クソゲーよ、世にはばかれ。

いぬごや

「序章 とあるクソゲー愛好家の記録」(脚本)

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〇ストレートグレー
  とあるクソゲー愛好家のブログ。
  クソゲー。
  それはその名の通りで
  「クソみたいな、プレイする
   価値のないゲーム」
  
  を指す言葉だった。
  多くの人の期待を裏切り、
  一部の某掲示板ではカルト的な人気を誇る
  クソゲーがどうして生まれてしまうのか。
  これは、そんなクソゲーが誕生するまでと、完成したクソゲーの世界の人物たち。
  
  二つの物語が組み合わさって生まれた、
  まさしく「クソ万歳!」な物語である。

〇渋谷フクラス
  ーー時は2000年代後半。
  ハード戦争も終結を迎え、
  ゲーム業界が若者たちにとって
  憧れの的となるような時代だった。
  彼、「曽根 作」(そげつくる)も
  そんなゲーム業界に夢見た
  一人の青年だった。
  子供の頃、大人気だったとあるRPGを
  プレイして彼は一つの夢を抱いた。
曽根 作「歴史に名前の残るゲームを作りたい」

〇黒
  そんな思いを書き出したのがこのノートだ。
  タイトルは"ゼロ・ファンタジア"。

〇荒廃した街
  舞台はとあるファンタジー世界。
  無を生み出すクリーチャーたちが
  世界を虚無"ヌル"へと染めていく。
  そんな世界に有を生み出せる存在である
  主人公たちが世界で時に仲間が消失し、
  心を打ち砕かれながらも立ち向かっていく。
  当時かなり知名度が上がり始めていた、
  "プログラミング"をテーマとして
  ファンタジーに落とし込んだ作品であった。

〇黒
  ・・・しかし、その結果はこうだった。
  「まさに中身ゼロのファンタジー」
  「全てヌルに返したい」
  「デバッグした?いやありえないでしょ」
  「お金も時間もエラー出して消えた感じ」
  口コミ欄に並んだのは
  プログラマー達の巧みな批評たち。
  没ゲーム雑誌の評価欄では怒涛のオール3。
  バグばかりで、掲示板でどうすればこのゲームがクリアできるのか話題になった。
  この物語は、そんなゲームが生まれるまで。
  
  そしてそんな世界の中でありえないバグに立ち向かわなければならない勇者たちが。
  どのような末路を辿ったのか。
  それを記した記録だ。
  
  ・・・それにしても。
  我ながらよくこんなゲームを攻略しようと思ったなあ、とふと思ったものだ。
  しかし、このゲームを生み出したクリエイターである曽根氏の願いである「世に残るゲームを作りたい」という願い。
  そんな想いと情熱、願いを込めて生まれたこのクソゲーがせめて。
  それこそ完全に消滅してしまわないように。
  そんな願いを込めてこのゲームの恐ろしさ、
  やる気を「ゼロ」にしようとしてくるこの作品の全貌を残していきたいと思う。
  この物語はとあるクソゲーが
  生まれてしまったその背景と、
  クソゲー世界で争う筆者と勇者たち。
  今はもう減ってきてしまったクソゲーという存在が忘れ去られないようにという思いを込めて書き綴る、しがないゲーマーの記録だ。
  次回 
  第一部「ゼロ・ファンタジア 誕生編」

次のエピソード:「エピソード1 クソゲーは唐突に」

コメント

  • わりとクソゲー好きなんで、たまにやってるんですが、いろんな方向でそうなってるんですよね。
    バグは致命的かな、と思います。笑
    今だったらパッチ当ててなんとかできますが、2000年頃はまだ無理ですよね。

  • クソゲー、少し前から逆にクソゲーだと話題になったりしますよね。でもこの手のクソゲーには色々種類があって。
    そもそもゲームとしてのレベルに達していないのか…奥が深すぎて現代ではウケないだけなのか…。

  • 昔、様々なクソゲーと呼ばれるものと接してきただけに、胸アツなお話です!名作クソゲー(?)って、情熱はすごいけどそのベクトルの向きが明後日なケースが多くて愛らしいですよね。本作も、多分な熱量とその方向性に期待です。

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