ゲーム小説の書き方講座

坂井とーが

2限目 下書きには表計算ソフトが便利②(脚本)

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〇講義室
蕾太「表計算ソフトで文字数がカウントできる!?」
小雪「もちろんだ。 表計算ソフトは奥が深い。ほしいと思った機能は、だいたいあるぞ」
蕾太「どうやるの!?」
小雪「『LEN関数』というものを使う」
蕾太「れん?」
小雪「そうだ。 まず、アイテムの列の隣に、文字数カウント用の列を作ってみろ」
小雪「見出しの下のセルにカーソルを合わせ、上にある『fx』マークを選ぶ」
小雪「関数の分類を『文字列操作』にし、アルファベット順に並んだ中から『LEN』を選ぶ」
蕾太「『OK』っと」
小雪「すると、どのセルの文字数をカウントするか選べるから、数えたいセルをクリックして、『OK』だ」
蕾太「セリフのマスをクリックして、『OK』。 ――おお! 文字数が出てきた!」
蕾太「・・・でも、1マス分だけ?」
小雪「200行分ほどカウントできる状態にしておいた方がいいだろう」
小雪「LEN関数を入れたセルにカーソルを合わせ、緑の枠の右下をクリックするのだ。そのまま、200行目までドラッグする」
蕾太「空白のマスの横には「0」が表示された!」
小雪「1行当たり1タップだから、200タップもあれば十分だろう」
蕾太「セルの文字数の数え方はわかった。 作品全体の文字数はどうやって数えるんだ?」
小雪「SUM関数を使う」
蕾太「さむ?」
小雪「LENの隣の列にでも、総文字数をカウントするセルを決める」
蕾太「さきほどと同様に『fx』から『数学/三角』、『SUM』を選び、」
小雪「セルの文字数をカウントしている2行目から200行目をドラッグですべて選択する」
小雪「あるいは、数式バーに=SUM(G2:G200)などと入力してもいい」
蕾太「できた! 作品全体の文字数が表示されたぞ!」
蕾太「・・・んー。 1話ずつこの設定をするのは、ちょっと面倒だな」
小雪「コピペ用のテンプレートを作っておけばいい。下の『Sheet1』を右クリックすれば、コピーの作成ができるのだから」
蕾太「ほんとだ! しかも、シートの名前も変えられるのか。じゃあ、今書いているのを『第1話』にしよう!」

