エピソード1 失地獄(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
ミナトがまだ幼い頃、両親からひどい兄弟差別を受けた。
ミナトが6歳の頃の話である。
ミナトの自宅
マナト「お父さん見て、100点取れたよ!」
ミナトの父「おお!マナトすごいね!」
ミナト「お父さん見て、僕96点取ったよ!」
ミナトの父「96点だと、もっと弟のように優秀になれ!」
ミナトの母「本当に出来損ないねミナトは・・・」
ミナト「お母さん・・・」
ミナトの父「それにしてもマナトは優秀だね、パパの誇らしい息子だ」
マナト「えへへ、それほどでも」
ミナトの母「今日はマナトの好きなケーキよ!」
マナト「わーい!」
ミナトの母「ミナト、あなたの分はないわよ、部屋で大人しくしていなさい!」
ミナト「は、はい・・・」
マナト「ミナトの落ちこぼれ!」
ミナト「・・・」
幼少期のミナトは、両親から兄弟差別を受け、幼少期の彼は心を傷つけた。
〇車内
車の中
ミナトは父親に連れられ、車の中に押し込んだ。
ミナト「お父さんどこに行くの?」
ミナトの父「黙ってついてこい・・・」
ミナト「は、はい」
ミナトは父親に連れられ、ある場所に行った。
〇綺麗な一戸建て
ミナトの父「ここだ、降りろ・・・」
ミナト「はい・・・」
2人は玄関のドアのところに行った。
〇飾りの多い玄関
ミナトの義父「はーい・・・」
ミナトの父「よう弟よ」
ミナトの義父「こんな時間に何だ?」
ミナトの父「早速だが」
ミナト「・・・」
ミナトの父「こいつはお前の家で育ててもらう」
ミナトの義父「はあ、正気か?」
ミナトの父「俺にはマナトという息子がいるからな、手がいっぱいなんだよ」
ミナトの義父「だからって、弟夫婦の家に自分の息子を押し付けること自体がおかしいよ!」
ミナトの義母「何の騒ぎ?」
ミナトの義母「あんたは兄夫婦のところじゃないか?」
ミナトの義母「うちらに何の用?」
ミナトの父「決まってるだろ!こいつをお前たちのところで育ててもらう!」
ミナトの義父「お前狂ってるな?クズ!」
ミナトの義母「そうよ、なんであんたたちの息子が私たちが育てなきゃいけないの?」
ミナトの義母「親としては恥ずかしくないの?」
ミナトの父「こんな奴が俺の弟だなんて・・・情けない!」
ミナトの義父「テメエ!もう1回言ってみろ、兄弟として絶縁するからな!」
ミナトの父「あー2度とお前の顔を見たくないからな、絶縁だ」
ミナトの父「じゃあな!」
ミナト「お父さん・・・」
ミナトの義父「たく・・・」
ミナトの義母「ミナトだよね」
ミナト「は、はい・・・」
ミナトの義父「今まで辛かったんだね・・・」
ミナトの義母「もうあなたはあの両親に行く必要はない」
ミナトの義父「たく、無責任な兄だ」
ミナトの義父「ミナト、ここは今日からお前の家だ!」
ミナトの義父「遠慮なく使ってもいいぞ!」
ミナト「ありがとう!」
こうしてミナトは、義両親の家で育てることになった。
〇シックなリビング
ミナトの義父「タクミ、お前に紹介した奴がいる!」
タクミ「紹介したい人?」
ミナト「こんにちは・・・」
ミナトの義父「お前のいとこのミナトだ」
タクミ「ミナト!僕はタクミよろしく」
ミナト「こちらこそよろしくお願いします、タクミさん!」
こうして、ミナトはいとこでありながら、兄のような存在のタクミと仲良くなりました。
〇学校の校舎
11年後
カズマ「ミナト、おはよう!」
ミナト「おはよう、カズマ!」
カズマ「授業終わったら一緒に、一緒に自宅でゲームやろうぜ!」
ミナト「もちろんだ!」
ミナトはカズマにとっては親友でした。
〇学校の校舎
ミナト「もう夕方だね・・・」
カズマ「じゃあ俺の自宅に来いよ」
カズマ「ゲームやろうぜ!」
