君の妹は・・・」
レノフォード「ふふ、可愛いよね」
シェリアータ「きゃっふー!」

〇貴族の応接間
ルディア「お断りしてください」
リチェラー公爵夫人「これ以上いいお話はないわよ、ルディア」
ルディア「私は結婚する気はありません」
ルディア「アートデュエルで勝てば、好きにしていいというお話だったでしょう?」
リチェラー公爵夫人「そうだけど・・・ 貴女には幸せになって欲しいのよ」
ルディア「失礼します」
  自分の定規で人の幸せを測って、
  勝手に憐れむ人たち。
  本当に、余計なお世話

〇渋谷のスクランブル交差点
女性1「あれ、モデルの瑠妃じゃない?」
女性2「ほんとだ、可愛いー!」
女性1「隣にいるの、誰だろ。彼氏?」
女性2「よく見てよ、あれが瑠妃の彼氏なわけないじゃん! マネージャーじゃない?」
太一(たいち)「・・・僕、るきちゃんと釣り合ってないよね」
太一(たいち)「もうちょっと、痩せれば」
瑠妃(るき)「太一くんはそのままがいいんだよ」
  素直で、純粋で、優しくて。
  見た目なんて関係ない。

〇黒背景
  私の気持ちは全然、関係なかったのに。

次のエピソード:第03話 神絵師がいる!

コメント

  • セリフ回しが何から何まで可愛くて面白い上に、登場人物たちの“好きを否定される苦しみ”に共感が抑えられません…!!🥹
    前世の記憶から、まさかの特技が覚醒するなんて🤣
    いやしかし素晴らしいオリジナル立ち絵ですね…本当に踊っているようです🥹
    読み終える頃には買っていそう😇
    立場が違うなか、それぞれがそれぞれのコンプレックスに足掻く姿…全員を応援したいだけに、一体どんな結末を迎えてしまうのか…😖

  • その昔、権力者に抗うために武術を編み出した者たちは、権力者に感づかれないようにその技をダンスの振り付けに偽装していた………という話を思い出しました

  • ダンス~!😳表現力、凄い!✨
    自作立ち絵ならでは!ですね♪
    イケメン二人が仲良くなって、シェリもキャハキャハ😆
    ルディアの前世にもふれてきて、ますます面白くなっていきそうです!!

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