〇講義室
  1時間後──
蕾太「原稿ができた! さっそくノベルメーカーに入力だ!」
蕾太「右クリック、コピー 右クリック、ペースト」
小雪「・・・何をしている?」
蕾太「何って、コピペだけど」
小雪「・・・・・・。 コピペに右クリックはいらない。ショートカットキーを使えば一瞬だ」
蕾太「ええええ!? 何それ!?」
小雪「コピペしたい文字列を選択して、『Ctrl』を押しながら『C』を押す。これでコピーができた」
蕾太「マジか!?」
小雪「ペーストしたい場所にカーソルを合わせ、『Ctrl』を押しながら『V』を押す」
蕾太「うわぁ! ペーストができた!」
小雪「ショートカットキーをたくさん覚える必要はないが、もっとも使うであろうこれらくらいは知っておいた方が便利だ」
小雪「ちなみに、切り取りは『Ctrl』+『X』だぞ」
蕾太「す、すごい・・・!」
小雪「その様子では、『Ctrl+F』も知らないのだろう」
蕾太「なんだそれ? 押してみよっと」
蕾太「『検索と置換』!? まさか──」
小雪「そう。Ctrl+Fを使えば、ファイルの中から特定の文字列を検索することができる」
小雪「表計算ソフトだけではなく、文書作成ソフトやブラウザでも使えるぞ」
蕾太「こんな手段があったなんて・・・! 今まで、自分で読んで地道に探してた──」
蕾太「そうだ! 実は、ヒロインの名前を変更したいと思ってたんだ。『検索』を使えば、変更漏れがない」
小雪「そこは『置換』だろう」
蕾太「置換・・・。 『検索する文字列』と、『置換後の文字列』ってやつ?」
蕾太「はっ! これを使えば、『花子』から『華子』に、自動で変換してくれるってことか!?」
小雪「そういうことだ」
蕾太「すげぇぇ! 手作業でひとつずつ変えていくより、ずっと楽だ!」
小雪「だが、注意すべきこともある。 文字列を前後の文脈にかかわらず書き換えてしまうのだ」
小雪「たとえば、『トイレ』を『便所』に『すべて置換』したとしよう」
小雪「そうすると、『トイレットペーパー』は『便所ットペーパー』になってしまうのだぞ」
蕾太「べ、便所ットペーパー!!」
蕾太「小説読んでてそんなのが出てきたら、電車の中でも吹き出しそう!」
蕾太「オレ、『すべて置換』が怖くなってきた」
小雪「そんな君に、救済策を授けよう」
蕾太「あるの!?」
小雪「音声読み上げだ」
小雪「表計算ソフトの一番上には、『クイックアクセスツールバー』がある。その一番右に、『ユーザー設定』があるだろう」
小雪「クリックして、『その他のコマンド』を選ぶのだ」
蕾太「うわ、なんか変なの開いた!」
小雪「『コマンドの選択』から『すべてのコマンド』を選び、『Enterキーを押したときにセルを読み上げ』を選んで『追加』する」
小雪「すると、ツールバーに読み上げのアイコンが並ぶ。クリックして、読み上げたいセルでエンターを押せば、音声が出る」
小雪「『セルを1列ずつ読み上げ』を使ってもいい。好みの問題だな」
小雪「読み上げを止めたいときは、もう一度そのアイコンをクリックだ」
蕾太「おお! オレの小説が音読されている!」
小雪「これなら、うっかり『便所ットペーパー』を世に出すことはないだろう。『置換』と『痴漢』のような変換ミスには気づけないがな」
蕾太「・・・作品を見直して、今度こそ! Ctrl+C Ctrl+Vっと」
蕾太「あれ・・・? セルをコピペしたら、文末に謎の改行が入ってしまう」
蕾太「しかも、改行のあるセルをコピペしたら、ダブルクォーテーションで囲まれた!?」
小雪「ああ、それについてだが──」
小雪「わかる人がいたらコメントで教えてください!」
蕾太「誰に言ってるの!?」
小雪「どうやら表計算ソフトの仕様らしい。 『作者』が諦めたから、私にはどうしようもない」
蕾太「作者って、何の話!?」
小雪「まぁ、改行については、放置してもいい。 ノベルメーカーでは、末尾にいくら改行を入れても、本文に反映されないからな」
蕾太「仕様が変わって反映されるようになったら?」
小雪「泣く」
蕾太「泣くな!」
小雪「あるいは、セルごとコピーするのではなく、文字列を選択してコピーすれば、改行もダブルクォーテーションも入らない」
蕾太「・・・ちょっと面倒だな。 文書作成ソフトならこうはならないのに」
小雪「たしかに、一長一短はあるな」
小雪「それでも、私は表計算ソフトの方が好ましく感じた」
小雪「今後、もっと簡単に入力できるツールが開発されることもあり得るが、現状ではこれが一番よさそうだ」
小雪「君はどう思う?」
蕾太「うーん。 まだ慣れないところはあるけど、とりあえず表計算ソフトを使ってみるかな!」
小雪「では、そんな君に宿題だ」
蕾太「げっ──」
小雪「次回までに、小説をひとつ書いてきたまえ。 それをもとに、小説をもっと面白くする方法を説明する」
蕾太「おお! やっと小説講座らしくなってきたぜ!」

次のエピソード:補講 表計算ソフトがフリーズしたときの対処法

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  • エクセルゆーてもーたやん

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