メイド・ザ・リッパー

雛夢

#12 アヴェンジャーズ・スパイラル(脚本)

メイド・ザ・リッパー

雛夢

今すぐ読む

メイド・ザ・リッパー
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇寮の部屋(ポスター無し)
  一週間に一度訪れる休息日の朝、真桜と夜留は部屋で過ごしていた。
佐倉真桜「お嬢様、少々出かけてまいりますが、何か欲しいものなどございますでしょうか」
北園夜留「夜留も行く!」
佐倉真桜「構いませんが、買い物をするだけですよ」
北園夜留「散歩したい」
佐倉真桜「散歩ですか、かしこまりました」

〇お嬢様学校
北園夜留「へへ・・・」
佐倉真桜「お嬢様、嬉しそうですね」
北園夜留「真桜とのんびり散歩するの、久しぶりだから」
佐倉真桜「この学園が来てから、ずっと緊張していたのですね」
北園夜留「うん、そうかも」
佐倉真桜「慣れましたか?」
北園夜留「少しは、慣れたと思う」
北園夜留「お姉ちゃんみたいには、まだ振舞えてない、けど・・・」
佐倉真桜「朝咲お嬢様のように振る舞う必要はありません」
北園夜留「え・・・?」
佐倉真桜「夜留お嬢様がよいと思う行動や選択をするのが、一番ではありませんか」
佐倉真桜「夜留お嬢様は、夜留お嬢様なのですから」
北園夜留「あう・・・」
佐倉真桜「・・・!」
佐倉真桜「出すぎたことを言いました。 申し訳ありません」
  夜留の頬を涙が伝う。
佐倉真桜「え?」
佐倉真桜「お、お嬢様!? どうされたのですか・・・! どこか痛むのですか!?」
北園夜留「・・・真桜は、夜留にお姉ちゃんの代わりをして欲しいんだって、思ってた」
佐倉真桜「え?」
北園夜留「だから・・・夜留、お姉ちゃんになろうと思って・・・思って・・・」
佐倉真桜「代わりを・・・? そんなこと、あるはずがありません!」
佐倉真桜(私はなんてことをしていたのでしょう)
佐倉真桜(大切な人を、復讐に巻き込むだけにとどまらず、重荷を背負わせてしまっていた・・・)
佐倉真桜「そんな・・・」
佐倉真桜「ああ・・・お嬢様、申し訳ありません。 どうか、涙を拭いてください」
  真桜が夜留を抱きしめる。
北園夜留「うん・・・」
佐倉真桜「私の言葉が足りなかったのですね」
佐倉真桜「私が今お仕えしておりますのは、夜留お嬢様です」
佐倉真桜「朝咲お嬢様の真似をする夜留お嬢様ではありません」
佐倉真桜「そして、お嬢様への敬愛を忘れたことなどは、この一度たりともございません」
北園夜留「うん・・・うんっ! わかった」
佐倉真桜「はい・・・今までずっと、そう思っていたのですか」
北園夜留「あう・・・夜留の中で、お姉ちゃんは憧れだから。望まれてる、って思っちゃってた、かも・・・」
佐倉真桜「そうでしたか・・・私はメイド失格です」
北園夜留「そんなことない!」
北園夜留「夜留が勝手に、勘違いしてただけ。 ごめんなさい」
北園夜留「あの、真桜は・・・どうして、こんなに夜留達に仕えてくれるの?」
北園夜留「夜留、何も返せてない」
佐倉真桜「お嬢様の幸せが、私の幸せだからです」
佐倉真桜「ご自分では分からないだけで、いつも沢山のものを頂いております」
佐倉真桜「私のことなど、どうかお気遣いなさらぬよう、お願いいたします」
佐倉真桜「ご自分では分からないだけで、いつも沢山のものを頂いております」
北園夜留「真桜、ずるい」
佐倉真桜「はい、ずるいです。 私ばかり得をしています」
北園夜留「むぅ・・・」
  真桜がむくれる夜留をなだめていると、生徒が一人、彼女達に近づいてきた。
敷島エリカ「ちょっと失礼。あんたが佐倉真桜?」
  真桜に声をかけてきたのは、瞳に闘志を宿した学園の女生徒だった。
佐倉真桜「はい? そうですが・・・貴女は?」
敷島エリカ「敷島エリカ、階級はトロワジエーム。 真桜、私はあんたに話がある」
佐倉真桜「・・・・・・」
北園夜留「あ、あの・・・」
  敷島は、夜留の方には目もくれない。
佐倉真桜「お嬢様、先にお部屋へ戻っていていただけますか」
北園夜留「え・・・? う、うん・・・わかった」
佐倉真桜「すぐに戻りますから」

〇華やかな裏庭
佐倉真桜「人気(ひとけ)のない場所ですね」
佐倉真桜「あまり、おおっぴらに出来ないお話ということですか」
敷島エリカ「関係のない人を巻き込むつもりはないから」
佐倉真桜「配慮、感謝いたします」
佐倉真桜「それで、話というのはなんでしょうか」
敷島エリカ「葵のこと」
佐倉真桜「葵さん・・・?」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:#13 星明かりが照らす花

成分キーワード

ページTOPへ