ミナト「うん!」
「ミナト♡」
カナ「久しぶり♡」
ミナト「カナ♡」
カズマ「彼女は?」
ミナト「俺の彼女だ!」
カズマ「彼女!」
カナ「初めまして、ミナトの彼女のカナです!」
カズマ「あ、よろしく・・・」
カナ「ミナト・・・今日私とデート付き合ってよ、ねえ♡」
ミナト「そう言われても・・・」
カズマ「いいじゃないか、彼女とデートに行けよ、ミナト」
ミナト「えっ、でも・・・」
カズマ「ゲームはまた今度な」
ミナト「あ、あ・・・」
カナ「早く行きましょうよ!」
ミナト「あ!」
カズマ「ちっ・・・彼女いるのかよ、羨ましい・・・」
カズマ「俺も彼女が欲しかったな・・・」
カズマは2人を見て羨ましがり、1人寂しく帰った。
〇レストランの個室
レストラン
カナ「ここのレストランは最高ね♡」
ミナト「そうだね♡」
カナ「あの、ミナト・・・」
ミナト「どうしたの?」
カナ「ねえ、ねえ、ミナトはお金持ちだよね?」
ミナト「お金持ちじゃないけど・・・」
カナ「嘘つかないでよ」
カナ「お金持ちじゃなかったらこんなところ来ないよ」
ミナト「そうじゃないけど」
ミナト「カナ、人はお金よりも、お互いの気持ちが大切だと思うよ」
カナ「そ、そう・・・」
ミナト「お金よりも心が一番だからね」
カナ「そりゃ・・・そうね・・・」
ミナト「カナどうしたの?」
カナ「別になんでもないよ・・・」
ミナト「なら良いけど・・・」
〇店の入口
レストラン前
カナ「美味しかったわ、ありがとうミナト♡」
ミナト「こちらこそありがとうカナ♡」
ミナト「じゃあ次のデートでね、待ってるよ♡」
カナ「うん♡」
カナ「チッ・・・やっぱりミナトは、好青年だからうざいわね・・・」
カナ「お金持ちじゃないと聞いてハズレだわ・・・」
カナ「よし、今度はカズマに乗り移ろ!」
カナ「ミナトは多分貧乏人ね!」
カナ「カズマだったら、どう見てもお金持ちね♪」
〇広い公園
次のデートの日
ミナトは今日はカナの集合場所の公園でデートの待合をしていました。
しかし・・・
ミナト「カナ♡」
カナ「ミナト・・・」
ミナト「どうした♡」
カナ「実は・・・」
カナ「別れて欲しいの」
ミナト「えっ何で?」
「ようミナト!」
カズマ「よう!」
ミナト「カズマ、何でこんなところにいんの?」
カズマ「話はカナから聞いたで、どうやらお前がタイプじゃないらしいわ」
ミナト「は!」
カナ「私、カズマさんと付き合うから♡」
ミナト「待ってよ、デートの約束は?」
カナ「なしになったわ、代わりにカズマさんと一緒にデートに行くから♡」
カズマ「ということだ、残念だったなミナト」
カズマ「お前の彼女もらうな」
ミナト「カズマ、親友だと思ってたのに、この裏切り者!」
カズマ「怒るなよ、彼女はお前好みではなく、俺好みってことだ」
ミナト「悪いけど、お前との親友の縁は切る!」
カズマ「あーそうかい、俺もお前のことはうざいと感じた」
カズマ「じゃあな!」
カナ「さよなら、元恋人ミナト」
ミナト「・・・」
〇繁華な通り
歌舞伎町
ミナト「・・・」
ミナトは元親友と元恋人に裏切られたことで、心の中は傷つけられた。
そして、彼を追い討ちにかける事件が起きた・・・
ミナト「電話?」
ミナト「はい、もしもし」
「ミナト、大変だ急いで来てくれ!」
ミナト「タクミ兄ちゃん、どうしたの?」
「おやじとおふくろが死んだ・・・」
ミナト「え?」
ミナト「何だって!」
〇警察署の霊安室
警察署の霊安室
ミナトとタクミは警察署の霊安室に急いで駆けつけた。
ミナト「義父さん、義母さん・・・」
タクミ「おやじ、おふくろ・・・」
警察官「大変ご冥福をお祈りします・・・」
ミナト「なんで・・・」
ミナトの義両親の遺体がそこにあり。
義両親は自宅の帰りの際、車に乗っている最中にトラックに衝突してしまい亡くなった。
