恋する乙女、エイリアン♡

しばしば

エピソード1(脚本)

恋する乙女、エイリアン♡

しばしば

今すぐ読む

恋する乙女、エイリアン♡
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇地球
エイリアン「私は、エイリアン」
エイリアン「地球を征服するために宇宙からやって来た」
エイリアン「まずはスーパーから攻めるわ」

〇スーパーマーケット
エイリアン「あいにくの雨だが」
エイリアン「ウフフ、 地球人め、覚悟しておけ」

〇スーパーの店内
エイリアン「えっ、何これ! おいしそうな飲み物が並んでいるわね」
エイリアン「とりあえず持って帰ろうっと」
  エイリアンがリュックに
  商品を入れた・・・その時!
  誰かに、そっと手をつかまれた
衛(マモル)「何をしているの?」
エイリアン「えっ?」
衛(マモル)「その飲み物、お金払った?」
エイリアン「そんなの、払わなくていいじゃない」
エイリアン(地球人のものなんだもの)
衛(マモル)「ダメだよ」
衛(マモル)「お金を払わなかったら 万引きっていう犯罪なんだ」
エイリアン「し、知らないわ、そんなこと!」
エイリアン「とにかく私の手を離して!」
衛(マモル)「嫌だ、君の手を離さない」
エイリアン「えっ!」
  彼はエイリアンの手を
  ぎゅっと強く握りしめた
エイリアン「ちょっ、ええっ!」
衛(マモル)「君の綺麗な手を」
衛(マモル)「犯罪なんかで汚してほしくないんだ」

〇黒
エイリアン「私の手が綺麗ですって?」
エイリアン(そんなの初めて言われたわ・・・)
エイリアン(よく見たら なかなか男前な地球人ね)

〇スーパーの店内
衛(マモル)「もしかしてお金持ってないの?」
エイリアン「・・・」
衛(マモル)「じゃあ今回だけ僕が払うよ」
衛(マモル)「内緒だよ」
  彼は支払いを済ませてくれた

〇スーパーマーケット
衛(マモル)「じゃあ、帰り気をつけてね」
衛(マモル)「もう万引きしたら、だめだよ」
エイリアン「あっ、ありがとうございました」
エイリアン「お名前だけでも・・・」
衛(マモル)「マモルだよ」
「じゃあね!」
  エイリアンは彼の後ろ姿を
  しばらく目で追っていた
エイリアン「マモル・・・」
エイリアン「マモたん・・・」
エイリアン「マモル様・・・」

〇ハート
エイリアン「はう、胸が苦しい」
エイリアン「これが、きっと恋ね」
エイリアン「かっこよかったなあ」
エイリアン「私の手、ぎゅってされたあ」
エイリアン「手、洗わないでおこう」

〇宇宙戦艦の甲板
エイリアン「パパ、ただいまー」
エイリアン父「おかえり」
エイリアン父「よく戻った」
エイリアン父「今日の収穫はどうだった?」
エイリアン父「どんだけ好きなんだ!」
エイリアン父「違うだろ!」
エイリアン父「地球人を捕まえたり やっつけたりとか、そういう・・・」
エイリアン「ねえ、パパ」
エイリアン父「ん?何だ」
エイリアン「エイリアンと地球人って結婚できる?」
エイリアン父「唐突だな」
エイリアン父「無理だ」
エイリアン父「エイリアンと地球人が 分かり合うことはない」
エイリアン「イケメンの地球人と結婚できないの?」
エイリアン父「だから唐突だぞ」
エイリアン父「自分たちの体を見てみろ」
エイリアン父「緑色で醜い体じゃないか」
エイリアン父「相手にしてもらえるわけがない」
エイリアン「そんなあ」

〇宇宙空間
エイリアン「私がエイリアンだからだめなの?」
エイリアン「せっかくの初恋だったのに」
エイリアン「同じ地球人になれたら・・・」
魔法使い「わしは魔法使いじゃ」
エイリアン「えっ!」
エイリアン「魔法使いって本当に実在するんだ!」
魔法使い「お前に言われたくない」
魔法使い「悩んでいるみたいだな」
魔法使い「願いを叶えてあげよう」
エイリアン「本当?やった、ありがとう」
エイリアン「あのう、どうせなら美人に・・・」

〇宇宙空間
美少女「これが私?」
魔法使い「フフフ、いい感じじゃろ」

〇スーパーの店内
美少女「ふんふんふ〜ん♫」
美少女「バナナミールク〜♫ いちごオレ〜♫」
衛(マモル)「ねえ、君!」
衛(マモル)「ハンカチ落ちたよ」
美少女「まあ、私ったら」
美少女「ありがとうございます」
衛(マモル)「どういたしまして」
美少女「お礼に何かご馳走させてください」
衛(マモル)「そんな気を遣わなくていいんだよ」
美少女「いえ、お礼がしたいんです!」
衛(マモル)「じゃあ、お言葉に甘えようかな」

