読切(脚本)
〇美術室
若葉(わかば)「どうしよう!美術の授業の相モデルが」
「私の推し、柾くんだなんて〜!!!」
大河(たいが)「いいな〜!柾が春高美人ランキング一位の若葉とペアかよ。上手く描けよ〜!」
柾(まさき)「くうっ・・・俺の画力では、若葉の美しさの片鱗も描けない」
大河(たいが)「てゆうか、オマエが若葉をまともに見られてないからじゃね?」
若葉(わかば)「ごめん。私もう」
若葉(わかば)「げん・・か・・い」
大河(たいが)「若葉が倒れた〜!」
〇綺麗な一戸建て
若葉(わかば)「今日は柾くんとお話しするチャンスだったのに」
若葉(わかば)「緊張しすぎで倒れるなんて〜☆ う〜サイアクだあ」
〇シックなリビング
若葉(わかば)「ただいま〜」
若葉ママ「おかえり若葉。帰りにたまを見かけなかった?」
若葉(わかば)「たまって、お母さんが餌付けしてる白猫ででしょ? そのうち庭に来るんじゃないの」
若葉ママ「お父さんが猫アレルギーじゃなかったら、家で飼ってあげたいんだけどね。 あ、午前中にアマゾ●から、荷物きてたわよ」
若葉(わかば)「き、キタアアアーーー!!!」
〇女の子の二人部屋
若葉(わかば)「今日はKAMIKAZEジャパンの3rdアルバムフラゲ日なんだよ〜❤️❤️ はああ。なに、このジャケット神じゃん!」
若葉(わかば)「みんな良いけど、やっぱりUちゃむだわ〜。す・き❤️」
紅葉(くれは)「おねーちゃん、趣味悪っ!センターのKくんならまだしも、UちゃむはKAMIKAZEじゃなきゃ、どこにでもいる普通男子だよ」
若葉(わかば)「はああ?」
若葉(わかば)「Uちゃむはねえっ、デビューできないって言われながら、長年Jrで頑張ってきた努力の人なの!」
若葉(わかば)「KAMIKAZEは、この秀才であるUちゃむが居なかったら、成り立たなくなるんだからねっ!」
紅葉(くれは)「本当は、おねーちゃんが小学生の時から好きな、」
紅葉(くれは)「柾先輩にUちゃむが似ているだけなんだけどね」
紅葉(くれは)「ハイハイ、ごめんね。ガチオタにはかなわないわあ。早く上映会しよ」
若葉(わかば)「悪いけど、まだ準備できてないから」
紅葉(くれは)「準備って?」
若葉(わかば)「ライブTシャツ、ウチワ、ペンライト。 これは3種の神器よ。 推しのアクリルスタンドもTV前にセットしてっと」
紅葉(くれは)「春高美人ランキングでおねーちゃんに投票してくれた人達、ゴメンなさい。 うちのおねーちゃんは、アイドルのガチオタなんです」
〇美術室
若葉(わかば)「柾くんと、もう少し仲良くなりたいな」
若葉(わかば)「でも、授業中はいつも寝ているし、放課後は部活だし、選択授業の美術でしか、話す機会ないんだよね」
美術の先生「今日も人物画完成しないペアは、このまま放課後も、残って仕上げていくように」
若葉(わかば)「ま、柾くんはどうかな?私の絵、描けた?」
柾(まさき)「ゴメン!まだ顔が描けてなくて」
若葉(わかば)「そうだよね。初日に私が倒れたりしたから・・。 放課後までつきあわせて、私こそゴメンね」
若葉(わかば)「柾くんには悪いけど、これは仲良くなるチャンス!」
柾(まさき)「う〜ん。あ〜。いや〜」
若葉(わかば)「ど、どうしたの?」
柾(まさき)「なんか、表情が固いというか、もう少し柔らかい顔が描きたいんだけど」
若葉(わかば)「柾くんとまともに話すの初めてだから、緊張が顔に出たのかも」
若葉(わかば)「お話ししながら描くのはどうかな?」
柾(まさき)「いいね」
若葉(わかば)「柾くんて、普段は何してるの?」
柾(まさき)「俺、漫画とアニメオタクなんで、常に嫁探ししているなあ」
若葉(わかば)「よ、ヨメ?お嫁さん?」
柾(まさき)「そう。好きな作品には、1人好きな推しの女の子ができちゃうんだよね。 どっかのアイドルじゃないけど、一夫多妻制やってるよ」
若葉(わかば)「柾くん、変わらないね。 そんな柾くんだから、私もずっと推していられる」
柾(まさき)「あ、その表情」
若葉(わかば)「え?」
柾(まさき)「これで、どうかな?ちょっと見て」
若葉(わかば)「わあ・・・スゴい!柾くんて、絵激ウマ・・!!」
柾(まさき)「嬉しいな。 俺、絵だけは自信あるんだよね」
若葉(わかば)「で、でも、私こんなに可愛くないから、みんなが見たら詐欺だって言われちゃうかも」
柾(まさき)「若葉ってさあ、自分で美人なの知らないの?」
若葉(わかば)「柾くん、思ってることすぐに口にしちゃうタイプなんだ。ちょっと恥ずかしいなあ」
柾(まさき)「俺の絵も出来た?見せてよ」
若葉(わかば)「はいっ。ココロを込めて、描きました!」
