メイド・ザ・リッパー

雛夢

#17 オポジション(脚本)

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〇豪華な部屋
  要と対峙した後、真桜は急いで夜留の寮室に戻ってきていた。
北園夜留「すぅ・・・すぅ・・・」
佐倉真桜(お嬢様の周囲は異常なし、ですね)
佐倉真桜「・・・ふぅ」
佐倉真桜(上手く躱されてしまいましたか・・・)
佐倉真桜「要・・・次は必ず・・・」
北園夜留「真桜ぉ・・・」
佐倉真桜「あ・・・も、申し訳ございません。 起こしてしまい──」
北園夜留「すぅ・・・すぅ・・・」
佐倉真桜「・・・・・・」
北園夜留「大丈夫だよぉ・・・夜留、ここにいるからねぇ・・・」
佐倉真桜「お嬢様・・・」
佐倉真桜(目先の感情に囚われて、大切なことを履き違えないようにしないといけませんね)
佐倉真桜「ありがとうございます。お嬢様」

〇おしゃれな廊下
  午前三時。
  善哉寺の部屋の前には、少女の死体が転がっている。
林要「お嬢様、私です。要です」
善哉寺鏡日「終わったの・・・?」
林要「はい、概ね片をつけました。もう大丈夫です」
林要「ドアを開けていただけますか」
善哉寺鏡日「ええ・・・」

〇豪華な部屋
林要「やはり、佐倉真桜の仕業ではなかったようです」
善哉寺鏡日「・・・あの娘たち、結局、裏切ったのね」
善哉寺鏡日「残念ですわ。 私の下にいれば、死ななかったものを」
善哉寺鏡日「・・・・・・」
林要「お嬢様に逆らう者など、取るに足りません」
善哉寺鏡日「わかっていますわ!」
林要「そして、夜留様がドゥジエームに──」
善哉寺鏡日「もういいですわ」
善哉寺鏡日「今夜は寝ましょう」
林要「・・・はい、おやすみなさい」

〇お嬢様学校
  翌日。
  夜留達がいつものように、中庭のピラミッドボードを見に来ていた。
北園夜留「あれ・・・お花の数、すごく減ってる」
佐倉真桜「・・・本当ですね」
  ピラミッドボードの周りには、様々な種類の、色とりどりの花びらが散乱していた。
北園夜留「これって、生徒が減ってるってこと?」
佐倉真桜「はい、そういうことになるのでしょう」
佐倉真桜「この学園の特性上、途中で諦めて転校する生徒も多いとは聞いてましたが・・・」
佐倉真桜「こう、目に見えて数が減っているのは初めてみましたね」
北園夜留「うん・・・多分この散ってる花弁も、元々誰かの花だったんだ」
佐倉真桜「・・・そうかもしれませんね」
北園夜留「・・・・・・」
佐倉真桜「お嬢様の夜顔がドゥジエームに移動されてます。プルミエまで、あと一歩です」
北園夜留「うん」
佐倉真桜「・・・お喜びにならないのですね」
北園夜留「ううん、嬉しい」
北園夜留「でも、ここからが本番。 善哉寺さんの上を行かなくちゃいけない」
佐倉真桜「はい」
  突然、学園内の至る所に設置されたスピーカーから、学園長の声が流れ出した。
学園長「全生徒に告げます」
学園長「ただいまより、全園集会を執り行います」
学園長「直ちに、大広間に集合してください」
  内容の繰り返しもなく、音が途切れるように放送が終了した。
佐倉真桜「・・・なんでしょう?」
北園夜留「全園集会、初めてだね」
佐倉真桜「向かいましょうか」

〇大広間
  夜留と真桜が大広間に到着する頃には、既に沢山の生徒達が集まっていた。
学園長「皆様にお集まり頂いたのは他でもありません」
学園長「激戦が予想された今回、早くもプルミエの座にチェックをかけた生徒が二名おります」
  ざわめきが大きくなる。
学園長「善哉寺鏡花」
善哉寺鏡日「・・・・・・」
学園長「北園夜留」
北園夜留「あ・・・はい・・・!」
学園長「両名、前へ出て来なさい」
  善哉寺と夜留が注目を集めながら前に出ていく。その傍らには、真桜と要もいた。
学園長「頑張りましたね、二人とも」
北園夜留「え、えへへ、ありがとうござい──」
善哉寺鏡日「頑張ってなどいませんわ。 私がトップに立つのは当然のこと」
北園夜留「あう・・・」
善哉寺鏡日「それより、私の横に誰かが立っているこの状況が我慢なりません」
善哉寺鏡日「即刻退がらせていただけますこと?」
学園長「・・・そうですね、それついてのお話を済ませてしまいましょうか」
善哉寺鏡日「といいますと・・・?」
学園長「この学園には、ある伝統があります」

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