他担狩り〜タタンガリ

ゆきんこ

#1 他担狩り(脚本)

他担狩り〜タタンガリ

ゆきんこ

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〇氷
響スイ「寒い?」
響スイ「もっとそばに、おいで」
響スイ「俺の愛で暖めてあげる」
  響スイの愛で癒やされよう!
  VRゲームアプリ『他担狩り』
  まずは響スイに狩られてみない?
  その他人気アイドル・声優も続々登録中!!

〇SNSの画面
  0001 ヒーちゃん担
  タタンガリ3日で100万DLおめでとう♪
  0006 初めてアイドルにハマった者
  あのCMの色気ヤバー!
  0008 ヒビキは天使
  ヒビキの底なし沼にようこそ!!
  0007 名無し
  ちょ・・・待っ!?
  悲報!
  響スイの匂わせ彼女発覚!?
  比較写真貼ったから見て!
  00017 ヒビキ愛
  うっわ。こんなんまっクロじゃん。
  00107 ラーメン食べたい
  あざと匂わせキツイな〜。
  みんな息してる? 私は脂肪。
  00367 ヒビキは天使
  このスレはヒビキ担だけだよ!
  捏造乙! どうせアンチでしょ!?
  00500 ヒビキは天使 
  アンチは出て行け! てゆうかタヒネ!!!!
剛力キョウカ「またウソウソウソウソ 嘘ばっかり言いやがって!!」
剛力キョウカ「もう許せないッ!!!!」
「みんなぶっ壊してやる!!!!」

〇繁華な通り
舘マモル「ッハア〜・・・死ぬ死ぬ死んじゃう!?」
舘マモル「これから先の人生、どうしよ」
街田シノグ「らしくないわね」
舘マモル「私、今何か喋っていた?」
街田シノグ「『死ぬ死ぬ死んじゃう!?』」
舘マモル「マネされるのムカつく」
街田シノグ「まさか推し活しすぎて、生活費がどん底で消費者金融の利息すら返せないとか?」
舘マモル「それならまだ良いわ!」
街田シノグ「良くないわよ! アンタは刑事!!」
舘マモル「南スポの記事、見た?」
舘マモル「私の推し・ラヨンちゃんに、 隠し子が発覚したのよ!?」
舘マモル「しかも9人!」
街田シノグ「野球チームが出来るわね」
舘マモル「こんな裏切りないわよ〜!!」
街田シノグ「スマホ貸して」
街田シノグ「画面ロックくらいしなさいよ、って」
街田シノグ「インストール完了♪」
舘マモル「は? 信じられない! 人のスマホに勝手にアプリ入れたの〜!?」
街田シノグ「ペットロスの人にはペット」
街田シノグ「アイドルロスにはアイドルでしょ!」
舘マモル「『タタンガリ?』」
街田シノグ「このダウンロードしたアプリを開いて」
街田シノグ「VRゴーグルと連携すれば、好きなアイドルとデートができるという夢の代物よ」
街田シノグ「推しとの関係を築くも良し、育成ゲームで課金して理想の推しを作るも良し」
街田シノグ「新人アイドルの発掘にも便利なの!」
街田シノグ「私のオススメは 看板アイドル『響スイ』」
街田シノグ「他に推しが居ても担当を変えたくなるくらい、あざと可愛くて」
街田シノグ「ファンに付けられたアダ名が 『他担狩りのヒビキ』」
街田シノグ「1000年に1人のスーパーアイドルよ!」
舘マモル「シノグって相方居たよね?」
街田シノグ「ゲームで楽しむのは自由よ!」
舘マモル(単に布教活動のようだけど、シノグなりにアタシを元気づけたいみたいね)
舘マモル「まあ、消さないでおくか」

〇シンプルな一人暮らしの部屋
舘マモル「さーて 今更ラヨンのPV見てもストレス溜まるし」
舘マモル「シノグの推しでも見てみるか」
舘マモル「アプリを起ち上げてゴーグルを装備したら良いのね?」
舘マモル「オオッ、隣に居るみたい!」
舘マモル「まさに国民的彼氏だわ!」
舘マモル「え、イヤ、そんな・・・」
舘マモル「ちょ、待って!!」
舘マモル「ムリムリムリ!」
舘マモル「おっ、恐るべし他担狩り!」
舘マモル「危うく唇を奪われそうになったわ!」
舘マモル「け、けしからんわ アプリの分際で!!」
舘マモル「────」
舘マモル「も、もう一度、違うルートで試そうかな?」

