48 幻惑の庭を行くミムレット(脚本)
〇桜並木
ミムレットは、舞い散る花びらの中を歩いていた。
ミムレット「不思議だ」
ミムレット「ずーっと花びらが舞ってる」
ミムレットは舞い散る花びらに手を伸ばした。
ミムレット「シャラのやつ、突然こんなところに飛ばして・・・」
〇海辺
あの時──敵に囲まれて、矢の雨を降らされた時。
シャラは、ペンダントをミムレットにかけながら言った。
シャラ「この道具が、おまえを別の場所へ飛ばす」
シャラ「出た先が、ハランとの待ち合わせ場所だ」
シャラ「街の中で待機していろ」
シャラ「返事は」
ミムレット「わ・・・わかった」
シャラ「ならば行け」
〇黒背景
〇桜並木
出た先が、ここだった。
花が舞い散る、庭のような場所。
ミムレット「シャラのやつ、無事かな・・・」
ミムレットは一粒の宝石に手を当てた。
あの時に、シャラから託された宝石だ。
『球』の中でモンスターとなり果てた人間。
そのモンスターを吸い込み、閉じ込める道具だ。
この宝石を楔として、『球』の壁を壊す。
それが、ミムレット達の目的だった。
ミムレット「・・・『球』の外に、出るために」
ミムレット「・・・うん」
ミムレット「アタシなら大丈夫」
ミムレット「もし敵が来ても、あたしなら倒せる!」
ミムレット「アタシは強いんだから」
ミムレット「・・・だから、シャラも任せてくれたんだ、きっと」
ミムレット「きっと・・・大丈夫」
ミムレット「無事だよな?シャラ・・・」
ふと、何かが動く気配がした。
鳥「チチチ──」
ミムレット「ビックリした・・・鳥?」
ミムレット「あ!待て!」
〇後宮の廊下
鳥「チチチ」
ミムレット「なんだここ・・・廊下?」
面影の少女「おや、珍しい」
面影の少女「お客人かえ?」
ミムレットは尻尾を膨らませて唸りを上げた。
ミムレット「誰だ!おまえ!」
面影の少女「おまえこそ何者だ? 私の庭に勝手に入り込みおって」
ミムレット「あんたの・・・庭?」
少女は微笑みを絶やさず、静かに告げた。
面影の少女「問答は要らぬか」
すらりと刀を抜いた少女と、身構えるミムレット。
面影の少女「さあ」
面影の少女「仕合おう」


