タワーディフェンス・レーヴァテイン dominate_ep8

R・グループ

第6話 二律背反の戦争と平和(アンチノミー・ウォーアンドピース)(脚本)

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〇海辺
「ヤッホー!! 海だわー!!」
  7月下旬、豊原高校は夏休みに入った。
  南樺太にある亜庭(あにわ)湾は、オホーツク海に接しており海水が非常に冷たい。
  しかし夏のわずかな間だけ泳げる為、多くの若者がビーチに集まっていた。
浅利朱莉「せっかく夏休みなのに正吾くんたちはシオンベースで訓練みたいねー」
岩城榛名「女の子ばっかりだし鼻の下を伸ばしているんじゃないでしょうか」
筑波神楽耶「・・・もう、月島くんのことはいいわ」
浅利朱莉「会長、どうしたの?」
筑波神楽耶「回りばっかり気にしちゃダメ」
筑波神楽耶「もう私は男として生きていかなくちゃならないんだし・・・」
「・・・」
筑波神楽耶「さぁ身体を鍛えるわよ!! 男になった以上、男の美しさを手にいれてやるんだから!!」
浅利朱莉「私も肌荒れや日焼けを気にするのやめたわ」
岩城榛名「私はまずは痩せないと・・・」
筑波神楽耶「月島くん・・・」

〇宿舎の部屋
  パッパラッパラッパラッパパッパラッパラッパラー
美唄龍馬「起床!!」
「バッ!!」
「バッ!!」
「バッ」
伊吹瑞季「月島少尉! 布団の畳み方が甘い!!」
月島海斗「はい!!」
出雲翔太「九鬼曹長! 行動が遅いぞ!! みんなに合わせろ!!」
九鬼雄太「は、はぁい!!」
出雲翔太「返事は"はい"だっ!」
九鬼雄太「は、はいっ!!」

〇近未来の通路
ルスラン・コンドラチェンコ「整列!!」
ルスラン・コンドラチェンコ「アリーマン攻略航宙戦隊、総員192名 第1小隊総員12名、事故無し」
ルスラン・コンドラチェンコ「番号!!」
シオンベースのクルー「1」
シオンベースのクルー「2」
シオンベースのクルー「3」
シオンベースのクルー「4」
シオンベースのクルー「5」
シオンベースのクルー「6」
シオンベースのクルー「7」
シオンベースのクルー「8」
シオンベースのクルー「9」
シオンベースのクルー「10」
アルベルト・カザン「満!!」
ルスラン・コンドラチェンコ「異常なし!」
李小龍「第2小隊総員12名、事故無し 番号!」
  各小隊順に点呼が続けられていく
美唄龍馬「第13小隊総員12名、事故無し 番号!」
出雲翔太「1」
伊吹瑞季「2」
カイト・カザン「3」
ヴィクトル・ヴェネディクト「4」
ハインツ・マトロソヴァ「5」
北三条英雄「6」
銭函信二「7」
大麻慎太郎「8」
月島海斗「9」
善通寺正吾「10」
九鬼雄太「ま、まま・・・ (噛)」
ルスラン・コンドラチェンコ「全員その場に腕立て伏せの姿勢を取れ!!」
九鬼雄太(あわわわわわ またボクのせいで・・・)
ルスラン・コンドラチェンコ「全員腕立て20回 用意!!」
ルスラン・コンドラチェンコ「始めっ!!」

〇警察署の食堂
月島海斗「やっと朝食だ・・・」
善通寺正吾「チューブの宇宙食だけ・・・こりゃきついな・・・」
九鬼雄太「うう・・・ボクのせいで2回も腕立て伏せに・・・」
善通寺正吾「しっかし、αラグナ族でも腕立て伏せは超キチーな!!」
月島海斗「αラグナは強力な"VAF"を持つけど、腕立て伏せを楽にするような特殊能力は無いね」
月島海斗「むしろ、おっぱいの大きい女の子の身体だから、男より何倍もキツイかと・・・」
善通寺正吾「宇宙船で戦う俺たちに腕力なんて意味あんのかよ・・・」
月島海斗「懲罰的なものだと思うよ」
月島海斗「男の世界は連帯責任 軍隊ってどこの国もこういうものだし・・・」
月島海斗「マキャベリという思想家が最初の訓練に整列を挙げているんだ」
月島海斗「俺たちと同じ高校生の軍学校もあって、やっぱり同じことをしている」
月島海斗「高校軍学校は3年、俺たちはたった2週間、頑張ろうよ」
九鬼雄太「うう・・・2日で辛いよぅ・・・ 脱柵したくなってきた・・・」
北三条英雄「九鬼曹長、不穏当な発言するんじゃねーぞ。 戦場でもそうだ」
北三条英雄「逃げたいなんて放言を許してたら規律が維持できなくなっちまう」
九鬼雄太「わ、わかったよぅ・・・」
北三条英雄「返事は?」
九鬼雄太「はい・・・」
月島海斗「世界大戦時代まで男は全員徴兵されていた」
月島海斗「昔の男は全員やっていたんだよなぁ・・・」
北三条英雄「ほら、さっさと食え! 遅れるとまた腕立て伏せだぞ」
月島海斗「はいっ!!」

