外れスキル「ハキ」が覚醒したら世界最強になった件 ~パーティを追放されたけど今は楽しくやってます~

猪木洋平

エピソード5 エミリアとの狩り(脚本)

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〇森の中
  1週間が経過した
カイル「よしっ! 今日も大漁だな!」
エミリア「はい! カイルさんのおかげです!」
カイル「ははは。ざっとこんなもんさ。 さあ、そろそろ帰るか」
エミリア「・・・あの、カイルさん」
カイル「ん? どうした?」
エミリア「実は、そのぉ・・・ お願いがありまして・・・」
カイル「願い? どんなことだ?」
エミリア「は、はい。できればでいいんですが・・・」
エミリア「少しだけ、魔獣狩りに付き合ってもらえませんか? 私も戦いたいと思っていて・・・」
カイル「ふむ。少しだけなら構わないぞ」
カイル「怪力スキルを使いこなせるようになれば、エミリアも十分に戦えるようになるだろうしな。 大切なことだ」
  怪力スキルの副作用は、力加減が難しくなること。
  使いこなせていないうちは、むしろマイナスに働くスキルと言ってもいい。
  外れ気味のスキルを得てしまったエミリア。
  俺は他人事とは思えなかった。
エミリア「そうですよね。 きっと使いこなせるようになって、カイルさんのお役に立てるようになりますから。 頑張りますっ!」
カイル「ははは。 期待しているよ」
カイル「・・・っと。 さっそくゴブリンのお出ましだ」
エミリア「はい! では、いきます!」
  エミリアが剣を振りかざして突っ込んでいく
エミリア「はぁああっ!!」
  力任せに振り下ろされた剣は、ゴブリンに当たらずに地面に突き刺さった。
エミリア「あ・・・」
「ギャギャギャッ!!」
カイル「ふんっ!」
  ゴブリンは俺の剣によって切り裂かれ、倒れた。
エミリア「あ、ありがとうございます」
カイル「やっぱり、力加減ができていないな。 もう少し力を抜いて・・・。 こんな感じで振ってみろ」
エミリア「は、はい・・・。 こうですか?」
カイル「おう。少し良くなったぞ。 エミリアの場合、実戦よりもまずは素振りからした方がいいかもな」
エミリア「そうします・・・。 それにしても、カイルさんって剣術も凄いですよね」
エミリア「やっぱり剣術系のスキルをお持ちなのですか?」
カイル「いや、違うよ。 前にも言ったと思うが、俺のは人に言えない外れスキルでね」
エミリア「あ、そう言えばそんなことを仰っていたような・・・。 変なことを聞いてごめんなさい」
カイル「・・・いや。 外れに見えて実は外れじゃなかったから、今はもう気にしていないんだけどね」
カイル「俺のスキルは『ハキ』っていうんだ」
エミリア「ハキ? よく分からない言葉ですね。 どういう効果なのですか?」
カイル「ああ、せっかくだし、見せてあげようか」
  追放されたあの日、俺のハキスキルのレベルは3に上がった。
  その後トレント狩りに精を出し、つい先日レベルが4になっている。
  新たに得た力にも慣れていかないとな。

次のエピソード:エピソード6 『ハキ』スキルの説明

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