〇ハート
エイリアン「ハンカチ作戦、大成功」
エイリアン「これって、デートよね、デート!」
エイリアン「あーん、もう緊張しちゃう」

〇ケーキ屋
美少女「ここは?」
衛(マモル)「ずっと行きたかったケーキ屋」
衛(マモル)「男一人だと なかなか入る勇気なくてさ・・・」
衛(マモル)「って、なんか恥ずかしいな」
美少女「マモルさん、ケーキ好きなんですね」
衛(マモル)「うん」
衛(マモル)「そう言えば、君の名前知らないな」
衛(マモル)「聞いてもいい?」
美少女「私の名前はエイリア・・・」
美少女「じゃなくて、えっと」
美少女「エミリーです」
衛(マモル)「かわいい名前だね」

〇ハート
エイリアン「か、かわいいだって」
エイリアン「もお、やだあ」

〇ケーキ屋
衛(マモル)「ケーキきたみたいだね」
衛(マモル)「よかったら先に食べて」
衛(マモル)「感想が知りたいし」
衛(マモル)「エミリーの食べている顔が見たい」

〇ハート
エイリアン「いやん、見ないで〜」

〇ケーキ屋
美少女「いただきます」
美少女「はむはむ」
衛(マモル)「ちょっと待って、動かないで」
美少女「えっ」
  マモルはエミリーの頬に手を伸ばした
美少女「きゃっ」
衛(マモル)「ごめんごめん、 ほっぺに生クリームついてたから」
  マモルは指先をぺろりとなめた
衛(マモル)「うん、クリームおいしいね」
衛(マモル)「どれどれ・・・ うん、ケーキもすっごくおいしい」

〇ハート
エイリアン「今、私のクリーム食べた?」
エイリアン「もお、鼻血出る」

〇渋谷のスクランブル交差点
衛(マモル)「ふぅ、食べた食べた」
美少女「結局、私が 奢ってもらっちゃったんですけど・・・」
衛(マモル)「いいの、いいの」
衛(マモル)「エミリーに会えただけで満足だから」
衛(マモル)「今日はありがとう」

〇落下する隕石

〇落下する隕石

〇渋谷のスクランブル交差点

〇渋谷のスクランブル交差点
美少女「うわあ、でっかいクッキー」
衛(マモル)「あっ、危ない!」
  マモルがエミリーに覆い被さる

〇温泉の湧いた渋谷
美少女「マモルさん!」
  返事がない
  マモルは体に深い傷を負っていた

〇黒
エイリアン「私のせいで、マモルさんが・・・」
魔法使い「助けてやろうか?」
エイリアン「お願い、何でもするから」
魔法使い「助けるには、たくさんの力が要る」
魔法使い「お前にかけている魔法は消え エイリアンに戻るだろう・・・」
魔法使い「それでもいいか?」
エイリアン「気にしないわ」
魔法使い「マモルとデートできなくなるぞ」
エイリアン「いいの」
エイリアン「彼が生きてさえいれば」
魔法使い「分かった」

〇黒

〇温泉の湧いた渋谷
衛(マモル)「あれ?痛くない」
衛(マモル)「エミリー、どこ?」
エイリアン(さようなら、マモルさん)
エイリアン(エミリーなんて、この世にいないの)
  エイリアンが立ち去ろうとした
  ・・・その時
  力強く手をつかまれた
衛(マモル)「君がエミリーだよね」
エイリアン「どうして分かっ・・・」
衛(マモル)「出会った時から気づいてた」
衛(マモル)「あの鼻歌・・・」
衛(マモル)「僕の名前も知ってた・・・」
衛(マモル)「透き通る赤い瞳・・・」
衛(マモル)「綺麗な手・・・」
エイリアン「手?」
衛(マモル)「万引きする前 弱ってた猫にミルクをあげてたよね」

〇スーパーマーケット
  エイリアンがスーパーに入る前──
猫「みゃー」
エイリアン「お腹空いて動けないって?」
エイリアン「温めモードオン」
エイリアン「はい、ホットミルクだよ」
猫「みゃー♫」

〇温泉の湧いた渋谷
衛(マモル)「あの時、なんて温かくて 綺麗な手なんだって・・・」
衛(マモル)「それからずっと気になってた」
衛(マモル)「君のことが好きだ」
エイリアン「エミリーじゃなくて?」
衛(マモル)「うん」
衛(マモル)「ありのままの君が好き」
エイリアン「うわーん、鼻水出ちゃう」
  マコトは泣いて喜ぶエイリアンを
  そっと優しく抱きしめた──

〇温泉の湧いた渋谷
エイリアン父「娘が・・・」
  ドンッ
エイリアン父「おっと、失礼」

〇雷
エイリアン父「なんてミステリアスで素敵な人だ」
エイリアン父「これは運命だ」
  恋は突然始まる・・・
  時には宇宙という大きな垣根を越えて─
  完

コメント

  • 地球制服の手始めがスーパー、そして万引きという時点では笑ってましたが、その後の可愛い恋愛模様に心を掴まれて応援したくなっていました。感情を色々と揺さぶられます!

  • エイリアンことエミリー(エミリーことエイリアン?)の反応の可愛らしさにやられました!恋心は星や種別を超えて普遍的なものなのですね。キュンあり笑いありの素敵な物語でした。

  • 種族を越えた恋にキュンときました!エイリアンを見て、臆するどころか、内面を見た彼はとても男前だと思います!素敵な作品ありがとうございます!

コメントをもっと見る(10件)

成分キーワード

ページTOPへ