ミナト「どうして・・・」
ミナトとタクミは義両親が亡くなったことでショックを受けました。
〇男の子の一人部屋
ミナトの部屋
ミナト「・・・」
義両親の葬儀の後、家にはミナトとタクミだけになった。
そして、高校ではちょうど夏休みが始まった。
タクミ「ミナト、大丈夫か?」
ミナト「大丈夫だよ・・・」
タクミ「一緒に外出しないか?」
ミナト「うん・・・」
ミナトとタクミは寂しさを紛らわすために外出しました。
〇デパートのサービスカウンター
ショッピングモール内
ミナトとタクミがショッピングモールを歩いていると
ミナト「・・・」
タクミ「・・・」
とある旅行代理店のポスターが貼ってあるのを見た
そこにはフィリピンの船旅、3島巡り、5日間の旅、17万円と書かれていた。
ミナト「船旅か・・・」
タクミ「気になるか?」
ミナト「まあね」
タクミ「葬儀の後に聞いたぞ」
タクミ「お前、恋人と親友に裏切られたようだな」
タクミ「ちょうどおやじたちが残した、遺産があるからさ、傷心旅行でも行ったら?」
ミナト「え?いいの?」
タクミ「いいって、いいって!」
タクミ「旅行を楽しんで来い」
タクミ「辛いことも忘れろ!」
ミナト「ありがとう!」
ミナトは人生初の海外の旅に出ました。
〇クルーザーのデッキ
クルーズ船内
ミナト「風が気持ちいい!」
ミナトは初めてのクルーズ船に乗った。
ミナト「本当だったら兄ちゃんも連れて行きたいところだけど」
ミナト「バイトとかの理由で行かないって言ってたな」
ミナト「1人で心の癒しに行くのは、逆に兄がいないと寂しいもんだな・・・」
ミナトは元恋人と元親友の裏切り、そして義両親が亡くなったことで、心が傷つき、まだ整理していませんでした。
ミナト「心痛いよ・・・」
〇クルーザーのデッキ
クルーズ船内
ミナト「義父さん・・・義母さん・・・」
ミナトは義両親のことを思い出した。
〇シックなリビング
「ミナト、誕生日おめでとう!」
「ミナト、うちらからの誕生日プレゼントやで!」
「やったあ!ありがとう、義父さん!義母さん!」
「大好き!」
「照れるな・・・」
「パパとママも好きよ」
「ミナト、兄ちゃんのことも忘れんなよ!」
「うん、分かったよ兄ちゃん!」
「兄ちゃん大好き!」
「もう照れるな」
〇クルーザーのデッキ
クルーズ船内
ミナト「義父さん・・・義母さん・・・」
ミナト「僕これからどうしたらいいんだろう・・・」
ミナトは義両親との思い出で心が苦しくなりました。
〇クルーザーのデッキ
クルーズ船内
ミナト「雨かな?」
ミナト「船内に戻ろう・・・」
〇海
クルーズ船内
すると突然巨大な嵐に見舞われます。
「緊急事態発生、巨大な津波が船に向かって直進しています!」
「乗客の皆様!船に捕まってください、船外に出ているお客様!船内に入ってください!」
ミナト「やばいな!」
ミナトと他の乗客たちは急いで船内に避難しました。
〇ホテルのエントランス
クルーズ船内
船の中のエントランスに入ったが、大量の水がエントランス内の中に入った。
「やばい水が入ってきた!」
「この船どうなってるの?!」
ミナト「急いで船外に!」
ミナトは乗客たちと共に船外に出て行きました。
〇海
クルーズ船内
「押さないでください!押さないでください!」
「避難用のボードはただいま満席です!」
「次のボートまでご案内します!」
従業員の誘導により、乗客が次々と避難ボートに乗りましたが、ミナト最後の一人になると船は大きく傾き転覆しようとします。
「お客様!」
ミナト「やばい傾く!」
ミナトは足を滑らせてしまい、傾いてしまった方向に行ってしまいました。
ミナト「うわー!滑る!」
「お客様!」
ミナト「うわー!」
〇水中
海中
そして、ミナトは海に投げ落とされました。
ミナト(あー!)