〇VR施設のロビー
李維新「呀!!」
李維新「哈!!」
月島海斗「いたた・・・」
月島海斗「維新の動きに全然ついていけない・・・」
李維新「俺は幼少の時から鍛錬しているからなぁ・・・」
李維新「海斗、慣れないうちは正拳より掌底で顔面を狙うんだ」
李維新「素人相手に戦うなら狙いやすくて有効な戦法だよ」
月島海斗「どうして?」
李維新「格闘技の初心者は顔面に攻撃を受けると目を瞑ってしまうんだ」
李維新「達人はそうはならない」
月島海斗「な、なるほど・・・」
李維新「そして怯ませたところを急所に一撃。これが基本だ」
月島海斗「うーん、格闘技では維新に勝てそうもないなぁ・・・」
李維新「でも、これが宇宙戦争に役にたつとは思えない。戦いの心得的な修行だよ」
月島海斗「ここは軍隊だし、共同生活訓練自体がそういう目的だから当然じゃないかな・・・」
月島海斗「よし維新、もっと教えてくれ!」
李維新「いいぜ! 格闘術訓練の時間はたっぷり付き合ってやる!」
北三条英雄「アイドル腕ひしぎ逆十字固めを受けてみよ!」
九鬼雄太「いたた・・・ギブギブ!」
北三条英雄「追撃のもみもみ」
九鬼雄太「あああっ!」
善通寺正吾「あ、あっちはセクハラ柔道技がさく裂している・・・」
夕張万里「くっくっく、貴様は電気アンマだ!! くらえっ!!」
善通寺正吾「あああああぁああ!!」

〇諜報機関
月島海斗「・・・で、こういう感じで連携すれば、火力を最大に活かせると思うんです」
カイト・カザン「なるほどね。 いいマニューバだと思う」
カイト・カザン「ちょっとリスクが気になるけどね」
月島海斗「繰り返しやって敵に対策を取られればリスクは大きいですけど・・・」
月島海斗「初見の相手には効果的かと思います」
カイト・カザン「よし、これでシミュレーションをしてみよう」
月島海斗「はい!!」
李維新「クッソ、模擬戦で海斗の分隊にぜんぜん勝てねぇ・・・」
サクチャイ・ラオバン「あれが13小隊のレーヴァテイン君か・・・いやぁ凄いねぇ」
李維新「小隊長!! ロングレンジを破るもっと強力な戦法を考えましょうよ!!」
サクチャイ・ラオバン「いや~あれに正面から勝つのは無理かな~」
サクチャイ・ラオバン「勝とうとするなら小惑星にコソコソ隠れながらの持久戦しかないね」
李維新「そんな・・・」
サクチャイ・ラオバン「長距離が得意な相手に潜みながら戦うのは立派な戦法だよ」
サクチャイ・ラオバン「才能と努力と根性でなんとかしてきた李少尉には受け入れがたい現実だろうけどね」
李維新「こっちも射撃を練習すれば・・・」
サクチャイ・ラオバン「海斗くんに勝った『黒騎士』の連中はロングレンジで対抗なんてしてなかっただろう?」
李維新「・・・」
サクチャイ・ラオバン「必中の狙撃は天賦(てんぶ)の才さ、精神力の賜物だよ」
李維新「格闘術は練習すれば強くなれるのに・・・」
李維新「狙撃には練習では越えられない壁がある・・・」
サクチャイ・ラオバン「性格的な要素が強いんだろうねぇ。迷いのなさっていうか・・・」
サクチャイ・ラオバン「まぁ、我が第8小隊も負けっぱなしでいるつもりはないよ」
サクチャイ・ラオバン「勝てるいい方法を考えようじゃないか」
李維新「はい!」

〇清潔な浴室
出雲翔太「シャワーは1人1分だ!」
月島海斗「み、短い・・・」
善通寺正吾「裸をみて楽しむ時間もねー!!」
九鬼雄太「水浴びよりひどいよー」

〇宿舎の部屋
美唄龍馬「消灯!!」
月島海斗「や、やっと2日目が終わった・・・」
  起床、点呼、朝食、訓練、昼食、演習、夕食、シャワー、ミーティング、就寝。
  共同生活訓練はこの日程がただ繰り返される。
  個人の時間はまったく無い。
月島海斗「あと12日か・・・長いなぁ・・・」
九鬼雄太「うう・・・お菓子がたべたい・・・」
善通寺正吾「グーグー」
月島海斗「正吾は寝るの早いなぁ・・・」

