#4 ダメージ✕ダメージ(脚本)
〇システムキッチン
「動くなッ!」
舘マモル「両手を挙げて、床に伏せなさい!」
西園寺タイコ「本物の銃なの!?」
舘マモル「自分のカラダで試してみる?」
西園寺タイコ「ヒィ!撃たないで!!」
西園寺タイコ「エッ、エリザの首を絞めたのは、 ワワ、ワタクシじゃないわ!」
舘マモル「信用出来ない!」
西園寺タイコ「エリザからメールが来たのよ! 『2人きりで話がしたい。』って」
西園寺タイコ「でも時間になっても、エリザはキッチンから出て来なかった」
西園寺タイコ「ドアの向こうから、ずうっと水が流れる音が聞こえていて・・・」
西園寺タイコ「思いきって部屋に入ったら、こんなことに!」
響スイ「そこに俺たちが来たから、慌てて隠れていたというところか」
響スイ「マモちゃん、とりあえず銃は降ろそう」
舘マモル「私に指図しないで!」
舘マモル「監視カメラを確認して証言の裏を取るするまでは、拘束させてもらうわ」
西園寺タイコ「拘束って・・・ やっぱりアナタ、刑事だったの!?」
西園寺タイコ「『あの人』が教えてくれたコトは、本当だったのね!」
舘マモル「『あの人』って?」
西園寺タイコ「SNSフォロワーの1人『Petロス』よ。 本名は知らないわ」
西園寺タイコ「ヒーちゃんがキョウカの事件の被疑者になっているから」
西園寺タイコ「イベント中に騒ぎを起こして、捜査を撹乱しろってDMが来たの!」
舘マモル「それでシャンデリアを落下させたの?」
西園寺タイコ「私はエリザにDMの内容を伝えだだけ!」
西園寺タイコ「エリザだって、きっと誰かを狙ったワケじゃない!」
西園寺タイコ「まさか、こんなことになるなんて!」
〇黒
〇貴族の部屋
舘マモル「タイコの話を信用するなら」
舘マモル「シャンデリア落下事件の犯人はエリザということね」
舘マモル「ボルトのトリックは、化学工業で製造されていた『ドライアイス』」
舘マモル「私たちが来る時間を計算して、大量のドライアイスをボルト代わりに金具に吹き付けた」
舘マモル「動機は」
舘マモル「私個人を狙ったワケではなく、イベントの撹乱が目的だった・・・」
舘マモル「・・・」
舘マモル「腑に落ちない話じゃないけど」
舘マモル「また振り出しに戻った気分!」
舘マモル(『Petロス』は何者?)
菜七子(ナナコ)「あ〜あ。 ダメだこりゃ」
菜七子(ナナコ)「完全に割れちゃっているよォー」
響スイ「ナナコさん、スマホ落としたの?」
菜七子(ナナコ)「現場に落ちていたんです。エリザのだと思うので、拾って来ちゃった」
響スイ「よく気がついたねナナコさん!」
響スイ「さすが俺の廃品回収車♥」
菜七子(ナナコ)「ロボット掃除機の方が、まだマシだわ!」
響スイ「マモちゃん、確か剛力キョウカの事件でも、割れたスマホがあったんだよね?」
舘マモル「あ・・・」
舘マモル「首に巻かれたロープ、割れたスマホ・・・」
舘マモル「後はハイヒールの跡があれば、剛力キョウカ絞殺の模倣事件だわ!」
響スイ「今日はあの場にハイヒールを履いていた人は」
響スイ「マモちゃん、タイコ、ナナコさん、エリザの4人か」
響スイ「それ以外のハイヒールの跡、もしくはこの中の誰かの足跡が」
響スイ「犯人のモノだよね♪」
舘マモル「すぐに調べましょう!」
菜七子(ナナコ)「アッ!エリザさん!?」
九条エリザ「・・・!?」
九条エリザ「生きていたの・・・!? 私を・・・許して!!」
菜七子(ナナコ)「エリザさん!?」
菜七子(ナナコ)「また気を失ったわ」
菜七子(ナナコ)「舘さんを、誰かと勘違いしたみたいですね!」
舘マモル「勘違いというより、 意識レベルが落ちているようね」
舘マモル「ただ首を絞められただけじゃないのかもしれないわ」
響スイ「毒でも盛られたかな?」
舘マモル「毒にしては症状が緩やかすぎる!」
舘マモル「例えば、鎮静剤なんかの麻酔かもしれない」
菜七子(ナナコ)「麻酔をしたら、ぐっすり寝てしまうんじゃないんですか?」
舘マモル「全身麻酔ならね」
舘マモル「半端な量の麻酔だと、本人の意識はないのに夢遊病のように動いたり」
