#2 マスカレイド(脚本)
〇シンプルな一人暮らしの部屋
街田シノグ「オハー!頼まれていた 『ヒビカシ』3人の資料よ」
街田シノグ「あと、」
街田シノグ「剛力キョウカの炎上ツイートとブログも見つけたわよ!」
舘マモル「さすが、元サイバー犯罪対策課の情報係ね。仕事が早い♪」
舘マモル「キョウカは一体、どんな問題発言で炎上したのかしら」
舘マモル「ユーザーネーム『ヒビキは天使』 コレがキョウカね」
舘マモル「『ヒビキが匂わせ投稿しているなんて嘘ばっかり!』」
舘マモル「『アンチはこのスレに来ないで』」
舘マモル「どういうこと?」
舘マモル「剛力キョウカはヒビキの匂わせをするアンチの発言を批判したのに」
舘マモル「同じヒビキ担から執拗に責められている!?」
街田シノグ「私も違和感を感じたわ」
街田シノグ「剛力キョウカの批判が、逆に『アンチの発言を煽っている』と発信されたようね」
舘マモル「好きなアイドルのスキャンダルに、反論しているようにしか見えないけど」
街田シノグ「炎上の発端になった批判ツイートは、今回のイベントに参加する3人よ」
舘マモル「本当だ。この3人が反応した後に、同じような投稿が増えている」
街田シノグ「3人ともフォロワー2万人以上の人気ユーザーだから、影響力がハンパないのね」
街田シノグ「拡散 ↓ 個人情報特定班 ↓ 黒歴史を晒される」
街田シノグ「会社や自宅に凸撃するという脅しをする『ヒビカシ』も居たみたい」
舘マモル「3人と被害者はネット以外の交流や接点は無いの?」
街田シノグ「今のところは確認出来ないわ」
舘マモル「こんな理由で殺人をする?」
舘マモル「何か引っかかるわね」
街田シノグ「殺人動機は人それぞれだからね」
街田シノグ「自分の敷地に石が入っただけで、人を殴り殺す奴も居るじゃない」
街田シノグ「ブログも見る?」
舘マモル「もちろん」
舘マモル「シンプルなブログね」
舘マモル「ヒビキに沼った2020年から始まり、殺人事件の前の日まで更新されていて、」
舘マモル「たまに私生活について書いている」
舘マモル「叔父さんだと思っていた人間が、 実は本当の父親だった!?」
舘マモル「ドラマね〜!」
街田シノグ「SNSが炎上した後は、更新頻度が極端に少ないの」
街田シノグ「そして、事件の前の日のブログが謎なのよ〜!」
舘マモル「ウッ・・・!」
わたしが羊飼いを打つ。
すると羊の群れは散り散りになる。
街田シノグ「──で、」
街田シノグ「・・・マモル聞いてる?」
舘マモル「あ・・・ゴメン。 続けて」
街田シノグ「コレはマタイ福音書の引用ね」
街田シノグ「キリストは自身を弟子が裏切るという予言をした時に使ったわね」
舘マモル「同じ人のブログとは思えないわ」
舘マモル「この日に、何かがあったのね」
街田シノグ「この件については、私がもう少し調べておくわ」
街田シノグ「それより今日から『タタンガリ』のファンイベントだってこと」
街田シノグ「忘れたワケじゃないわよね〜!?」
舘マモル「準備なら出来ているわ」
街田シノグ「どこが?何よその格好は」
舘マモル「スーツとコレ以外、持っていないもの」
街田シノグ「コレだから非リアオンナって嫌ね〜!」
舘マモル「帰れ!」
街田シノグ「そんなことだろうと思って」
舘マモル「素敵!」
舘マモル「わざわざ買ってきてくれたの!?」
街田シノグ「んなワケないじゃない」
街田シノグ「リカの服よ」
舘マモル「双子のお姉さんが居るんだっけ」