〇センター街
月島海斗「あっという間の2週間だった・・・」
  シオンベースでの共同生活訓練を終え、海斗は札幌に来ていた。
  北三条英雄に誘われて宿泊で遊びに来たのである。
月島海斗「札幌か・・・小学生まで住んでいたけど独りで街中を歩くのは初めてかも」
月島海斗「"あき"ちゃんとの待ち合わせの時間よりかなり早く来ちゃったけど・・・」
ナンパ男「おやぁ? こーんなかわいい女の子がお困りのようだ」
ナンパ男「ねぇー、僕と遊ばない? 一緒に楽しい事しようよ」
月島海斗「ひ、人を待っていますので・・・」
ナンパ男「僕と遊んでから行けばいいじゃんいいじゃん」
ナンパ男「僕、お金たくさん持ってるんだー」
月島海斗「あ、あの・・・」
ナンパ男「いいじゃんいいじゃん~」
北三条英雄「ねぇーまったぁー?」
月島海斗「あ、はい・・・」
北三条英雄「この子は私のツレなの ごめんなさいねっ」
ナンパ男「ちっ・・・」
北三条英雄「月島くん、あんな雑魚いの上手くあしらえよ。 女の子の必要スキルだぞ」
月島海斗「は、はい・・・」
北三条英雄「で、今日は"あき"が誘ったんだから、私が月島くんをリードするねっ!!」
北三条英雄「というわけで楽しいデートプランを考えてきたの!!」
月島海斗「俺とデートなんかして週刊誌とかに見つかってスキャンダルになったりしないでしょうか・・・」
北三条英雄「女の子同士なら大丈夫よっ!! 問題ないわ」
月島海斗「世界の危機なのにこんなところで遊んでいていいのかなぁ・・・」
北三条英雄「何言ってるんだよ、平和な地球を満喫できるからこそ、守るべき世界を実感できて、戦う意欲がさらに増すってもんだ」
月島海斗「そう・・・ですね。それはその通りだと思います」
北三条英雄「じゃ、ネカマ道を極めた俺に任せとけって!! ついてきて!!」
筑波神楽耶「ど、どうして私、ここに来ちゃったんだろ・・・」
筑波神楽耶「2人の関係が気になって・・・」
筑波神楽耶「・・・私には関係ないわ・・・お買い物だけして帰りましょう・・・」

〇ホストクラブのVIPルーム
北三条英雄「ここが今日"あき"が予約したお店よっ!!」
月島海斗「こ、これは大人のお店では・・・」
北三条英雄「バンちゃーん」
夕張万里「ヒデちゃーん」
「ちゅっ!!」
「クリックリッ」
夕張万里「はぁん・・・」
北三条英雄「ふぅ・・・」
月島海斗「・・・」
北三条英雄「月島くんもやらない? ここのマッサージはとってもきもちーよー」
月島海斗「け、結構です・・・」
夕張万里「女の子とのデートにセクシャルマッサージ店を選ぶなんてヒデちゃんぐらいだよ」
北三条英雄「ムショ暮らしのキツイ訓練の疲れもふっとぶぜ!!」
月島海斗「お、俺は未成年ですので・・・」
夕張万里「健全コースもあるよー」
夕張万里「二週間もひとつ屋根の下で一緒に暮らした仲だろー? 遠慮しなくていいんだぜ」
北三条英雄「シャバの空気を満喫しろよー」
月島海斗「そういう問題ではなく・・・」
夕張万里「なんだ、タダでサービスしまくりなのに月島クンは処女で童貞だなぁ」
北三条英雄「しょうがないなーデートで女の子を悦ばせるのが男の甲斐性」
北三条英雄「ここは次回の楽しみにとっておくぜー」
夕張万里「また来てねー」
北三条英雄「じゃ、次いくぞー」

