見栄春一家は見栄っ張り

底抜ノ海

読切(脚本)

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底抜ノ海

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〇おしゃれなリビングダイニング
TVキャスター「今日は世界的にも評価の高い、映画監督の特集です」
TVキャスター「日本映画を代表する監督の一人であり、彼の作品は──」
見栄春コハル「ふーん・・・」
見栄春コハル「ねぇ、お父さん」
見栄春コハル「これ、有名な人なの?」
見栄春ハルオミ「え?」
見栄春ハルオミ「・・・も、もちろん有名だよ?」
見栄春ハルオミ「巨匠だからね?」
見栄春ハルオミ「たとえば・・・東京を舞台にしたやつとか?」
見栄春コハル「なんか大雑把だね?」
見栄春ハルオミ「そ、そんなことないけど?」
見栄春ハルオミ「えぇと・・・」
見栄春ハルオミ「・・・まずその映画、なんと」
見栄春ハルオミ「白黒なんだよ」
見栄春コハル「(・・・巨匠の日本映画、だいたい白黒だと思うけど)」
見栄春ハルオミ「白黒映画ってのは面白いぞ?」
見栄春ハルオミ「女優の化粧が白すぎて、」
見栄春ハルオミ「背景と同化するからな?」
見栄春コハル「(・・・そうなの?!)」
見栄春コハル「(いや、ぜったい嘘でしょ・・?!)」
見栄春ハルキ「グリーンバックの透過みたいだな?」
見栄春コハル「(いや、合成とかでよく見るけど)」
見栄春チハル「へぇー・・・」
見栄春コハル「(お、お姉ちゃんも納得してる・・・!?)」
見栄春コハル「(・・・ほ、本当なのかな?)」
見栄春チハル「白黒映画、なんかオシャレかも・・・」
見栄春ハルミ「チハル、ホントに古いものが好きねぇ」
見栄春チハル「ち、違うし?!」
見栄春チハル「いま、古いのが逆に流行ってるんだから!」
見栄春チハル「そう雑誌にも書いてあったから!!」
見栄春コハル「(それはちょっと違う気がするけど・・・)」
見栄春コハル「(・・・それにしても、なんかパッとしないエピソードばっかりだね?)」
見栄春コハル「・・・ねぇ、お父さん」
見栄春コハル「これ、ホントにすごい映画なの?」
見栄春ハルオミ「?!」
見栄春ハルオミ「す、すごいとも」
見栄春ハルオミ「あれだぞ?」
見栄春ハルオミ「東京湾に・・・」
見栄春ハルオミ「・・・サメとか?」
見栄春コハル「・・・サメ?」
見栄春コハル「(なんかB級ぽくなってきたけど大丈夫かな・・・?)」
見栄春ハルオミ「さ、サメが・・・」
見栄春ハルオミ「・・・」
見栄春コハル「・・・」
見栄春ハルオミ「・・・東京湾から空飛ぶサメが現れて、」
見栄春ハルオミ「○居に巣を作る映画とか、どう?」
見栄春コハル「(・・・いや、んなもん上映できるか!!!)」
見栄春コハル「(『すごい映画』に対する想像力が貧困すぎる・・・!)」
見栄春コハル「(やっぱりお父さん、見栄張ってるなぁ・・・)」
見栄春ハルオミ「・・・で、でもな?」
見栄春ハルオミ「じつはリメイク版のほうが面白いらしいんだ」
見栄春ハルオミ「お父さん、そっちは詳しくないからなぁ・・・」
見栄春ハルオミ「・・・ハルキ、あとは説明頼んだ!」
見栄春コハル「(丸投げした!?)」
見栄春コハル「(大丈夫かな・・・?)」
見栄春コハル「お、お兄ちゃん、みたことあるの?」
見栄春ハルキ「えっ、僕は・・・」
見栄春チハル「ハルキに聞いても無駄っしょ?」