ミナト(助けて・・・)
ミナト(もしかしたら、俺死ぬかも・・・)
覚悟を決めた瞬間。
突如、人影のようなものがこちらに近づいてきたが、
ミナトはそれが何なのかが知らず、気絶したままゆっくりと目を閉じてしまいました。
ミナト「・・・」
〇海辺
無人島
「ここは・・・どこだ?」
ミナ「よかった、目を覚ましたのね!」
ミナトの目の前には白い貝殻のブラジャーを着用した女の子がいました。
「あなたが助けたんですか?」
ミナ「はい、私はあなたをこの浜辺に連れて来ました」
「そうなのか・・・」
ミナ「はい!」
ミナ「しかし、あなたは呼吸をしていない瀕死状態だった」
ミナ「このままでは命の危機を感じたので」
ミナ「ですから仕方がなく、あなたに薬を飲ませました」
「え?何を飲ませた?」
彼女は薬瓶を見せた。
「ん?」
すると、ミナトは下半身に何か違和感を感じ始めました・・・
ミナトは恐る恐る自分の下半身を見ると・・・
ミナト「うわーー!!」
ミナト「俺の足がない!」
ミナト「あ・・・あ・・・」
ミナ「立派な尾鰭ですね♡」
ミナ「でもこうしないとあなたが死んじゃうから」
ミナト「なんで俺の下半身が魚の尻尾に・・・」
ミナ「悲しまないで」
ミナ「泳ぎ方は私が教えるから」
ミナ「だから、私がいるから安心して」
ミナト「駄目だ、これは夢だと思ってくれ・・・」
ミナ「!」
ミナ「駄目です、起きてください!」
ミナトはあまりにも現実を受けられずに気絶してしまいました。
〇海辺
無人島
ミナト「・・・」
ミナト「ん?」
ミナト「ここは?」
ミナ「お目覚めですか?」
ミナト「!」
ミナト「夢だ」
ミナトは夢だと思い目をつぶってしまいました。
ミナ「こら!」
ミナト「痛え!」
ミナ「夢じゃありませんよ!」
ミナトは驚きました驚、そして、下半身を見ると魚であることが分かり。
夢ではないことが分かりました。
ミナト「夢じゃなかった・・・」
ミナ「だから言ったじゃないですか、夢じゃないって!」
ミナト「すまない・・・」
ミナト「というか・・・」
ミナトは自分が膝枕をしている正体は彼女の魚の尻尾であり、その鱗は緑色であるため美しかった。
ミナト「お前人魚なのか?」
ミナ「そうですよ」
ミナ「というか、あなたは夕方まで寝てしまったんですよ!」
ミナ「なかなか目覚めないので、私の尻尾であなたの枕になったんですよ」
ミナト「そ、それは・・・」
ミナト「すまなかった」
ミナ「まったくもう・・・」
ミナト「とにかく、ありがとう・・・」
ミナ「どういたしまして」
ミナト「そういえば自己紹介がまだだったね・・・」
ミナ「私はミナよ」
ミナト「俺はミナトだ」
ミナト「しかし、これからどうしたらいいんだろうな?」
ミナ「あなたは今人魚だし、私と一緒に来ない?」
ミナト「そうだな、今陸にいる俺には、歩くどころか這いずる身だ、下半身が魚に変わったから」
ミナ「大丈夫、私が泳ぎ方を教えるから」
ミナト「本当に?」
ミナ「それより早く来て!」
ミナはミナトの魚の尻尾を引きずり出します。
ミナト「ちょっと待ってよ、心の準備が!」
ミナ「ほらほら」
ミナト「うわ!」
〇水中
海中
ミナト「もぐもぐ!」
ミナ「大丈夫よ呼吸して・・・」
ミナト「(横に降った)」
ミナ「仕方がないわね」
ミナはミナトにキスした。
ミナ「チュ♡」
ミナト「!!」
ミナト「ぶはー!」
ミナト「何するんだよ!」
ミナト「あれ?」
ミナ「ほら息ができるでしょ」
ミナト「本当だ、喋れるし、息ができる!」
ミナ「じゃあ行きましょうか?」
ミナト「まだ泳ぎ方は慣れていないけど・・・」
ミナ「大丈夫、私が泳ぎ方を教えてあげるから、ね♡」
ミナト「うん・・・」
ミナト「ちなみにだけど、人間に戻れる?」
ミナ「もしかしてこれのこと?」
ミナト「これって?」
ミナ「私の友人が調合した、人間を人魚にする薬よ」
ミナ「これを飲めば、下半身の足を魚の尻尾に変わることができるからね」
ミナト「すごい!」
ミナ「ちなみにだけど、一度人魚になれば・・・」
ミナ「元の人間の姿に戻れないからね」
ミナト「え?戻れない?」
ミナ「うん」
ミナト「そ、そんな!」
ミナト「でも考えてみたら、俺は人間社会に未練もないからな」
ミナ「一緒に来る?」
ミナト「そうだな・・・それしか選択はないしな」
ミナ「じゃあ行きましょう!」
ミナト「うわ!!」
こうして、ミナトはミナに連れられ、人魚としての第2の人生を送りました。
それは人間社会と呼ぶ地獄からの追放でした。
そして人魚世界と呼ぶ楽園に入りました。



素晴らしい作品でした。
こめなさんの人魚界を上手く表現出来ていて、設定からこの様な素晴らしい作品を制作したのは素晴らしいです!
是非これからも素晴らしい人魚界の物語を心待ちにしております。
面白かったです。私としては展開が早すぎて戸惑いました。これからが楽しみです