柾(まさき)「う・・・若葉こそ、気を使わなくていいのに。 俺こんなにキラキラしてね〜よ?」
若葉(わかば)「しまったああ、 推しフィルターが発動してしまったわ。つい、イケメンに描いちゃった!!」
若葉(わかば)「わ、私にはこう見えたからっ。良いのっ」
柾(まさき)「お互い褒めてりゃ、世話ないね。 あ〜終わった終わった。さ、帰ろ」
若葉(わかば)「結局、あの時の話しは出来なかったけど、少しは柾くんと話せて、一歩前進かな?」
〇女の子の二人部屋
若葉(わかば)「今までは見守るだけで良かったのに」
若葉(わかば)「ちょっと話したら、欲が出てきたみたい」
若葉(わかば)「もっと、もっと柾くんとお話ししたいよう」
白猫「柾の好きなキャラに変身して、気を引いてみたらどう?」
若葉(わかば)「うっそ?猫が喋った?」
白猫「若葉のお母さんには、いっつも美味しいゴハンをもらってマス。 恩返しに、若葉を応援してあげるよ」
若葉(わかば)「わわわ」
ELLE(エル)「えっ、なにコレ。私どーなったの?!」
白猫「電影魔法少女に出てくる、ニュータイプのヒロインELLEになったよ。口の中の矯正器具がチャームポイント!」
ELLE(エル)「喋る猫に、変身。これって夢だよね」
ELLE(エル)「だけど」
ELLE(エル)「夢なら、何でもできる気がする。 もしかして、魔法で柾くんのところにも行ける?」
白猫「魔法使えるよ♪ クルッと回って、行きたいところを言ってね」
ELLE(エル)「柾くんの家!」
〇男の子の一人部屋
ELLE(エル)「こ、こんばんはあ」
柾(まさき)「えっELLE・・・のコスプレした若葉?! なにコレ。 俺は夢を見ているのかあっ??」
ELLE(エル)「(もう私ってバレちゃった・・・。) そう、私もビックリしたけど、コレ夢なんだよね。 スゴいでしょ」
柾(まさき)「俺の欲望がまんま夢になるとは!! 我ながら恥ずかしくなってきたぞ!!」
ELLE(エル)「ねえ、柾くん、コレ見て何か思い出さない?」
柾(まさき)「チャームポイントの矯正器具は、俺の憧れだった」
柾(まさき)「歯並びが良いのに歯医者に行きたいって駄々をこねて、オフクロにゲンコツくらったなあ」
柾(まさき)「そういえば、小学生の時に矯正していた女の子がいたような」
ELLE(エル)「それが、私」
ELLE(エル)「転校生だったし、周りに矯正している子供も居なかったから」
ELLE(エル)「男子にはイジメられてたんだよね」
〇街中の公園
柾(小学生)「スゲーカッコイイ!ELLEじゃん」
柾(小学生)「俺も矯正して、ニュータイプになりたい!」
〇男の子の一人部屋
ELLE(エル)「そう言ってくれたから、イジメがなくなったんだよ」
ELLE(エル)「あの時は、ありがとう! ずっと、お礼を言いたかったんだ」
柾(まさき)「イジメってゆうか、若葉が可愛かったから、男の子は構いたかっただけだけどな」
柾(まさき)「それにしても」
柾(まさき)「めちゃくちゃリアルな夢なんですけど? 触っても、怒らない??」
ELLE(エル)「ひゃ・・手握られた」
柾(まさき)「や、柔らけ〜。ちっちゃい〜。可愛い〜。 はああ、これ以上はヤバい」
ELLE(エル)「あ、あの、わ、わた、私、 柾くんのこと、好きなの!!」
ELLE(エル)「柾くんの、よ、嫁の1人にしてください!」
ELLE(エル)「あれ。反応ない」
ELLE(エル)「わわっ!柾くんが倒れた〜!!」
〇女の子の二人部屋
若葉(わかば)「昨日はぶっ飛んでるけど、良い夢だったな」
若葉(わかば)「いきなり嫁は言い過ぎたな・・」
若葉(わかば)「ホントにコスプレする勇気はないけど」
若葉(わかば)「今日は柾くんに、気持ちを伝えられるかもしれない」
若葉(わかば)「ココロの奥で推すのも良いけど」
若葉(わかば)「やっぱり、この気持ちは届けたい!」
〇学校の駐輪場
若葉(わかば)「柾くん!」
若葉(わかば)「お願いします!」
若葉(わかば)「私とつき合ってほしいの!」
to be continued・・・
本編ではピュアで可愛らしい若葉が、まさかこんな濃ゆいキャラだったとは!楽しいギャップに笑ってしまいました。2人の可愛らしい恋愛は見ていて幸せになります!
アイドルとかコスプレの世界にはまるオタクの人って、現実の恋愛には興味がないというイメージだけど、この二人が両刀使いなところが楽しかったです!
お互いが好きすぎて倒れたりしているのが可愛すぎました。アニメ好きな男子のことも少し理解できたような気がします。小さい頃メガネがコンプレックスだった私に優しい言葉をかけてくれた男の子がいて、若葉ちゃんと同じように恋していました。