街田シノグ「デザインが素敵だから貰ったんだけど」
街田シノグ「私が着るには小さいから、アンタにあげるわ」
舘マモル「今着てもイイ?」
街田シノグ「エ!ココで!?」
街田シノグ「ヤダヤダ。アンタの貧相なカラダ見せられる方の身にもなりなさいよ」
街田シノグ「軽くセクハラね!」
街田シノグ「・・・!!」
街田シノグ「ブラパッドの厚盛確認。 悪質詐欺行為で逮捕するわよ!」
舘マモル「だ・ま・れ!!」
〇車内
舘マモル「カボ・カボ・カボチャ、カボチャの馬車〜♪私をどこに連れて行く〜♪」
街田シノグ「ちょっと、自分がお姫様にでもなったつもり!?」
街田シノグ「今回はそ・う・さ!」
街田シノグ「アタシも仕事が済んだら応援に行くけど」
街田シノグ「『ヒビカシ』たちから、ヒビキを守ってチョーダイよ!」
舘マモル「ちょっと待って。 ヒビキが犯人の可能性もあるのよ!?」
街田シノグ「ヒビキに狙われたいなんて・・・ イヤらしい!!」
舘マモル「話にならないわね」
〇開けた高速道路
「随分、遠くまで走るのね」
〇岩山
「ちょ、待って 登山イベントじゃないわよね!?」
〇大きい研究所
舘マモル「ココがイベント会場!? 本当に合ってる??」
舘マモル「私のお城は?舞踏会は!?」
街田シノグ「場所は間違いないわ。 とにかくヒビキを頼んだわよ!」
舘マモル「何もない山奥に、 ポツンと研究施設が!?」
舘マモル「まさか、こんな場所でアイドルのファンイベントをするなんて!?」
???「あら、響スイのイベントですもの。 当然のチョイスですわよ?」
西園寺タイコ「今回のイベントは、生ヒビキと交流が出来る初の試みですもの」
西園寺タイコ「そう易々と一般ファンが来れる場所なら、大騒ぎになるじゃないの」
舘マモル(このコたちが『ヒビカシ』であり、 事件の重要参考人ね)
舘マモル(財閥のお嬢様、西園寺タイコ)
舘マモル(医療法人グループの理事の娘、伊集院コマチ)
舘マモル(前総理大臣の孫娘、財前クレオ)
舘マモル(全員、推しのためならお金は惜しまないタイプのように見えるけど)
舘マモル(殺人までするようには見えないわ)
西園寺タイコ「アナタ、今回はラッキーでしたわね!」
西園寺タイコ「抽選って、たまに人生の歯車を狂わせるのよねえ」
舘マモル(ッと、)
舘マモル(アタシはヒビキのファンとして参加するんだった!)
舘マモル「私はヒビキに沼ったばかりの新規なんです!」
舘マモル「先輩たちに色々教えて頂けたら助かります〜!」
西園寺タイコ「ふふっ、ワタクシたちはヒーちゃんのFC番号一桁だけど、」
西園寺タイコ「VR以外で実物に会うのは初めてなの!」
西園寺タイコ「同担同士、仲良くしましょうね」
伊集院コマチ「私たちは選ばれし者ですから!」
財前クレオ「10分前ね。そろそろナナコさんが来ると思いますわ」
菜七子(ナナコ)「皆さんお揃いのようですね」
菜七子(ナナコ)「それでは今回の『他担狩り』100万DL達成記念イベント」
菜七子(ナナコ)「『VRが現実に!?推しとお泊りしちゃえ☆大作戦!』について説明します」
菜七子(ナナコ)「1日目の今日は、ファンミーティングやハプニングイベントを予定しています」
菜七子(ナナコ)「夕食後は各々の部屋でマンツーマンの時間を設けていますので、お楽しみに!」
菜七子(ナナコ)「なお、このイベントは一般には公開をしませんが、」
菜七子(ナナコ)「記録のための録画はさせて頂きます」
西園寺タイコ「カメラマンが撮影を?」