〇大きいデパート

〇ゲームセンター
北三条英雄「というわけで札幌で一番大きなデパート『すすきの』6階のゲームアミューズメントだ」
北三条英雄「月島くんこういうの好きだろ?」
月島海斗「・・・」
月島海斗「最新の『鋼拳』が置いてある・・・」
月島海斗「こ、この"アイプロ"フィギュアの凛ちゃんは豊原で入荷されなかったやつ・・・」
月島海斗「やったー!!」
北三条英雄「な、なんというキラキラした目をしているんだ・・・」
月島海斗「このフィギュア 全キャラ獲る!!」
  海斗は一緒に来た人の事など完全に忘れゲームの世界の人になった。
北三条英雄「・・・」
月島海斗「よっしゃ! まずはひとつ!」
北三条英雄「さすが、ゲームオタク・・・このプライズはやったことはないが、超上手いのはわかるぜ」
北三条英雄「オッサンには最近の流行グッズはわからんなぁ・・・」
月島海斗「あれは取れそうだ・・・ 次にあれを引っかけて・・・」
北三条英雄「・・・」
北三条英雄「デートで女の子を無視して遊び続けるなんて言語道断」
北三条英雄「普通の女なら絶対怒られるトコだが、この"あき"ちゃんなら大丈夫」
北三条英雄「大人の目線で温かく見守ってやるぜ・・・」
月島海斗「よっしゃ!! 1セット揃えた、ヤッホー!!」
北三条英雄「あれ・・・電話が・・・」
北三条英雄「トラブル発生? すぐ戻れ? わかった。今"すすきの"アミューズにいる。すぐ戻れるよ」
北三条英雄「月島くん、悪い。仕事で先に戻らなくちゃいけなくなった」
北三条英雄「夜のコンサートは予定通りだから、夕方には控室に来てね」
北三条英雄「守衛には通してもらえるように話しておくから」
月島海斗「わかりました、俺はここで時間を潰してます」
北三条英雄「悪いねー!! 後でたっぷりサービスするからー」
月島海斗「・・・」
月島海斗「よーし、このプライズ取り切るぞー!!」
  仕切り直して、夢中で獲り続ける海斗。
  不審な男が近づいてきて背後に立ち、スマホを取り出してもまったく気が付かない。
盗撮男「・・・」
盗撮男「うひひ・・・」
美唄龍馬「ちょっと!! あなた、何を撮影しているんですか!!」
盗撮男「え、ああ・・・」
月島海斗「えっ!?」
美唄龍馬「カメラを出しなさい!!」
盗撮男「し、知らない!!」
美唄龍馬「警備員さん!! 来てください!!」
  盗撮男は逃げようとしたが、すぐに取り押さえられ、警備員に引き渡された。