見栄春チハル「だってアニメしか──」
見栄春ハルキ「!!」
見栄春ハルキ「は、はぁ!?」
見栄春ハルキ「見たことあるのだが!?」
見栄春ハルキ「実写映画のほうが詳しいのだが!?」
見栄春ハルキ「コハル!」
見栄春ハルキ「映画のことならば、万事受け付けるぞ?」
見栄春ハルキ「兄の威信にかけて答える準備は整えてある・・・!」
見栄春コハル「そ、そう?」
見栄春チハル「・・・ハルキが映画に詳しいってはじめて聞いたんだけど?」
見栄春チハル「てかしゃべり方どした?」
見栄春ハルミ「かわいい妹の前では見栄を張りたい年頃なのねぇ?」
見栄春コハル「(な、なるほど?)」
見栄春ハルキ「そこ、五月蝿いぞ」
見栄春コハル「(も、文字でしか伝わらないカッコつけだ・・・)」
見栄春コハル「──じ、じゃあ聞いてみるけど」
見栄春コハル「リメイク版って面白いの?」
見栄春ハルキ「え?」
見栄春ハルキ「えーと・・・」
見栄春ハルキ「・・・ぼ、僕はいかんせん、批判的な評判しか耳にしたことがないのだがな?」
見栄春ハルキ「手始めに・・・」
見栄春ハルキ「ドラマCDの時とせい──ではなくて、俳優が交代してやや炎上」
見栄春コハル「(・・・ドラマCD?)」
見栄春ハルキ「次点で、肝心の本編も原作改編のせいで炎上」
見栄春コハル「(いや、たまにあるけど)」
見栄春コハル「(・・・どこかで聞いたことある話だね?)」
見栄春ハルキ「とどめには・・・」
見栄春ハルキ「サメの作画に力を入れすぎて放送延期?」
見栄春コハル「(・・・いや、アニメあるあるじゃん!!)」
見栄春コハル「(お兄ちゃん、アニメの知識だけでそれっぽいこと言って乗りきろうとしてる・・・!)」
見栄春チハル「・・・ねぇハルキ」
見栄春チハル「もっと映画の中身の話してよ?」
見栄春チハル「ストーリーとかさ」
見栄春チハル「コハルもストーリー、聞きたいよね?」
見栄春コハル「え?」
見栄春コハル「そ、そりゃまぁ・・・」
見栄春ハルキ「なっ」
見栄春ハルキ「・・・」
見栄春ハルキ「・・・す、ストーリーもいいけどな?」
見栄春ハルキ「実はこの作品、登場人物のファッションがなかなか評判なのだよ」
見栄春ハルキ「一昔前の服飾が一周まわって今っぽい──とでもいうのかな?」
見栄春ハルキ「そういうの姉ちゃん、詳しいのだろう?」
見栄春ハルキ「僕でも承知している話だから──ね?」
見栄春コハル「(今度はお姉ちゃんにパスした・・・!)」
見栄春コハル「(というか、今の作り話だよね?)」
見栄春チハル「なっ」
見栄春チハル「・・・当たり前じゃん?」
見栄春チハル「知ってるに決まってるっしょ?」
見栄春コハル「(う、受けてたった・・・!)」
見栄春コハル「(さっきから明らかに知らない風だったけど、どうするのかな・・・?)」
見栄春ハルキ「ほう?」
見栄春ハルキ「それでは一体、どういう代物なのだ?」
見栄春ハルキ「一周まわって今っぽいファッションというやつは?」
見栄春チハル「!」
見栄春チハル「え、えーと・・・」
見栄春チハル「・・・そ、そう主人公!」
見栄春チハル「主人公がす、スパンコールのパンタロン履いてんの!」
見栄春コハル「・・・パンタロンってなに?」
見栄春チハル「こ、こんなやつ」
見栄春コハル「うわっ」
見栄春チハル「?!」
見栄春チハル「・・・お、お母さんは!?」
見栄春チハル「この映画、みたことある?!!」
見栄春コハル「(あ、逃げた)」
見栄春ハルミ「えっ」