菜七子(ナナコ)「いえ、Aiによる動体検知・自動追跡装置が搭載された監視カメラを配置しています」
菜七子(ナナコ)「主に、大広間と舞踏会場、食堂を撮影する予定です」
菜七子(ナナコ)「推しとの、夢の時間を楽しんでもらうために」
菜七子(ナナコ)「私たち以外の身の回りの世話をするスタッフは、メイド1人です」
菜七子(ナナコ)「あと、建物内と中庭は移動が自由ですが」
菜七子(ナナコ)「大自然に囲まれた山の中なので、なるべく外出は控えて下さい」
舘マモル(じゃあ、宿泊客はファン4人とヒビキとマネージャー)
舘マモル(後はメイドの7人ということね)
菜七子(ナナコ)「ご清聴ありがとうございます」
菜七子(ナナコ)「それでは今から一週間後の昼まで、 推しとの尊い時間をお過ごし下さいね♡」
〇赤(ライト)
響スイ「やっと会えたね仔猫ちゃん♪」
響スイ「今夜は」
響スイ「帰さない」
〇赤(ライト)
西園寺タイコ「尊死でゴザイマスゥー!!」
舘マモル(皆殺しビームが発動!!)
舘マモル(私も尊死しそう・・・!?)
〇研究所の中枢
菜七子(ナナコ)「それでは、ヒビキに館内をエスコートしてもらいます」
菜七子(ナナコ)「最初にゴーグルを装着してください」
舘マモル「現実世界でヒビキに会えるのに、わざわざVRの世界に行くの?」
菜七子(ナナコ)「コレはただのVR装置ではありません」
菜七子(ナナコ)「VRのさらに上を行く、PVR(パーフェクト・バーチャル・リアリティ)!」
菜七子(ナナコ)「VRの世界と建物の構造を一致の上で、生体認証システムも採用」
菜七子(ナナコ)「現実世界以上にレベルアップされた空間に、生のヒビキが降臨します!」
菜七子(ナナコ)「中世のお城の舞踏会で、ドレスアップしてダンスを踊るも良し」
菜七子(ナナコ)「オーケストラをバックに愛を睦み合うも良し」
菜七子(ナナコ)「実は、この生配信PVRシステムの特許を申請中でして、」
菜七子(ナナコ)「今回のイベントを通して、いち早くユーザー様にモニター体験してもらい」
菜七子(ナナコ)「直接、評価をしていただくのも、 私たちの狙いの1つなんです!」
響スイ「先ずは皆をお城の舞踏会に招待させてもらうね」
響スイ「お姫様たち、 シャル・ウィ・ダンス?」
〇西洋の城
舘マモル「一瞬で目の前にお城が!」
舘マモル「研究施設みたいな外観はどこに行ったのよ!?」
〇洋館の玄関ホール
舘マモル「ウワァ!」
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メイドが登場〜!
……と思ったらヒビキでしたか😅
マモルを庇ってケガをしたから、PVRでメイドを操作しているのかもですね🤔
スチルが豊富で凝ってて、特に顔がグニャって手形がついたホラーなスチルが凄く印象的でした😱キャー
山の中の特別イベント!
まさに犯人がこの中にいそうですね!
いやいるんですよね!(((o(*゚▽゚*)o)))
メイドさんがヒビキだとすると最初七人と言っていたのが六人になるんでしょうか?
まだまだ謎ですね。
VRを外してもVRが持続する?となると簡単に犯人が隠せてしまいますね。見抜くのが難しそう。ゲームならマモルのバッドエンドが透けて見えるようです。
メイド姿は響のVR補助?それとも変装?
本当のメイドさんは本当にいる??
まだまだヒントが足りませんね。
推しにときめいてるキャラ達のリアクションが面白くて、作者自信もそうなるのかなと勝手に妄想していました。