エピソード19 遠距離攻撃(脚本)
〇湖畔
エミリア「カイルさん・・・。 私一人で安全圏にいるなんて嫌です!」
カイル「ん? 何か勘違いしているようだが、俺も安全圏から出るつもりはないぞ?」
カイル「ペガサスに乗ったままなら、ビッグサーペントの攻撃も届かないし」
エミリア「えっ? でも、それならどうやって攻撃するんですか?」
カイル「ああ、エミリアにはまだ見せていなかったか。 俺の『ハキ』スキルレベル6を使うのさ」
エミリア「ハキスキルのレベル6ですか?」
カイル「百聞は一見にしかず。いくぞっ!」
カイル「はああぁっ!! 『刃気』!!!」
カイルが振るった剣の先から、光の斬撃のようなものが放たれ、ビッグサーペントへと命中した。
「ギャアアァッ!?」
ビッグサーペントが絶叫を上げ、大きくのけ反る。
エミリア「す、すごい威力ですね・・・」
カイル「ああ。 これは遠距離攻撃のスキルなんだ。 これがあれば、水棲型の魔物なんざ一方的に倒せるぜ」
エミリア「カイルさんは、本当にいろんなスキルを持っているんですね。 羨ましいです」
カイル「ははっ。 まぁ、これもエミリアのおかげだよ」
カイル「いっしょにたくさんの狩りをしてくれたおかげで、こうして新たな力を手にすることができたんだからな」
エミリア「えへへ。そう言ってもらえると嬉しいです」
カイル「さてと。 さっさとトドメを刺すことにするか」
カイル「このサイズだと死体は持ち帰れないから、魔石だけになるが・・・。 それでもかなりの収入になるだろう」
エミリア「はいっ! ダンジョン発見の功績もありますし、ギルドからもたくさん報酬が出ますよ! またランクが上がるかも!」
カイル「さすがにまだ早いさ。 俺はCランク、エミリアはDランクに上がって日も浅いし」
カイル「だがまあ、もう一つぐらい何か大きめの功績を挙げれば、すぐに上がるかもしれないな」
エミリア「おおおっ!」
カイル「とりあえず、今は目の前の敵を仕留めることに集中しよう。 と言っても、もう虫の息のようだがな」
カイルの眼下では、ビッグサーペントが虫の息となっている。
そして程なくして、カイルは無事にビッグサーペントの討伐を終えたのだった。