〇城の客室
舘マモル「私がヒビキを撃つ・・・」
響スイ「──」
舘マモル（もし撃たなければ、 シノグはニトロを使う）
舘マモル（この至近距離で爆破されたら、 逃げ切れない）
舘マモル「しかも」
舘マモル（私がヒビキを撃たなければ、 シノグを捕らえられない！）
街田シノグ「あら、良いタイミング」
街田シノグ「分かったわ。連れてきて！」
伊集院コマチ「・・・何コレ？ 一体、どういう状況なの!?」
菜七子(ナナコ)「タイコさんは意識が無いので、連れて来ませんでした」
菜七子(ナナコ)「でも」
菜七子(ナナコ)「コレで役者は皆さん揃いましたね！」
菜七子(ナナコ)「あ、この部屋から逃げないでくださ〜い」
菜七子(ナナコ)「シノグさんが爆薬を持っていますので、動けば即死ですよ♪」
九条エリザ「ナナコさん・・・アナタッ!?」
街田シノグ「ありがとうナナコ」
舘マモル「ナナコさんは、シノグとグルだったの!?」
菜七子(ナナコ)「私は、ヒビキのためなら何でもしてきました！」
菜七子(ナナコ)「でも、ヒビキは私のコトなんか、ちっとも見てくれない」
菜七子(ナナコ)「舘さん、知ってますゥ？」
菜七子(ナナコ)「愛と憎しみって、紙一重なんですよ」
菜七子(ナナコ)「ウフフ」
菜七子(ナナコ)「アハハハ！」
街田シノグ「これでマモルも決断しやすくなったわね」
街田シノグ「ヒビキ１人を撃つか、」
街田シノグ「それ以外の全員の命を救うか」
街田シノグ「答えは簡単でしょ！」
街田シノグ「それともまさか」
街田シノグ「１人を助けるために、全てを捨てるつもり？」
伊集院コマチ「お願い刑事さん、助けて!!」
舘マモル「──汚いやり方ね、シノグ」
舘マモル「悔しいわ」
舘マモル「アンタのこと、バディというだけじゃなく、親友として信頼していたのにッ」
街田シノグ「ワタシもよ、マモル」
街田シノグ「アンタが世界で１番信頼できるバディであり、親友よ」
街田シノグ「だから、この役は真面目なアンタにしか任せられなかったの」
街田シノグ「一緒に地獄に堕ちましょう！」

〇城の客室
響スイ「マモちゃん」
響スイ「俺は大丈夫」
響スイ「撃って良いよ」
舘マモル「ヒビキ・・・」
響スイ「いつか話したよね」
響スイ「君になら、撃たれたい」
舘マモル「こんな時までフザけないでよ・・・」
響スイ「フザけていないよ」
響スイ「その代わり苦しまないように、間違いなく狙ってよ」
舘マモル（どうする・・・どうするマモル？）
舘マモル（ニトロを奪うためにシノグに銃口を向けるのは得策ではない）
舘マモル（下手したら、シノグだけじゃなく、ここにいる皆が爆発に巻き込まれる！）
舘マモル「ヒビキ・・・」
舘マモル「・・・」
舘マモル「ゴメン」
舘マモル「アナタのこと、好きだった・・・」
「ヒーちゃあん!!　　　　嫌アアア!!」
街田シノグ「ハハハハ！」
街田シノグ「マモル！最高よ!!」
菜七子(ナナコ)「シノグさん？ 一応、死亡確認をしたらどうかしら」
菜七子(ナナコ)「息があればトドメを！」
街田シノグ「そうね」
街田シノグ「いくらマモルの腕が良くても、38口径弾では万が一のこともあるかもね」
街田シノグ「ナナコ、ニトロをお願い」
菜七子(ナナコ)「確かに受け取りました──」
菜七子(ナナコ)「ヒビキ、今よ！」
街田シノグ「何ィッ!?」
街田シノグ「ウアアアア!!」
響スイ「MISSION・コンプリート!!」
響スイ「ありがとう僕の掃除ロボット♥」
響スイ「じゃなくて、相棒様♪」
菜七子(ナナコ)「もう！」
菜七子(ナナコ)「アタシが居ないと、なーんにも出来ないんだから！」
舘マモル「ナナコさんがシノグを裏切った!?」
舘マモル「それより」
舘マモル「確かに私の銃弾が、ヒビキの心臓を撃ち抜いたハズなのに・・・!?」
響スイ「確かに弾は正確に当たったよ」
響スイ「ジャーン♪」
響スイ「防弾チョッキを服の中に着ていて、助かったよ！」
響スイ「とはいえ」
響スイ「イテテ・・・骨折くらいはしているかもしれないけどね・・・」
舘マモル「防弾チョッキにその銃は・・・テーザーガン!?」
舘マモル「アナタ、何者!?」
響スイ「やっと真相を話せるね」
響スイ「改めまして」
響スイ「警視庁特殊案件公安部部長」
比未ネオ「比来（ヒライ）ネオであります！」
菜七子(ナナコ)「そのバディのナナコで〜す！」
「アナタたち、 刑事だったの────!?」
菜七子(ナナコ)「他の課が担当する、難解事件を横取りする刑事」
菜七子(ナナコ)「誰が呼んだか『他担狩り』」
菜七子(ナナコ)「今回はアイドルとそのマネージャーとして、変装して潜入していました！」
比未ネオ「黙っていてゴメン」
比未ネオ「因みに、響スイは実在しないアイドルなんだ」
菜七子(ナナコ)「タタンガリの中のCGキャラなのよね」
九条エリザ「そんなァ！」
伊集院コマチ「ワタクシ達、実在しないキャラのために、犯罪を犯していたなんて・・・」
財前クレオ「酷いですわアッ!!」
舘マモル「だから、『タタンガリ』のヒビキと違和感があったのね！」
比未ネオ「街田刑事は慎重で、なかなか尻尾を出さないから」
比未ネオ「バディの君から仕掛けさせてもらったんだ」
菜七子(ナナコ)「ワザとキョウカの現場から、ヒビキのサプリメントが見つかったようにしたりね」
比未ネオ「おかげで事件は解決したよ。 ありがとう」
菜七子(ナナコ)「電波障害もすでに対応済みですので、すぐに応援が来ます！」
舘マモル「なん・・・だ」
舘マモル「悪夢は終わった・・・のね？」
舘マモル「シノグは・・・!?」
比未ネオ「テーザーガンは、致命傷になるほどの出力は上げていないんだ」
比未ネオ「上手く急所に当たったから、気絶しているだけだよ」
舘マモル「良かった・・・」
舘マモル「アッ！」
舘マモル「アタシ」
舘マモル（ヒビキに好きだって告白した!?）
舘マモル「え」

