第四話 鶴亀対相(脚本)
〇教室
???「つーると かーめの すーべにあ〜♪」
???「はい、皆さんもご一緒にぃ?」
女子生徒「ひそ・・・ (あんな先生、居たっけ?)」
男子生徒「ひそひそ・・・ (いや知らね? つーか、この先公ヤバくね?)」
女子生徒「ひそそ・・・ (だよねー! なんか意味不明な歌、歌ってたし)」
???「おやおや。いけませんねえ? 皆さん若いのですから、もっと声を出して」
???「ああ、ワシとした事が!」
???「自己紹介がまだでしたねえ これは失礼致しました」
ミチト(・・・ウチらの担任、ドコイッタノ?)
キキョウ「ワシは万下 亀共(よろずした ききょう) という者です」
キキョウ「以後、御見知りおきを」
キキョウ「それと、もう一人! 皆さんにご紹介させたいお方が いらっしゃいます」
キキョウ「初等部からお越し下さいました、 皆さんのアイドル──」
キキョウ「"つるか☆めるか"様です!」
〇黒
???「つーると〜」
???「かーめの〜」
〇ゆめかわ
めるか「す 〜 べ に あ 〜 ♪」
〇教室
めるか「みんな〜! おまたせ〜! めるかだよー☆」
めるか「今日も元気に、 けんこーだいいちしてますかー?」
生徒一同「・・・・・・」
女子生徒「・・・え?! もしかしてあの、つるか☆めるかちゃん?」
男子生徒「あの人気急上昇のジュニアアイドル、 つるか☆めるかたんじゃないか?!」
生徒一同「きゃー! きゃー! めるかちゃーん! いつも応援してるよー!」
生徒一同「うっひょーう! めるかたん萌えたぎってキターッ!」
めるか「えっへへー! みんなありがと〜♪」
おかしい・・・
俺はそんなアイドルは知らない。
それにこの、
クラスメイト達の変わりよう・・・
まるで洗脳されているかのようだ。
ミチト「まさか、あの子が・・・!?」
キキョウ「流石、めるか様だ。 クラスメイトも意のままですねえ・・・」
キキョウ「そこの貴方。ちょっと、宜しいですか?」
ミチト「や、ヤバい! 話しかけてきやがった!」
キキョウ「ふむ──」
ミチト「なんだよ・・・」
キキョウ「やはり。 貴方からは"従属エネルギー"を感じます」
キキョウ「もしや、 貴方もワシと同じ従属人間でしょうか?」
ミチト「・・・え?」
〇教室
同時刻・クゥの教室──
シハイント「久しいな。我が妹よ。 まさかこんな形で再会するとはな」
クゥ「シハイント兄さん・・・ やはりこの学園に居たですね?」
シハイント「ああ。幸運にも、 湖澄区学園は宇宙開発に貢献しているからな」
シハイント「お陰で円滑に侵略する事が出来たよ──と、自画自賛を語ろうか」
クゥ「この学園は、 ミチトさんの夢を叶える場所なのです!」
クゥ「彼の素晴らしい夢を 台無しにするような真似は止めるのです!」
シハイント「──ほほう? あの地球人がそんなに気になるのか」
シハイント「さてはクゥよ。ホの字だな?」
クゥ「な──」
クゥ「な!?」
クゥ「何を言ってるのです!? クゥはただ、 彼の学園生活を取り戻したいだけで・・・」
シハイント「しはは、良いではないか。 従属光線で奴の精神を視たのであろう?」
シハイント「従属人間の性格や思想を知り、 気が合えば惹かれる事もある・・・」
シハイント「異星人が相手だからって、 恋愛は自由なんだぞ──と、 エールを送ろうか」
クゥ「話を逸らさないで欲しいのです・・・!」
クゥ「貴方は宇宙警備隊を裏切り、 重篤患者のイノッチを誘拐した・・・」
クゥ「そして、地球への過度な干渉。 惑星干渉条約の範疇を超えているのです」
クゥ「クゥは指令を受け、貴方を止める為に ここで拘束し連行しなければならないのです」
シハイント「おいおい、物騒だなあ?」
シハイント「それに、 イノッチは元気過ぎるくらい回復してるぞ」
クゥ「え── それはどういうコトです?」
シハイント「その内、会えるだろう。 楽しみにしていると良い」
シハイント「折角の再会じゃないか。 もっと盛り上げないとなあ、皆んな?」
女子生徒「モイー・・・」
男子生徒「モエー・・・」
クゥ「皆さん・・・? どうしちゃったのです?」
シハイント「言っただろう? 「学園を侵略した」──とな」
シハイント「ここの生徒を思いのままに 動かす事も出来るのだよ──と、 策士の如く語ろうか」
女子生徒「モイモイ〜?」
男子生徒「モエモエ〜?」
クゥ「そんな・・・」
クゥ「許せないのです・・・!」
クゥ「戦闘モードに移行。 任務を遂行するのです」
シハイント「ほう? 洗脳を解いたか」
シハイント「流石は我が妹だ──と、 賞賛に値しようか」
クゥ「次は貴方の番です」
シハイント「しっはっは、良いだろう! お前の力がどれだけ成長しているか、 試させて貰おうか!」
シハイント「さあ、遠慮は要らんぞ? お兄ちゃんの胸に飛び込んでおいで!」
クゥ「拒絶波動 (リジェクト・エミッション)──展開」
つまり──「だが、断る」である。
シハイント「え──」
〇空
シハイントは彼方へ飛んでいった──
〇荒廃した教室
クゥ「はっ!? しまったのです!」
クゥ「無力化して拘束するつもりが、 加減を間違えたのです」
クゥ(生徒の皆さんは、 眠っているだけのようですね。良かったです)
クゥ(兄さんやイノッチの事が気になるですが、 ミチトさんと合流するのが先決なのです)
クゥ(彼の身が危ないのです・・・!)