〇ファミリーレストランの店内
  その後、盗撮男を警察に引き渡して、事情を聴取されるなどがあったが1時間ほどで解放された。
  "彼"らはデパート『すすきの』4階にあるファミリーレストランに移動する。
月島海斗「す、すいません。俺パンツ撮られていたなんてぜんぜん気が付かなくって・・・」
月島海斗「小隊長、助かりました」
美唄龍馬「月島くんは集中しているとほんと周囲に無防備だね──」
  海斗を盗撮犯から守ったのは美唄龍馬(びばいりゅうま)、海斗の所属する第13小隊の隊長である。
  二週間シオンベースで同じ部屋であり、ずっと一緒に訓練していたが、地球で会うのは初めてだ。
月島海斗「小隊長の身体は銀髪のレナ族なんですね、札幌では珍しいです」
美唄龍馬「ああ、黒髪が多い日本では珍しいかもね」
美唄龍馬「私達家族はレナから移住してきたんだ」
  レナ王国は日本共和国の北にあった国である。
  現在はローラシア帝国領となっている。
  レナ族は勇者と女神と謳われ、強力な特殊能力を持つ種族として知られていた。
  その代償に先天的な難病によって寿命の短い運命だったが、今はその呪縛を解かれ、様々な地域に進出している。
美唄龍馬「これは妹の身体なんだよ」
月島海斗「妹さんの・・・」
美唄龍馬「シオンベースの入れ替わりは当事者が希望すれば任意の相手が選べる」
月島海斗「確か『黒騎士』のカイトさんも言っていたなぁ・・・」
美唄龍馬「日本共和国の様に事後承諾の制度にしている国の方が珍しいね」
美唄龍馬「もっとも、私は父と世界を旅していて、札幌に戻ったのは私が高校生の頃からだけどね」
月島海斗「レナ族の男子は勇者の一族。世界を旅をして万難(ばんなん)に自ら挑戦すると聞いています」
美唄龍馬「ああ・・・旅は慣れているけどね。でも冒険は私には向いていないと思うよ」
美唄龍馬「辛い事はどうしても避けたくなってしまうんだ」
月島海斗「・・・」
美唄龍馬「ところで共同生活訓練はどうだった?」
美唄龍馬「自由を謳歌する高校生にはちょっと堪(こた)えたんじゃないかな・・・」
月島海斗「ゲームはできないしSNSが見れないのが辛いですが、学ぶことも多かったです」
月島海斗「でも、さすがにあの生活を長く続けるのは厳しいかな・・・」
美唄龍馬「そうだね・・・戦争も軍隊も楽しいところでは無いと思うよ」
月島海斗「札幌から豊原に引っ越した時も遊ぶ場所が少なくて辛かったですけど・・・」
月島海斗「オンラインは繋がっているので最新ゲームはできますし、ネットですぐに友達はできました」
月島海斗「今は高校の仲間も一緒だし、シオンベースのクルーの皆さんもいい人たちなので大丈夫です」
美唄龍馬「いい仲間か・・・」
美唄龍馬「・・・私は今回の作戦を最後に除隊しようと思っているんだ」
月島海斗「えっ・・・」
美唄龍馬「シオンベースのパイロットは4年勤めると引退できるんだよ」
美唄龍馬「私は次の作戦が終わればちょうど希望を出せる」
月島海斗「そうなんですか・・・」
美唄龍馬「引退後は恩給が出るから、この身体の元の持ち主と一緒にゆっくり暮らそうと思っているよ」
美唄龍馬「世界の危機は理解しているけど、私には戦いで辛いことが多すぎた」
月島海斗「やっぱり・・・シオンベースのクルーって犠牲が多いんですか?」
  海斗はずっと気になっていた事を尋ねてみた。
美唄龍馬「ああ。状況によって違うけど、ここ数年は戦闘が激化していて、損耗率はだいたい年50%かな」
月島海斗「半分・・・ですか」
美唄龍馬「先月の軌道上のフラグボスを倒す作戦も、君がいなかったらそれぐらいの損害が出ていただろうね」
月島海斗「・・・」
美唄龍馬「パイロットは戦闘で大きく消耗する」
美唄龍馬「過去の大戦では一度の戦闘で90%以上の損失が出る戦いも珍しくない」
美唄龍馬「しかし必要な適性、能力、技術は多岐にわたり、育成には手間も時間もかかるんだ」
美唄龍馬「だから過去のどんな時代の戦争でもパイロットの補充は各国の悩みの種だったんだよ」
美唄龍馬「CShが発売されたのは4年前だろう?」
美唄龍馬「あのゲームはパイロットを効率よく供給するために作られたシステムなんだ」
美唄龍馬「どこの国でもパイロットには士官クラスの厚遇が与えられる」
美唄龍馬「シオンベースでも厚待遇を条件に釣ってね」
月島海斗「はい・・・俺もそう思っていました」
  最高クラスの高年収で、政治的保護があり、さらに若くて美しい身体まで与えられる。
  それは裏を返せばリスクがとても大きい任務だということ。
月島海斗「でも、自由浮遊惑星が地球に衝突するなら、それを排除しないと・・・みんなが安心できません」
月島海斗「世界の安全を他人任せにしたくないです」
美唄龍馬「懐かしいよ、私も昔は君のように強い正義感と熱い闘志に燃えていた」
美唄龍馬「でも、今まで何人もの仲間を失ったんだ。悲しいことばかり思い出して闘志も錆びついてしまってね・・・」
美唄龍馬「でも、私にも仲間との約束があるから・・・次の作戦は一線で戦う」
美唄龍馬「それ以降は直ちに脅威となるような"敵"の動きは観測されていないから──」
美唄龍馬「引退するにはちょうどいい潮時だと思ったんだ」
月島海斗「そうですか・・・」
美唄龍馬「月島くん、戦争は自分の意志で戦うんだ」
美唄龍馬「私や他の人の意見や行動に共感して戦争に参加してはいけない」
月島海斗「CShでシオンベースに参加するかどうかの問いも自分の意志で戦うか聞かれたと思います・・・」
美唄龍馬「そう、戦う決意は自分で決めて欲しい。戦うのも止めるのも自分の意志でね」
美唄龍馬「そうでないと必ず後悔するよ」
月島海斗「・・・」
月島海斗「あっ、そろそろ北三条さんから誘われている時間だ・・・」
美唄龍馬「そういえば月島くんは北三条さんと付き合っているんだって?」
月島海斗「え、えぇ・・・」
美唄龍馬「まぁ、男性で娘くらいの年齢の女性と結婚する人はいるし・・・いいんじゃないかな」
美唄龍馬「平和な地球を満喫するのは大切なことだと思うよ」
月島海斗「はい、それじゃあ失礼します。 今日はありがとうございました」
美唄龍馬「ああ、次の訓練でまた会えることを楽しみにしているよ」

〇デパ地下
月島海斗「あれ? あの清掃員の人、警備の管理室から出てきたけど・・・」
月島海斗「掃除をしているようには見えない・・・」
月島海斗「まぁスタッフなら出入りすることもあるか・・・」
清掃員「・・・」

〇ビルの地下通路
  薄暗く狭い通路に、数人の中年男が犇(ひし)めき合っている。
  "彼女"らは目を血走らせ、殺気立ち、憎悪に満ちた笑みを浮かべていた。
手稲美沙「代表、『すすきの』1階への仕掛け完了したわ」
白石愛生「ああ、こっちもよ。 避難誘導と見せかけてなるべく多くの女を誘い込むの」
苗穂瑠亜「いよいよ、私達から幸せを奪った連中に復讐を果たす時ね!!」
苗穂瑠亜「私達は女の子なんだから女の子のパンツを覗いたっていいじゃない!!」
苗穂瑠亜「とにかく覗きたいのよ!! そういう気分になるの!! 私は悪くないわ!!」
白石愛生「そうよ、私は女の子なのに、どうして女の子の着替えを見たらいけないの!!」
白石愛生「とにかく見たいのよ! そういう気分になるんだから私は悪くないわ!!」
手稲美沙「私たちがやりたいことができるのが平和な世界だわ!!」
手稲美沙「私たちが辛くて苦しい平和なんて必要ないの!!」
苗穂瑠亜「ほんと幸せな女を見るとムカムカしてくるわ!!」
苗穂瑠亜「私はこんな汚い身体で溜まる性欲に苛(さいな)まれなくちゃいけないのに!!」
白石愛生「いまこそ私たち幸福解放戦線、蜂起の時よ!!」
手稲美沙「私たちの未来を奪い、幸せを略奪した者たちに滅びのフィナーレを与えましょう!!」
苗穂瑠亜「私たちの幸せを奪った連中に復讐の惨劇を与えるの!!」
白石愛生「こんな不幸な世界、もう終わらせてやりましょう!!」

