〇立ち飲み屋
「かんぱーい!!」
優実「ぷはー、うんめぇーー!!」
北川「仕事終わりのビール、最高ですね！」
優実「仕事中のビールだって最高だろうね！ やったことないけど」
北川「やったらクビ確定ですよ！ 先輩、ホントにやりかねないですから・・」
優実「大丈夫だって!! まだ、やるつもりは無いから」
北川「まだ・・・ って、将来的に可能性あるんですか!?」
優実「あー、細かいことはいいから！ ほら、ツマミも来たから、食え！飲め！」
北川「はい、飲みましょう！」

〇立ち飲み屋
優実「そうそう、ちょっと聞いてよ！ 今日のお昼のことなんだけど・・・」
優実「総務のアイちゃんっているじゃない！ あの子が・・・」

〇黒
アイちゃん「最近「おひとりさま女子」って 流行ってるじゃないですか～」
アイちゃん「だから、あたしも「おひとりさま」を いろいろチャレンジしてるんですよ～」
アイちゃん「この前、チェーン店の牛丼屋さんで 「おひとりさま」しちゃいましたよ♪」
アイちゃん「でも、ラーメン屋さんは、 まだ怖くて行けないですぅ～」

〇立ち飲み屋
優実「・・・・・・だってさ」
優実「何が、ラーメン屋は 「怖くて行けないですぅ～」だよっ！」
優実「こちとら、週イチで家系ラーメン屋に 「おひとりさま」してんだよ！」
優実「しかも「硬め濃いめ多めライス大盛」だよ」
北川「はは・・・」
優実「どうせ若くも可愛くもないから、 好き放題「おひとりさま」してんだよ！ 悪かったな!!」
北川「なに、１人で不貞腐れてるんですか!?」
北川「男の会話でも、この話題が出ますね！ どこまで「おひとりさま」できるか・・・」

〇黒
大川主任「俺はそもそも１人で外食できないんだ・・ 嫁さんとかが一緒じゃないとダメなんだよ」
新人篠原「バーは１人で行ったほうが、 「おひとりさま」女子を狙いやすいッスよ」
井山係長「この前なんだけど、 おっパブに「おひとりさま」したよ！」
井山係長「まぁすぐに女の子が来るんだけどね・・・ デュフフフ」

〇立ち飲み屋
優実「・・・変なのばっかり!!」
北川「否定できないです・・・」
北川「そんな特殊例はさておき、 男の場合は、ラーメン屋や定食屋あたりは 問題なく行ける人が大半ですね」
北川「１人で立ち飲み屋とか焼き肉とかは、 抵抗あるって人が多い感じですかね」
優実「はいはい、どーせわたしは、 すべて余裕でできますよっと・・・」
北川「先輩は「自立した女性」ですから・・・」
優実「それって「可愛げがない」と同じ意味で 使ってない!?」
優実「「自立した女性」は１人で生きていける、 だから一生「おひとりさま」ってこと!?」
北川「違いますって・・・」
北川「ちなみに僕も、さっきの外食は 全部１人でできますから！」
北川「１人焼き肉も、たまにしてますよ 結構好きなんです！」
優実「へー、ちょっと意外・・・」
北川「自分のペースで、好きな焼き加減で 肉を食べられるのがいいんですよ！」
北川「ちなみに先輩は・・・」
優実「自分の焼いた肉をヒトに食われたくない！ だから１人が一番だね!!」
北川「・・・やっぱり」

〇立ち飲み屋
優実「さて、日本酒に切り替えるか!!」
北川「ペース早いですって!!」
北川「ところで先輩は、旅行なんかも 「おひとりさま」できるのですか？」
優実「余裕余裕っ!!」
優実「去年もお伊勢参りを１人でしてきた！」
北川「女子人気の高いパワースポットですね！ 可愛いトコあるじゃないですか!!」
優実「JR伊勢市駅から、外宮、内宮、関連神社、 そしておかげ横丁まで、全部徒歩で回った」
優実「で、またJR伊勢市駅まで歩いて戻ってきた」
北川「全部で何キロ歩いたんですか!?」
優実「ざっと十数キロってところだね！」
北川「全然可愛くない距離でしたね・・・」
優実「実は毎年、京都に１人旅してたのだけど、 一昨年の京都旅行の後に課長がさ・・・」

〇黒
松平課長「京都へ１人で女子旅かい？」
松平課長「そんなの、昔は失恋後の定番だよ！ それか、ジサツ目的か・・・」
松平課長「変な目で見られてみっともないから、 控えたほうがいいのじゃないか？」

〇立ち飲み屋
優実「・・・・・・なんて言ってきたのよ!!」
優実「散々偉そうに言いながら、 人一倍、土産の生八ツ橋を食いやがって!!」
優実「あの課長の頭頂部、 生八ツ橋でシバキ倒したくなったわ！」
北川「それ、ダメージ与えられませんから」
北川「で、その課長の発言で、 旅行計画を変更したんですか？」
優実「・・・まあね 失恋後と誤解されたり、 変な目で見られたりするのは 気分のいいものじゃないから・・・」
優実「お伊勢参りしたかったっていうのも 理由としてあったのだけどね・・・」
北川「先輩にも、繊細なところがあるんですね」
優実「うるせー、この野郎！」

〇立ち飲み屋
優実「酒変えるぞー!!」
北川「さすがに飲みすぎですよ!?」
優実「うるせー、うるせー!!」
優実「ところでアンタはさっ！」
優実「どこまで「おひとりさま」できるの!?」
北川「だいたい問題なくできますね！ 旅行も宿泊も問題ないです」
北川「車中泊も１人ラブホも可能です！」
優実「あー、わたしも１人ラブホやったことある」
優実「ベッド広いし、ビジホより安いから、 急な宿探しのときに使ったりしてる！」
北川「流石ですね！」
優実「だろ、もっとほめろー!!」
北川「ははは・・・」
優実「じゃあ逆にさー、アンタが 「おひとりさま」できないことは何さ？」
優実「ほら、おしえろよー!!」
北川「・・・完全に出来上がってますね」
優実「はぁ、なんだー!?」
北川「何でもありませんよっ!!」
北川「そうですね、 「おひとりさま」できないこと・・・」
優実「ほらほらぁ、言えよおー！」
北川「でも、本当に思い浮かばないな・・・」
北川「あっ、先輩！」
北川「僕自身が「おひとりさま」で出来ないこと ありましたよ!!」
優実「なんだなんだー!? できないこと、おねーさんに教えてみろ!!」
北川「教えますから、絡み酒しないでくださいよ」
北川「教えたら、一緒にしてもらえますか？」
優実「いいぞー、一緒にやったげるから、 それ教えてみろー」
北川「それはですね・・・」

〇綺麗な教会
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