エピソード9 計画(脚本)
〇豪華なリビングダイニング
リア(出入口もスマホも、テオのそばに・・・)
リア(どうしたら、逃げられる・・・?)
テオドール「姉さん、どうしたの?」
リア「テオ・・・」
リア「ごめんなさい、今日はこのまま帰って」
テオドール「姉さん、どうして?」
テオドール「俺が、警察に追われてるから──?」
リア「・・・・・・」
テオドール(ああ・・・)
テオドール(もう、面倒だな・・・)
テオドール(このまま強引に──)
テオは、いきなり入ってきた男に
取り押さえられた。
私服警官「警察です! 動かないでください!」
テオドール「くっ・・・!!」
私服警官「被疑者、確保しました!」
リア「えっ? ・・・えっ?」
テオドール「なんで・・・こんな早く・・・っ!」
テオドール(まさか、罠──!?)
テオドール(そんな、だって姉さんは何も・・・)
テオドール(まさか──)
姉さんには、
“何も知らされていなかった”!?
〇綺麗な一戸建て
ディルク(警察官)「よし、そのまま連行しろ。 被害者へのケアも忘れるな」
「了解です」
ディルク(警察官)「チッ・・・ 本当に現れるとはな・・・」
〇豪華なリビングダイニング
私服警官「ご協力、感謝いたします!」
リア「えっ? 協力・・・? えっ?」
私服警官「詳しい話は、先生方に聞いてください。 では・・・」
リア「ま、待ってください!」
リア「テオは、どうなるんですか!?」
私服警官「とりあえずは留置所へ行きます。その後は、 事件を詳しく調べてからとなります」
私服警官「まあ、彼の場合はおそらく すぐに拘置所になると思いますが・・・」
私服警官「では、我々はこれで」
リア「・・・テオ!」
テオドール「姉さん・・・」
テオドール「ばいばい・・・」
リア「・・・・・・」
リア(これで・・・ 良かったのよね・・・?)
リア(テオはきっと、 改心してくれるのよね・・・?)
私服警官「リアさん、大丈夫ですか? 何もされていませんか!?」
リア「は、はい・・・ 特に、何も・・・」
私服警官「お家の人が帰って来られるまで、 待機していてくださいね。 我々は、現場検証させていただきます」
リア「・・・・・・」
〇シックな玄関
女性「リ、リアちゃん・・・・・・」
リア「おばあちゃん!」
女性「ああ、良かった! 急に警察の車がたくさん来たものだから!」
女性「リアちゃんが無事で良かった・・・! どうしたの? 泥棒でも入ったの?」
リア「・・・・・・」
リア「ええ、そんなところ」
女性「お茶どころではなくなってしまったわね」
女性「でも、お菓子は置いていくわ。 落ち着いたら、食べてね」
リア「ありがとう、おばあちゃん・・・」
女性「リアちゃん・・・どうしたの? 怖かったのね・・・。よしよし」
「リア!」
アルフレッド「リア! 無事か!?」
リア「お兄様!」
女性「まあ、お兄さん?」
女性「リアちゃん、 お兄さんが来てくれて良かったわね」
女性「じゃあ、私は帰りますね」
アルフレッド「すみません、ありがとうございました」
アルフレッド「リア・・・ 何もされてないか?」
リア「お兄様・・・」
リア「テオが、連れて行かれて・・・」
アルフレッド「・・・! こんな時にまで、テオの心配をするな!」
リア「だって・・・急にですよ? サイレンも何も なく、急に警察の方が入ってきて・・・」
アルフレッド「テオは、 逮捕されて当然の事をしてしまったんだ」
アルフレッド「警察も手を焼いていたから、 秘密裏に動いていた」
アルフレッド「おまえが無事で、本当に良かった・・・」
〇豪華なリビングダイニング
私服警官「お兄さんですね。 ご連絡、ありがとうございました!」
リア「連絡・・・? お兄様が警察を呼んだの・・・?」
リア「一体、いつ・・・?」
アルフレッド「リア、実は・・・」
???「リアさん!!」
リア「先生、お父様!?」
ポポロム「ああ、良かった無事で・・・!」
ポポロムは、リアを抱きしめた。
リア「あ、あの、先生・・・?」
カルステン「ん、んー! ポポロム、ポポロム。 アルフ君の前だぞ」
ポポロム「ああっ、す、すみません! 心配のあまり・・・!」
アルフレッド「いえ・・・。 カルステンさん、ありがとうございました」
カルステン「いやいや。 こうもうまくいくとは思ってなかった」
〇豪華なリビングダイニング
訪問初日
カルステン「何かあったら力になるから、連絡を──」
アルフレッド「これは?」
カルステン「盗聴受信器と──」
カルステン「管轄の警察官に直接連絡が行く端末だ。 ボタンひとつで繋がる」
カルステン「通常の緊急通報よりも、ずっと早く担当に 繋がるから、素早く動ける」
アルフレッド「これを、どうすれば・・・?」
カルステン「アルフ君。 俺はな、テオ君に罠を仕掛けようと思う」
アルフレッド「罠を・・・?」
カルステン「これは、俺とポポロムの向こう半年間の スケジュールだ」
カルステン「これを見て、 『君がテオ君ならいつリアちゃんを狙う』?」
アルフレッド「テオは、この場所を知らないのでは・・・?」
カルステン「テオ君は、 俺から見ても非常に頭のキレる子だ」
カルステン「いつか、ここに辿り着くかもしれないという 最悪のパターンも読んでおきたい」
アルフレッド「そうですね・・・」
アルフレッド「この、学会の日は、2人とも留守に・・・?」
カルステン「そうだ」
アルフレッド「ならば、この学会の日ですね」
カルステン「俺とポポロムも同意見だ」
カルステン「警察は、すぐに動けるように俺から 話をつけてある」
アルフレッド「カルステンさん・・・ あなたは一体・・・?」
カルステン「なに、ちょっと警察にツテのある、 元精神科医だよ」
〇警察署の医務室
さらに数日前──
ディルク(警察官)「ああ!? 犯人逮捕に協力するから、端末を貸せだぁ!?」
ディルク(警察官)「カール、おまえ警察舐めてんのか!?」
カルステン「ああ、舐めてる。一体、犯人捕まえるのに どれだけかかってるんだ?」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
全ては計算されていた。イケオジ恐るべし…。
テオドールが捕まって、やっと落ち着いて色々整理していく…?
良かったー、おじさんと先生が迂闊なわけじゃなくて、罠だったんですね😂
お兄ちゃんの髪色が違うの、黒背景だと埋もれてしまうから見やすくするための演出かと思ってましたw
囮でしたか……カールおじさん、食えない人ですね。強し。
ちょっとリアちゃん可哀想でした😢
ですが、テオ捕まって良かったです👍
隣のおばあちゃんが優しくて癒しでした(笑)