〇教会の控室
  『すすきの』の隣にあるコンサートホールの控室。
  そこでは本日出演するアイドルグループ『S&PR500』のSグループが打ち合わせをしている。
  しかし、どうやら演目の話しではなく、運営に関する問題の様だ。
北三条英雄「だからー!!」
北三条英雄「テロ予告なんて無視だ、ムシ!」
北三条英雄「俺達は1000年前から"札幌の管理者"に守られたアイドル『S&PR500』だぞ」
北三条英雄「昔は大通りで戦車戦をしてても歌い続けてたって言うじゃないか!!」
北三条英雄「こんな脅迫がなんだ!」
大麻慎太郎「『幸福解放戦線』・・・聞いたことのない団体名だなぁ」
銭函信二「どうせまたイタズラでしょ。こんなのよくある事じゃない?」
S&PR500「じゃあリーダー、警察に連絡して警戒をお願いするのと」
S&PR500「警備員を増員して所持品チェックを密にするってことでいいね?」
北三条英雄「ああ、危険があれば"管理者"のドローンが出動するだろうし」
北三条英雄「札幌発のアイドル文化を発信するという使命は果たさないといけない」
北三条英雄「"札幌の管理者"は歌や踊りに手を抜くことを許さないんだ」
大麻慎太郎「怠惰や臆病者に厳しいですからねぇ・・・」
銭函信二「"試される大地の試す管理者"との異名がありますし・・・」
北三条英雄「俺はテロリストより、管理者の怒りの方が怖いね」
月島海斗「あ、あのー」
北三条英雄「おーっ!! 月島くんきたかー!!」
北三条英雄「みんなー! この子がレーヴァテインの月島少尉。地球での身体だよ」
S&PR500「へー、君が噂の。 リーダーの彼女ね、よろしくー!!」
月島海斗「あ、はい・・・よろしくお願いします・・・」
S&PR500「私たちもシオンベースのクルーだから何も遠慮しなくていいよ」
S&PR500「二週間も一緒に暮らした仲じゃない!」
S&PR500「ゆっくりしていってね!!」
月島海斗「は、はぁ・・・」
S&PR500「チュッ!!」
月島海斗「!?」
S&PR500「ふふふ、スカート捲ってもいいよ?」
S&PR500「ああ、恥ずかしいか。 じゃ、俺が自分で捲るわ」
月島海斗「うはっ!!」
「ちゅっ!」
「んんんー」
「ペラッ」
月島海斗「あわあわあわ・・・ふ、2人がかりで・・・」
「ちゅっ!!」
「さわさわ」
月島海斗「あ・・・」
  人気アイドルグループのメンバーたちから次々と熱烈なサービスを受ける海斗。
  あまりのスキンシップの激しさに目が回りそうになる。
北三条英雄「Sクラスを全員手籠めにした気分はどうだい? 男冥利に尽きるってモンだろう?」
月島海斗「や、やばすぎですよ・・・これ・・・」
北三条英雄「そうか? 気にするなよ、俺たちは毎日やってるんだから」
月島海斗「毎日って・・・」
北三条英雄「まぁ、アイドルは男の彼氏は禁止」
北三条英雄「"VAF"持ちがルールだから最後までは出来ないんだけどさー」
月島海斗「そんなルールがあるんですか・・・」
北三条英雄「"札幌の管理者"はアイドルの規則にうるさいんだ」
北三条英雄「かといって日頃の男の疲れを癒すためにはお互いするしかねーだろ?」
北三条英雄「俺たちは地球を守る戦士、たっぷり平和を楽んで、次の戦いに備えないとな!!」
月島海斗「・・・」
北三条英雄「さて、そろそろ本番前リハーサルだ」
北三条英雄「みんな!! 今日のコンサートも張り切っていきましょう!!」
「おうっ!」
「了解!!」
北三条英雄「月島くん、今日の夜は定山渓(じょうざんけい)温泉に泊まるぜ」
北三条英雄「もちろんSクラスメンバー全員でご奉仕するぜ」
北三条英雄「一緒に温泉旅館に宿泊だよ、もちろん好きなとこを見て、好きなところを触っていい」
月島海斗「せ、全員・・・で・・・」
北三条英雄「ふふ・・・月島くんを連れてみんなと温泉慰安旅行、楽しみだぜー」
北三条英雄「じゃ、応援よろしくねっ!!」
月島海斗「あ、あの"S&PR500"のSクラス全員と温泉・・・」
  トップアイドルを侍らせたハーレム。
  男なら一度は妄想するかもしれない。
  それが現実になろうとしている。
  海斗は興奮を抑えきれなかった。

