エピソード7(脚本)
〇電気屋
久保田光「あ、あ・・・」
〇電気屋
村木駿「このコンセント、やっぱり現場に仕掛けられてた盗聴器と同じものですね」
赤地正男「・・・・・・」
久保田郁美「まあ、ありふれたタイプだからね」
村木駿「これ、錦戸さんに売ったかどうか分かんないっすかね?」
久保田郁美「んー、流石にちょっと・・・」
村木駿「っすよねー」
赤地正男「店頭にあったコンセントですが、参考に持ち帰って調べさせて頂いても大丈夫でしょうか」
久保田郁美「ええ、まあ。 別にふつうのコンセントだと思うけど」
赤地正男「念のためです。いまは少しでも手がかりが欲しいものですから」
赤地正男「おいくらですか?」
久保田郁美「あ、いいよ別に、捜査協力ってことで」
赤地正男「いえ、そういうわけにはいきません」
赤地正男「商品をいただくのですから、それに対する対価はきちんとお支払いしないと」
久保田郁美「ふーん、刑事なのに律儀だね」
村木駿「刑事なのにって、偏見がすごいっすね」
赤地、店内の端にいる光をちらりと見る。
赤地正男「・・・・・・」
〇電気屋
久保田光「・・・・・・」
赤地は、光を見つめてフフっと微笑む。
〇電気屋
赤地正男「では、我々はこれで」
赤地正男「どうぞ久保田さんもお気をつけて。 被害者には若い女性が多いですから」
久保田郁美「え、そんな若くて綺麗だなんて、いやー」
赤地正男「行こう」
村木駿「うす」
〇電気屋
赤地は光をチラリと見たあと、そのまま黙って過ぎ去っていく。
久保田光「・・・・・・」
久保田郁美「毎度ありがとうございまーす」
久保田郁美「いやー、刑事ってもっといかつくて乱暴なイメージがあったけど、あんな良い人もいるもんなんだね」
久保田郁美「光もあれぐらい紳士的になりなさいよ? 間違ってもお父さんみたいになっちゃダメだからね」
久保田光「・・・あの、僕」
久保田郁美「そういえば、あんたさっき何か言いかけてたけど、何言おうとしてた?」
久保田光「・・・ちょっとランニングしてくる」
久保田郁美「え、ちょ、光」
久保田郁美「・・・・・・」
久保田郁美「インドア派のくせに、どうしちゃったのかな?」
〇市街地の交差点
久保田光「はぁっ、はあっ・・・」
久保田光「!」
村木駿「そのコンセントどうするんすか?」
赤地正男「俺の方で鑑識に回しておくよ」
村木駿「んー、なんでもない気はしますけどねー」
赤地正男「ダメもとだよ」
村木駿「あ、もう少し聞き込みしますよね?」
赤地正男「そうだな」
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