舘マモル「妄言や暴言を吐くこともあるの」
舘マモル「もう、このイベントは中止ね!」
舘マモル「早く撤退しましょう」
菜七子(ナナコ)「そうしたいのは山々なのですが」
菜七子(ナナコ)「一週間後の昼まで迎えが来ないんです!」
菜七子(ナナコ)「ご存知のように、この施設の周辺は」
菜七子(ナナコ)「大自然に抱かれた樹海が広がっていて、昼間でも霧が濃くて見通しが悪く」
菜七子(ナナコ)「無闇に歩き回ると遭難する危険もあります!」
舘マモル「携帯も使えないし、八方塞がりもイイところね」
舘マモル「ナナコさんとヒビキで、タイコとエリザの監視をお願いできる?」
菜七子(ナナコ)「ハイ!」
舘マモル「私は監視カメラの確認をしてくるわ」
響スイ「俺も行くよ」
響スイ「イイでしょ?」
〇システムキッチン
舘マモル「まずは足跡の確認よ」
響スイ「眩しいッ!何ソレ!?」
舘マモル「『ASL』科学捜査用ライトよ」
舘マモル「強力な光で目に見えない指紋や足跡を浮かび上がらせることができるわ」
舘マモル「撮影完了。 事前に写したデータと見比べましょう」
響スイ「う〜ん」
響スイ「キッチンに居た人達以外の足跡は無し、か」
響スイ「あれ・・・コレ気にならない?」
舘マモル「何?」
響スイ「マモちゃんの足跡の中に、踵の跡が薄いのがあるんだよね」
舘マモル「本当ね。何故・・・?」
舘マモル「普通、ハイヒールは踵から着地するから」
舘マモル「踵の跡は濃く付くハズ」
舘マモル「そういえば、剛力キョウカの現場検証の足跡も」
舘マモル「踵の跡が薄かったような」
響スイ「・・・まさか」
響スイ「マモちゃんが犯人だったりして?」
舘マモル「次は不敬罪で逮捕するわよ」
舘マモル「大体、この施設に来てから私がキッチンに入ったのは、」
舘マモル「悲鳴が聞こえてからよ」
響スイ「・・・どうやって・・・」
舘マモル「まだ何か?」
響スイ「ウウン。何でもない」
舘マモル「次は監視カメラの部屋に案内してちょうだい」
〇秘密基地のモニタールーム
響スイ「ココがモニタールームだよ」
舘マモル「スゴいわ! まるで映画の世界ね」
響スイ「PVRで盛れているけど、実際のモニターは3つなんだ」
響スイ「じゃあタイコの証言が正しいのか、見てみようか」
舘マモル「・・・ほぼ証言通りね」
舘マモル「エリザが最後にキッチンに入ってからタイコが来るまでに」
舘マモル「訪問者は居ないわ」
舘マモル「でも、何か引っかかる」
舘マモル(集中して、マモル)
舘マモル「この映像の違和感──」
舘マモル「必ずある──」
舘マモル「──!!」
舘マモル「今の光は何!?」
響スイ「一瞬、ピカッとしたような・・・」
響スイ「でも何も映っていない」
舘マモル「ちょっと巻き戻して・・・」
舘マモル「今!」
響スイ「キミは本当に優秀な刑事さんだね♪」
響スイ「この波形の乱れは、AIアルゴリズムが誤認識した跡だ」
舘マモル「誤認識?」
響スイ「例えば、人間しか追わないようにプログラムされている画像に、」
響スイ「少し負荷を与えると猿と間違えてしまうということ」
響スイ「この波形は、その誤認識を引き起こした時に起きるノイズに似ている」
舘マモル「この映像は何かのトリックで録画AIに誤認識させたということね」
舘マモル「このモニタールームに入れるのは、アナタ以外には?」
響スイ「ナナコさんかな」
舘マモル「失礼を承知で聞くけど」
舘マモル「アナタと共犯、もしくはアナタの犯行を守るために」
舘マモル「ナナコさんが動画を編集したんじゃないの?」
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次々に起こる展開にドキドキします!面白いです!
マモルはパートナーを失った過去がある……?って、出てきてましたっけ?
ドライアイスは当たってました!😆
エリザの反応は……ドレス?となると、あの人が怪しくなりますが、怪しくなって欲しくないなぁ😂
陸の孤島、クローズドサークル、面白いです😆
サイバー犯罪に詳しい、借りたドレス、ローン10年の車の爆破……🤔 もしや……
でも、まだまだ解けない謎が多くて気になります!