チヅル(・・・行ったみたいッスね)
チヅル(転入生が来るって聞いたから、 ワクワクしてたんスけど・・・)
チヅル(教室が無茶苦茶ッスよー! しかもシハイントさん、妹さんに やられちゃったじゃないッスかー!)
???「──チヅル。 彼女を・・・追いなさい」
チヅル「アイダさん? でも、アタシじゃ勝ち目ないッス!」
アイダと呼ばれた者「足止めするだけでいい。 その後は私がやる」
チヅル「りょ、了解ッス・・・」
尚、壊れた教室の修繕については
後にクゥ達によって工事が行われたという。
〇教室
同時刻・二学年教室──
ミチト「す、すれいばー? すれいぶえねるぎぃ? 一体、ナンノコトカナァ?」
キキョウ「誤魔化さなくても良いのです。 ワシにはちゃんと解るのですから」
ミチト「・・・だったら何だってんだよ? 俺だってなりたくてなった訳じゃねえんだよ」
キキョウ「どういう事でしょう? では何故、 貴方は従属人間になられたのですか?」
ミチト「知らねえよ! 昨日の放課後帰りに変な飛行物体を 追っかけてたら、アイツが現れて・・・」
キキョウ「ふむふむ・・・」
ミチト「そしたら変な光浴びて、 気付いたらシカになってたんだよ!」
キキョウ「従属光線ですね? それはそれは、気の毒に」
キキョウ「ですが、大変興味深い話です」
めるか「ねえねえ! お兄ちゃんは クゥ姉ちゃんの従属人間ってコトだよね?」
めるか「じぃじと戦ってみてよ! わたし、お兄ちゃんの変身見てみたーい!」
ミチト「え、ええー・・・」
キキョウ「めるか様。あまりお戯れが過ぎますと、 シハイント様に叱られますぞ?」
めるか「えー? いいじゃん! じぃじだって見てみたいでしょー?」
めるか「それにぃ、 じぃじはわたしの従属人間なんだよ?」
キキョウ「やれやれ。 めるか様には叶いませんな」
キキョウ「ここでは戦いにくいですので、 運動場に移動しましょう」
めるか「わーい! やったー♪」
めるか「それじゃあ皆んな! めるか達と一緒にぃ?」
めるか「運動場へ移動を始めるかー♪」
生徒一同「はじ・めるかー♪」
ミチト「ちょ、ま!?」
〇明るい廊下
一学年廊下──
チヅル「そこの転入生! ちょっと待つッスー!」
クゥ「みょん? 貴方は同じクラスの・・・」
チヅル「愛 千鶴ッス。 アンタ、シハイントさんの妹なんスよね?」
チヅル「兄妹なのに、 どうしてあの人の邪魔をするんスか?」
クゥ「チヅルさん・・・ 貴方は騙されているのです」
クゥ「シハイント兄さんは、学園を乗っ取って 生徒達を支配しようとしているのです」
チヅル「そんなの嘘ッス! あの人は地球を救ってくれるって 言ってたッス!」
チヅル「たとえシハイントさんの妹でも──」
チヅル「それ以上は見過ごせないッス!」
サウザンド・クレイン「従属変身── 羽々多姫(はばたき)の サウザンド・クレイン!」
クゥ「そんな・・・ チヅルさんが従属人間だなんて」
サウザンド・クレイン「さあ、アタシが相手になるッス! 覚悟するッスよ!」
〇惑星
☆おまけクゥかん・その4☆
シハイント「さて、クゥ達の運命は如何に・・・!」
シハイント「──と、ナレーションの如く語ろうか」
クゥ「シハイント兄さん! 勝手に締め括らないで欲しいのです!」
クゥ「拒絶波動──展開」
トゥ・ビィ・コンティニュード・・・
(次回へ続く)
従属人間同士の戦い……。
果たしてミチトもとい鹿は無事で済むのでしょうか。
ジョニー「お前をボコす」
シハイント「」
デデン