エピソード6(脚本)
〇学校の屋上
うわぁ!
4日目
星桐彦「12時」
姫路伊織「いたた・・・」
バタンッ
星桐彦「やっぱりそうだ」
星桐彦「12時ちょうどに、ここに戻るんだ」
姫路伊織「桐彦?」
星桐彦「明日になろうとすると、戻る」
姫路伊織「ねぇ、桐彦ってば」
星桐彦「え?」
姫路伊織「大丈夫? どうかした?」
星桐彦「伊織、お前・・・」
姫路伊織「ん?」
キーンコーン♪ カーンコーン♪
姫路伊織「あ、授業」
星桐彦「・・・・・・」
姫路伊織「桐彦? 急がないと遅れるよ」
星桐彦「昨日と同じ・・・そう、だよな」
姫路伊織「さっきからどうしたの。頭打った?」
星桐彦「そうだよな。 都合良く伊織も気付いてるなんて、夢見すぎだ」
姫路伊織「・・・・・・」
星桐彦「なんでもない。 伊織、俺、今日これで帰るわ」
姫路伊織「え?」
星桐彦「理由聞くなよな。 色々・・・あるんだ。こっちもさ」
姫路伊織「だって君、それじゃ平穏な生活が・・・」
星桐彦「平穏、か」
姫路伊織「ちょっと! 君は平穏が・・・」
〇階段の踊り場
姫路伊織「桐彦、どこに行くのさ!」
星桐彦「うーん、友だち作りかな」
姫路伊織「友だち?」
星桐彦「そ、友だち。じゃーな」
姫路伊織「・・・友だち?」
〇まっすぐの廊下
廊下から教室をのぞく桐彦。
しかし、乙女はいない。
長井宏幸「バレてるぞ、星」
星桐彦「げっ」
長井宏幸「げっ、じゃない。さっさと中に入れ。 遅刻のプレゼントに、お前には・・・」
星桐彦「すんません!」
長井宏幸「おい、コラ! 星、どこへ行く!」
〇学校の廊下
星桐彦「やべー、やべー」
星桐彦「ん? あれは!」
星桐彦「委員長!」
星桐彦「委員長! ちょっと待ってて! すぐそっち行くから・・・」
あかんべえをして去って行く乙女。
星桐彦「え? なんで? どうしてだよ! 待ってってば!」
長井宏幸「どうしてはこっちの台詞だ」
星桐彦「せ、先生・・・」
長井宏幸「遅刻の上、サボりか。星くん」
星桐彦「い、いや、その・・・」
長井宏幸「今、外に誰かいたのか?」
星桐彦「いえっ! 全然!」
長井宏幸「全然って、今叫んでただろうが。 誰がいたんだ?」
星桐彦「いません! 今のは、そう、俺の独り言で!」
星桐彦「いってえ!」
長井宏幸「まあいい。これ以降は教室で聞く」
〇教室の教壇
佐原俊平「まさかお前がサボりとはな。 お前の大好きな平穏はどうしたよ」
星桐彦「・・・平穏に戻したいんだよ」
佐原俊平「ん?」
星桐彦「言っとくけどな、今、全然平穏じゃないからな!」
佐原俊平「何言ってんだ? 平穏じゃなかったらなんだよ」
星桐彦「・・・やっぱり委員長と話さないと」
佐原俊平「委員長? 夏川のことか?」
星桐彦「うん。 なあ、委員長の家って、どうやったら分かるかな?」
佐原俊平「お、何? 恋?」
星桐彦「はあ?」
星桐彦「そんなんじゃなくて、ちょっと話があって・・・」
佐原俊平「分かった、分かった。 今のところはそういうことにしとくか」
星桐彦「そういうことって。本当、誤解するなよ!」
佐原俊平「またまた、照れちゃって」
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