〇大きい研究所
「イヤアアア〜!!」

〇刑務所

〇刑務所の面会室
舘マモル「来たわよ」
街田シノグ「・・・」
街田シノグ「もう、会えないと思っていたわ」
舘マモル「私も会ってくれないかと思っていた」
舘マモル「今日は、コレを渡しに来たの」
街田シノグ「何よコレ？」
街田シノグ「Happy birth day to シノグ・・・？」
街田シノグ「今更、誕生日プレゼント？」
舘マモル「私からじゃないわ」
舘マモル「キョウカさんからよ」
街田シノグ「キョウカが!?」
街田シノグ「あ・・・」
街田シノグ「天使の羽根のブレスレット」
街田シノグ「淡いブルーの石が付いている・・・。 キョウカっぽいわね」
舘マモル「その『天使の羽』というブレスレット、確か石の色毎に意味があるハズよ」
舘マモル「淡いブルーの石言葉は『博愛』」
舘マモル「過去の失敗が傷となり、自分の進む道をさえぎっているときには、」
舘マモル「後悔の念や自分を責める気持ちを取り除く効果があるといわれているわ」
街田シノグ「どこでコレを見つけたの？」
街田シノグ「部屋はアタシが、全部調べたのに」
舘マモル「エリザさんの証言から、キョウカさんが弟のプレゼントを悩んでいたと聞いたの」
舘マモル「キョウカさんが亡くなる前に」
舘マモル「駅前のコインロッカーに預けていたんですって」
街田シノグ「そんな所に？」
舘マモル「もしかしたら、と思って調べたら」
舘マモル「ブログに遺されていた、マタイ福音書26章31節の数字と同じ」
舘マモル「26列31番のロッカーだった」
舘マモル「キョウカさんは、ネット民やシノグに裏切られたと絶望していたかもしれないけれど」
舘マモル「アナタを愛する気持ちは、 遺したかったんじゃないのかしら」
舘マモル「そして、シノグなら見つけてくれると思って」
舘マモル「あのブログに託したのかもしれない」
街田シノグ「・・・」
舘マモル「復讐相手を探すよりも、先にキョウカさんの痕跡を辿っていたら」
舘マモル「こんな事件は起こさなかったかもしれないわね」
街田シノグ「分かっていた・・・。 私は全部、分かっていたのよ」
街田シノグ「キョウカが、私を恨んではいないことを」
街田シノグ「でも、私の目の前から消えてしまうなら」
街田シノグ「赦してなんて欲しくなかった」
街田シノグ「赦すくらいなら」
街田シノグ「生きたまま、私を憎んでいて欲しかった・・・」
舘マモル「・・・」
舘マモル「私も」
舘マモル「利用されたことは腹立たしいけど」
舘マモル「シノグのコト、憎めないよ」
舘マモル「これから先、二度とシノグが道を外さないように」
舘マモル「キョウカさんの天使の羽が、見守ってくれますように」
街田シノグ「アンタがバディで良かったわ」
街田シノグ「・・・私たち、まだ親友かしら」
舘マモル「さよならシノグ」

〇シンプルな一人暮らしの部屋
舘マモル「ハイ」
舘マモル「ヒビキ・・・じゃない、比来さん？」
舘マモル「どうやってこの番号を・・・」
舘マモル「ハイ、ハイ・・・エェッ？」
舘マモル「ワッショイ・・・じゃなくて、必ず行きます！」

〇イルミネーションのある通り
比来ネオ「雪だ！」
比来ネオ「寒いと思っていたよ」
比来ネオ「今年は早いね」
舘マモル（ドキドキしちゃう）
舘マモル（ヒビキから呼び出されるなんて！）
舘マモル「あのイベントが囮捜査だったなんて！」