〇劇場の座席
  開演まで、コンサートの客席に座って待っている時間、海斗はいつものようにスマホでSNSをチェックしている。
  慣れた手つきでSNSやニュースのチェックを行う。
  自宅だろうと出先だろうとやることに変わりはない。
月島海斗「メテオくんからだ」
  SNSのタイムラインには『すすきののアイプロフィギュア、凛ちゃんが全部取られてる!』と投稿されていた。
月島海斗「メテオ君は札幌に来ているのか・・・」
  ネット上だけの4年来の知り合い、メテオくんが近くにいるらしい。
  海斗は会ったことは無いが、どんな人かは気になる。
  だが、オンラインの友達はあくまで、ネット上のもの。
  海斗は根っからのゲーマー気質なのでオフ会や直結のような交流に興味は無かった。
  開演前の注意事項の説明が始まるまで、海斗はずっとスマホの画面を眺めている。
  すると──
月島海斗「火災報知器が鳴っている。 火事?」
  そして次の瞬間──
月島海斗「うわっ!!」
  突然鳴り響く低い爆発音と振動。
  海斗は身を低くして衝撃に備えるが、どうやらこの建物ではなさそうだ。
月島海斗「近くの建物かな?」
  海斗は状況を確認するべくいったん外へ出てみることにした。

〇アパレルショップ
然別洋子「ねー、この服かわいいー」
新知麗奈「いいんじゃないかなー?」
占守清「うふふ、みんなかわいいー」
新知麗奈「洋子は噂の彼とデートに着ていくんでしょう?」
然別洋子「えーそんなんじゃないよぅ」
占守清(うっひょー!! 女の子と一緒のショッピングは最高だー)
占守清("ぼっち"だった僕が女子高生になって女の子たちとデートしているなんてー)
占守清「ねぇ、試着してみようよ!」
新知麗奈「いいねー」
然別洋子「うん、そうしよう!!」
占守清(うっひょー!! 女子更衣室だー)
占守清(興奮するー!! サイコー!!)

