偽りのトリアーダ

草加奈呼

ex.1 テオドールとゴンドル族の闇 1(脚本)

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〇大学
  テオドールの通う大学
アーベル「あ〜、今日も真面目に勉強した〜っ!」
ライナー「どの口が言ってんのwww」
ライナー「ねえ、テオもそう思うでしょ?」
テオドール「そうだね」
アーベル「もう、テオきゅんのいけず!」
テオドール「あはは」
ライナー「テオ、レポートどうする?」
ライナー「図書館とか行ってみる?」
テオドール「ん〜、どうしようかな」
アーベル「レポート? なんの?」
ライナー「俺たち、ゴンドル族の 歴史の講義受けたの」
ライナー「で、レポート提出だって」
アーベル「ゴンドル族か・・・」
アーベル「そういえば、ゴンドル族で思い出したけど」
アーベル「風俗店でゴンドル族を指名できる とこがあるらしくてさ」
ライナー「なにそれ、どこ情報? 確かなの?」
アーベル「センパイに聞いただけだから、 確実ってわけじゃないけど」
アーベル「めちゃくちゃイイらしいぜ?」
ライナー「ふーん・・・」
テオドール「・・・・・・」
テオドール(風俗店に、ゴンドル族がね・・・)
テオドール(父さんが聞いたら、どう思うかな・・・)
「ちょっとお」
エルザ「テオ君に、 変な事吹き込まないでよね!」
ユーリア「そうそう、 テオ君はピュアなんだから」
テオドール「えーっ、そんなことないよ」
テオドール「俺だって男なんだから、 人並みに興味はあるよ」
(えっ、そ、そうなんだ・・・)
アーベル「はいはい」
アーベル「おまえら、ほんっとテオ好きなのな」
ライナー「ま、俺たちもでしょ」
アーベル「まーな♪」
テオドール「えー、嬉しいなぁ」
テオドール「俺、愛されてる〜」
ライナー「で、どうする? レポート」
テオドール「うーん、まだ期日あるし」
テオドール「ちょっと考える」
ライナー「わかった」
ライナー「俺は、おまえみたいに要領よく できないから、早速取りかかるわ」
テオドール「うん、お互いのペースでね」
ライナー「じゃーね」
アーベル「俺も、バイトあるから、行くわ」
テオドール「またねー」
エルザ「テオ君は、これからヒマ?」
テオドール「ん〜、そうだなぁ」
テオドール「たまには、いいかな」
「やったぁ!」

〇店の入口
「ありがとうございましたー」
ユーリア「おいしかったね♪」
エルザ「うん、評判通り♪」
テオドール「こういうトコ、男だけじゃ 入りづらいから」
テオドール「ユーリアとエルザと来れて 良かったよ」
ユーリア「ほんと? 誘った甲斐があったわぁ」
テオドール(いやいや、これ以上好感度上げて どうすんの)
テオドール(でも、本心だしなぁ・・・)
ユーリア「あっ、やば!」
ユーリア「今日、早く帰って来いって 言われてたんだった!」
ユーリア「ごめーん! 先に帰るね!」
エルザ「ユーリア、また明日!」
「バイバーイ!」

〇西洋風の駅前広場
テオドール「じゃあ、ここで」
エルザ「あ、あの、テオ君!」
テオドール「ん?」
エルザ「あたしと・・・ つきあってください・・・」
テオドール「ふふ」
テオドール「ストレートに来たね」
エルザ「・・・」
テオドール「いいの? 抜け駆けじゃないかな?」
エルザ「そ、それは・・・」
テオドール(あーあ)
テオドール(いつもこうなるんだよね・・・)
テオドール(めんど・・・)
テオドール「エルザ」
エルザ「は、はい」
テオドール「ごめんね」
エルザ「ええと」
エルザ「あたしが、抜け駆けしちゃったから?」
テオドール「違うよ。 最初から答えは決まってたんだ」
テオドール「俺はね、ずっと好きな人がいるの」
エルザ「そ、そうなんだ・・・」
エルザ(うらやましい・・・ 誰だろう・・・?)
テオドール「でも、エルザとユーリアは、」
テオドール「友だちでは、いちばんだよ」
エルザ「そ、そういうトコだぞ、テオ君!」
テオドール「あはは」

〇簡素な一人部屋
  その夜──
テオドール「さて・・・」
テオドール「もしもし、アーベル?」
アーベル「おお、どうした、テオ?」
テオドール「さっき言ってた風俗店の名前、 教えてくれない?」
アーベル「えっ?」
アーベル「おまえが?」
アーベル「実は、好きだったり?」
テオドール「違うよー、興味はあるけど」
テオドール「ほら、さっき言ってたレポート」
テオドール「実際の声を聞きたくて」
アーベル「またまたぁ、そんなこと言っちゃって」
テオドール「教えてくれるの? くれないの?」
アーベル「お、おう 教えるけど」
アーベル「でも、確証はナシだぜ?」
テオドール「いいよ、その時はその時」
テオドール「噂になるっていうだけで 充分怪しいんだから」
アーベル「じゃあ、メッセージで住所送るわ」
テオドール「ううん、このまま口頭で」
テオドール(バカなの? 証拠残っちゃうじゃん・・・)
アーベル「じゃあ、○○通りの──」

〇クラブ
テオドール「ここかぁ・・・」
支配人「いらっしゃいませ、お客様、 初めてでございますか?」
テオドール「うん、そうだけど」
支配人「ありがとうございます。 ささ、こちらへ・・・」

〇暗い廊下
支配人「こちらから お好みの子をお選びください」
テオドール「ふーん・・・」
テオドール「ねえ」
テオドール「ゴンドル族はいないの?」
支配人「お、お客様、 なんの話でございましょう?」
テオドール「ここに、ゴンドル族の女の子が いるって聞いたんだよねー」
支配人「お客様、困ります・・・!」
支配人「その話でしたら、どうぞこちらへ」

〇ホストクラブのVIPルーム
支配人「お客様・・・ どなたかのご紹介で?」
支配人「まさか、マスコミ関係の方・・・!」
テオドール(この反応・・・)
テオドール(無許可、かもしれないな・・・)
テオドール「どっちでもないけど、」
テオドール「ちょっと、風の噂で聞いてね」
支配人「申し訳ございません」
支配人「ゴンドル族は、一般の方には 紹介できないんですよ」
テオドール「なんで?」
支配人「なんで、と申されましても・・・」
テオドール「ね〜、 いろいろとバレたら困るんじゃないの?」
支配人「お、脅しには屈しませんぞ!」
テオドール「もしかして、VIPならいける?」
テオドール「これで、VIPになれる?」
支配人「え・・・」
支配人「中を、検めさせていただきます」
支配人(こ、こいつは すごい太客になりそうだ・・・!)
支配人「失礼しました、お客様」
支配人「では、こちらをご覧ください」

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コメント

  • テオ主人公の番外編!
    人気ありましたもんね〜。需要をなこさんが、よく分かってらっしゃる!
    ラストの『どうしてやろうかな』が怖いけどそそられますね👍

  • テオのおこした一連の行為を知ってるので、このまますんなり歴史を知るだけで終わりそうもないですよね😅これは気になるー、続きをみなければ!

  • テオの表の顔が逆に違和感w
    歪んだところを見せられたら安心するような、おかしな気分です😅
    パウラ……怖い目にあわずに終わりそうにないけど😂あまりひどい目にあいませんように~!

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