見栄春ハルミ「ま、まぁ・・・そうねぇ?」
見栄春コハル「(お母さん、元お嬢様なのに無理して庶民に話し合わせることあるけど、大丈夫かな・・・?)」
見栄春ハルミ「・・・晩餐会で主演の女優さんとお会いしたことならあるわよ?」
見栄春コハル「(・・・晩餐会?)」
見栄春ハルミ「あのときはビックリしたわ?」
見栄春ハルミ「だって、お化粧が白すぎて──」
見栄春ハルミ「ホントに背景と同化してたんですもの?」
見栄春コハル「(・・・って、んなわけあるか!!)」
見栄春コハル「(天丼だし!!)」
見栄春コハル「(あと、作り話にしても発想がお嬢様すぎる・・・!)」
見栄春コハル「お、お母さんはもう大丈夫!」
見栄春コハル「ところで、お婆ちゃんだったらリアルタイムでみたことあるんじゃない?!」
見栄春キヨ「ふぁ、呼んだかい?」
見栄春チハル「映画の話だよ、お婆ちゃん」
見栄春キヨ「映画とな...」
見栄春キヨ「・・・ふむ」
見栄春キヨ「婆ちゃんはあの名台詞が好きだねぇ」
見栄春キヨ「そう、まるで歌われるように語られる言葉・・・」
見栄春コハル「(や、やっとまともな話が聞けそう?)」
見栄春キヨ「・・・あれでまたプロップスばち上げじゃろうなぁ」
見栄春コハル「ん?」
見栄春キヨ「婆ちゃん、アレ好きなんじゃよ」
見栄春キヨ「○ートチューン、かかったまましゃべるラッパー」
見栄春コハル「(・・・いや、それラッパーがMCするときのやつ!!)」
見栄春コハル「(ライブの!!)」
見栄春コハル「(曲合間で!!!)」
見栄春コハル「(たしかにオー○チューンかかったまま、イイこと言ったりするけど!!)」
見栄春コハル「(もうめちゃくちゃだよ!!)」
見栄春コハル「(誰が分かるの?!!)」
見栄春コハル「・・・お、お婆ちゃん?」
見栄春コハル「なんの話してるの?」
見栄春キヨ「ふぁ?」
見栄春キヨ「映画って今USで大人気のラッパー、リルトーキョーの伝記映画じゃないのかい?」
見栄春コハル「なんの映画?!」
見栄春コハル「いや、トーキョーだけ合ってるけど!!」
見栄春キヨ「○iktokにあげる動画のこと考えてて、ほとんど話聞いてなかったからのぉ・・・」
見栄春チハル「さすがお婆ちゃん、流行に詳しいなぁ」
見栄春コハル「(いや、流石にハイカラすぎだよね?!)」
見栄春ハルキ「・・・コハル?」
見栄春ハルキ「僕も東京○ュウ○ュウなら博識だぞ?」
見栄春ハルキ「いや、たまたま目にしただけなのだがな?」
見栄春コハル「(こっちはお婆ちゃんと張り合ってる・・・?!)」
見栄春ハルミ「もう、お母様ったら」
見栄春ハルオミ「まったくだなぁ、はははは」
見栄春ハルオミ「はは・・・」
見栄春ハルオミ「──ふぅ」
見栄春ハルオミ「(途中から黙ってたおかげで、なんとか最後まで見栄を張り通せたぞ──)」
見栄春ハルオミ「(──それにしても凄そうな映画だなぁ)」
見栄春ハルオミ「今度、見てみよっと!」
  つづく

コメント

  • 知ったかぶりで説明し始めて後に引けなくなることってあるあるです。コハルが全てお見通しで家族を転がしてて笑えました。家庭内だけの見栄っ張りだったら仲良さげで微笑ましいです。

  • みんな、わからないんだったらわからないとはっきり言ったら楽になるのに可愛いですね😂
    お父さん、父としての威厳を保ちたかったのかなあ?と思いました😁

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