〇試着室
占守清「うっひょー!! 僕の身体で着替えをするのも興奮するー!!」
占守清「いい、この服もこっちの服もいい・・・」
占守清「女の身体さいこー!! 脱ぐのも着るのも楽しすぎだー!!」
占守清「男の時は更衣室がこんなに楽しい場所だとは思わなかったぜ」
???「キャーッ」
占守清「どうしたんだ! 隣で悲鳴が!!」
羅臼紗那「返しなさいよっ! 私の幸せをっ!」
占守清「うわっ!! なんだ?」
占守清「えっ!? 僕!?」
羅臼紗那「その身体は私の物よ!!」
占守清「こ、この身体の前の持ち主?」
羅臼紗那「そうよ! 私がその身体で幸せになるはずだったのよ!!」
占守清「ま、まぁそうかもしれないけど・・・今は僕の物で・・・」
羅臼紗那「私のものよ!! 許せない!! きぃーっ!!」
占守清「う、うわっ!! 刃物だ!!」
羅臼紗那「私の幸せは私の物よ!! 身体がないと幸せになれないじゃない!!」
占守清「や、やめろっ!!」
羅臼紗那「私は結婚して子供を産んで主婦として温かい家庭を築くのが夢だったのよ!!」
占守清「築けばいいじゃないか・・・」
羅臼紗那「こんな気持ち悪い身体じゃ幸せになれないわっ!! 返しなさい!! 私の幸せを!!」
筑波神楽耶「やめなさい!」
羅臼紗那「誰よアンタ!!」
筑波神楽耶「叫び声を聞いたから・・・ とにかく危ない物をしまって!!」
羅臼紗那「なによ!! 私の幸せが奪われたのよ!! ねぇわかる!?  私の気持ちが!!」
羅臼紗那「あなたにわかるのっ!! 私の気持ちがっ!!」
筑波神楽耶「だからって他人を傷つけていいわけじゃないわ!」
羅臼紗那「私の身体だもの、どうしようと私の勝手でしょう!!」
羅臼紗那「私の身体で他人が幸せになるなんて許せないわ!!」
  切りかかる男に割って入る神楽耶。
筑波神楽耶「痛っ!!」
羅臼紗那「邪魔をしないでっ!!」
メテオくん「やめろっ!!」
羅臼紗那「ご、ごふっ・・・」
メテオくん「・・・」
メテオくん「大丈夫かい?」
筑波神楽耶「え、ええ・・・ 少し手を切ってしまったわ・・・」
メテオくん「出血はあるが傷は浅い。この布で抑えておくんだ」
筑波神楽耶「うん・・・」
羅臼紗那「痛い痛い痛い!! どうして私が殴られないといけないのよぉ!!」
羅臼紗那「女の子に手をだしちゃいけないのよっ!! ひどいわっ!!」
羅臼紗那「男なら黙って一方的に殴られなさいよ!!」
羅臼紗那「女の子の気持ちに寄り添いなさいっ!!」
メテオくん「そんなものないよ・・・」
メテオくん「すぐに警備員と警察が来る、おとなしくしているんだ」
筑波神楽耶「・・・」
  突然、店内に火災報知器が鳴り響く
筑波神楽耶「な、何? 火事?」
メテオくん「爆発音!? 下の階からか?」
羅臼紗那「ふふふ、もう終わりよ!! みんな死ぬのよ!!」
メテオくん「なにっ!?」
羅臼紗那「私たちの『幸福解放戦線』の仲間が決起したの!!」
メテオくん「幸福解放戦線?」
羅臼紗那「幸せな連中をみんな焼き殺してやるんだから!!」
羅臼紗那「私達が不幸になるなら、みんな平等に不幸になればいいんだわ!!」
羅臼紗那「他人の幸せが憎い!! 憎くてしかたがないのよぉ!!!」
羅臼紗那「わかるでしょう!! わかってよぉー!! 枕を涙で毎日濡らしたこの辛さがぁーー!!」
筑波神楽耶「・・・」
羅臼紗那「ぐほっ!!」
筑波神楽耶「そこのキミ!! はやく避難しないと!」
メテオくん「いや、兄さん、この気絶している奴を担いで、他の女の子たちと外に避難してくれ」
メテオくん「私は他を回って避難を呼びかけて来る」
筑波神楽耶「私もいくわ!!」
メテオくん「いや、まだこいつらの仲間がいる可能性がある」
メテオくん「兄さん、刃物みて立ち竦んでただろ?」
筑波神楽耶「・・・」
メテオくん「足手まといだ、先に逃げていてくれ。 じゃあ、頼んだよ」
筑波神楽耶「あ・・・」
筑波神楽耶「・・・」
占守清「とにかく逃げましょう!!」
筑波神楽耶「あ、ああ・・・」
筑波神楽耶「そうね、すぐに避難するのは大事だわ・・・」
白石愛生「あら、更衣室の女の子を連れてくる役の子、失敗しちゃったみたいね」
手稲美沙「つかえないわねー」
筑波神楽耶「な、なんなの・・・ あなたたちは・・・?」
占守清「そんなのほっておいて避難しようよ!」
新知麗奈「は、はやく逃げましょう!!」
白石愛生「逃がしやしねーよ!!」
手稲美沙「一緒にここに残ってもらうわ」
苗穂瑠亜「幸せそうな女をみているとムカついてくるのよ!!」
占守清「あっ・・・い、意識が・・・」
新知麗奈「う・・・」
筑波神楽耶「く、薬!?」
白石愛生「人質として一緒にきてもらうわ」
筑波神楽耶「思い出したわ!! あなたは以前、盗撮していた男じゃないの!!」
筑波神楽耶「この変態!! まさかこの事件もあなた達が・・・」
白石愛生「ふん!! 自分の身体を見て何が悪いのよ!!」
筑波神楽耶「自分のって・・・」
白石愛生「私がアイドルになるはずだった白石愛生よ!!」
白石愛生「私の大切な身体を奪われて人生を盗まれたの!!」
白石愛生「とにかくこの身体だとムシャクシャする感情が湧き上がってくるの!!」
白石愛生「悪いのはこの身体よ!!」
手稲美沙「みんな壊してやりたくて仕方がないのよ!! 私は悪くないわ!!」
手稲美沙「そういう気分にさせた周りが悪いのよ!!」
苗穂瑠亜「暴れたい!! とにかく暴れて鬱憤を晴らしたいのよぉ!!」
筑波神楽耶「男の攻撃衝動に完全に支配されてしまっている・・・」
白石愛生「世界は私達が幸せになるためにあるんだから!!」
白石愛生「私達が幸せになれないならみんな死ねばいいんだわ!!」
筑波神楽耶「な、何言ってるの・・・ そんなことやめなさいよ!!」
筑波神楽耶「話し合えばわかるわ」
筑波神楽耶「世界は平和なのよ!! 暴力はやめましょう」
白石愛生「うるさいって言っているのよ!!」
筑波神楽耶「は、刃物・・・」
白石愛生「なに? こんなので怖くて動けなくなっちゃった?」

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コメント

  • 非常好的作品,加油

  • プライズ景品にも天井があって絶対景品が貰えるシステムが必要だとおもうんですよね……

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