〇デザイナーズマンション
「ムリムリムリ! やっぱ無理ィー!!」

〇keep out
舘マモル「また同じ手口だわ」
舘マモル「先月の剛力キョウカ絞殺事件を皮切りに」
舘マモル「その現場を模倣したような殺人未遂事件が相次いでいる」
舘マモル「ここ1ヶ月で3件は異常ね」
舘マモル「被害者は20代から30代の女性」
舘マモル「背後からロープで首を締められ」
舘マモル「失神した被害者の横には、画面が割られたスマホとハイヒールの足跡がある」
舘マモル「剛力キョウカと3人の共通点は唯一つ」
舘マモル「男性アイドル『響スイ』のFC会員だったということ」
舘マモル「こうなったら」
舘マモル「響スイにも事情聴取するわよ!」

〇ライブハウスの控室
菜七子(ナナコ)「これ誰の?」
響スイ「オレのだよ!」
菜七子(ナナコ)「だらしないなあ! この前も楽屋に靴下が落ちていたのを拾ったのよ?」
菜七子(ナナコ)「しかも片方!」
響スイ「いつもゴメンね♥」
菜七子「って、言ってる口の端から、 何か溢れていますけど!?」
響スイ「ツッコミ、ナイスゥー♪」
響スイ「・・・ナナコさんってさあ、 前から思っていたんだけど」
響スイ「告白しても良い?」
菜七子(ナナコ)「な、何よ」
響スイ「コバンザメみたいだね♥」
響スイ「もしくはロボット掃除機?」
菜七子(ナナコ)「その例えはどうよ!」
菜七子(ナナコ)「キミはウチの事務所はおろか、 次世代アイドルのホープなんだけどね!」
菜七子(ナナコ)「特に『タタンガリ』のファンイベントは」
菜七子(ナナコ)「招待したファン4人とハプニング前提の1週間を過ごすという内容なんだから、」
菜七子(ナナコ)「ブランドは損なわないようにしてね!」
響スイ「ブランドね・・・」
菜七子(ナナコ)「突然何なんですか、アナタたち!? アポは事務所に取っているの??」
舘マモル「令状ならあります」
舘マモル「響スイさん、警察庁までご同行願います」
響スイ「オレ!?」

〇警察署の入口

〇綺麗な会議室
響スイ「ココに呼ばれたということは」
響スイ「オレが事件の被疑者ってコト〜?」
響スイ「オカシクない? 普通、自分のファンのコ殺すかな!?」
響スイ「俺、サイコパスじゃん!」
舘マモル(頭悪そうな喋り方ね・・・ アプリと全然違うじゃない!)
舘マモル「そうだと助かります」
舘マモル「ただ、犯人に繋がる点は全て回収しなければ、線として繋がらないのです」
舘マモル「先程協力していただいた、指紋とDNA検査は問題ありませんでした」
舘マモル「あとは犯行時刻のアリバイですが──」
舘マモル「こちらもマネージャーさんに証明されています」
響スイ「だよね。 じゃあ、あとは何を聞きたいの?」
舘マモル「剛力キョウカの殺人事件及びそれを模倣したと見られる3件の殺人未遂事件」
舘マモル「これらの被害者の共通点は、アナタのFC会員だということです」
舘マモル「ご自分に関わる事件をどう思っていますか?」
響スイ「やっぱり許せないし腹が立ちますね」
舘マモル「犯人はどのような人物だと思いますか?」
響スイ「オレの『ヒビカシ』たちを恨むのって」
響スイ「やっぱりオンナなんじゃないかな?」

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コメント

  • リアルでありそうでない設定と、イラストのあざとさを上手く活かしており、驚きました😳

    アイドルの世界は詳しくないので、担変があるのですね:( ;´꒳`;) まさか、それをキャラの魅力にいかすとは恐れ入りました(*・ω・)*_ _)ペコリ

    ミステリーとリアリティがいい感じで、実写ドラマ化したら面白そうだと思いました!

  • 立ち絵と物語が運命的な出逢い✨素敵です😊
    素敵なご縁で始まった物語…これから狩られるのは誰か!?
    果たして犯人は誰なのか…。ドキドキの進行にワクワクでした😄

  • 見た目も私服もクールですが、コロッとアイドルに落ちてしまいそうになるマモルさんが可愛かったです。笑
    何らかの事情を知ってそうなスイは、徐々に異常な感じが出てきて、最後の引きもインパクト大でした!
    今の時点ではオネエ刑事もマネージャーも怪しく見えてしまう…色々推理しながら楽しませてもらいます^^

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