〇エレベーターの中
クロサビ「にゃっににゃっにゃ！」
？？？「・・・」
？？？「報告、めんどくさいな」
？？？「・・ねぇ、クロサビ」
クロサビ「にゃん？」
？？？「明日にしない？ もう疲れちゃった」
クロサビ「にゃ〜にぇ」
？？？「・・・ケチ」
　　ピーン　ポーン
？？？「あ、着いた」
？？？「行こっか」
クロサビ「にゃにゃー！」

〇研究機関の会議室
　　──とある会議室
？？？「それで・・ジョーの相手はどうだった？」
ジョー・ショウバイハン「論外論外、ぜんっぜんダメ！」
ジョー・ショウバイハン「チリメンジャコより雑魚！ザコ！ざこ！ も〜白飯のお代わり止まらんくて！」
ジョー・ショウバイハン「お腹いっぱいですわ！次はもっと 強いエフェクターとやりたいなぁ！」
？？？「なるほど、ありがとう 善子（ぜんこ）さんは？」
板追善子「・・僅かばかりの見込みはありました」
板追善子「ですが、推薦はできませんね 私も他の候補者を探します」
？？？「そっか、ありがとう 引き続きよろしくね」
「お任せを！　　　　　　任せとき！」
ジョー・ショウバイハン「ほな、新幹線に遅れるから お先にドロンさせてもらいますわ！」
ジョー・ショウバイハン「じゃ〜ね〜善子ちゃん！ 近くに来た時は連絡してな〜！」
ジョー・ショウバイハン「粉もんのメッチャウマイ店 ぎょーさん知ってるから・・な？」
板追善子「・・行けたら行きましょう」
ジョー・ショウバイハン「それ絶対こーへんヤツやん!!」
「ちぇーっ！冷たいヒトやでホンマ！」
板追善子「・・・」
板追善子「相変わらず騒々しい男ですね」
？？？「そこがジョーの良い所だよ」
？？？「ところで、博徒（ばくと）さんは？ 今日報告会のハズなのに」
板追善子「先ほど連絡がありまして・・」
板追善子「あのクソジジ・・オジ様は 急用が入ったとのこと」
？？？「急用？」
板追善子「こちら、メッセージの内容です」
　　『善子ちゃんメンゴ〜！確変入ったから
　　　今日の報告会ブッチしま〜す！』
　　『チャンプには持病の腰痛が爆発した
　　　って伝えといて〜（嘘乙爆www』
　　『ち　な　み　に・・・』
　　『推薦エフェクターの目星は
　　　バッチリングでついてま〜す！』
　　『ブチアゲ待機でよろピッピ〜卍』
板追善子「・・とのことでした」
板追善子「還暦目前の男性が書いたとは思えず 少々めまいを覚えましたが・・」
板追善子「「目星はついた」とのこと 既に候補者は絞ったようです」
？？？「順調・・ってことかな？」
板追善子「おそらくは・・・ それにご安心ください」
板追善子「もし半端者を推薦したら私が潰します 博徒のオジ様ごと、プチッと」
？？？「うん、その時はお願いするよ」
？？？「善子さんには色々と面倒をかけるね 深く感謝してる」
板追善子「い、いえ・・」
板追善子「四天王の一角を担う者として 当然の仕事です！」
板追善子「どうぞ、お気になさらず」
板追善子「・・では、私も失礼いたします」
？？？「うん、じゃあ次の報告会で」

〇研究機関の会議室
？？？「さてと・・」
クロサビ「にゃにゃにぃにゃー！」
？？？「クロサビか、おかえり」
？？？「ということは・・」
？？？「・・・戻りました」
？？？「おかえり、随分と遅かったね」
？？？「・・色々あった、ので」
？？？「なるほど、色々あったんだ」
？？？「早速くわしく聞きたいけど、その前に」
？？？「フード、もう脱いでいいよ ここは外じゃないからね」
？？？「それに、名前に伏せ字は一人で充分だ」
？？？「・・・」
冥響寺スイ「これで、いいですか」
？？？「うん、それでこそ・・・ 冥響寺スイ（めいきょうじ すい）だ」
？？？「スイはその方が可愛いよ」
冥響寺スイ「・・ありがとう、です」
？？？「それで、どうだった？」
？？？「壱天光星と、あと紫シャツの ・・オジさんだったかな？」
冥響寺スイ「はい」
？？？「2人ともこの辺りでは強者だね 特に壱天光星は気鋭のエフェクターだ」
？？？「スイの推薦枠にもきっと ふさわしいと思ったんだけど」
冥響寺スイ「いいえ、全然」
冥響寺スイ「予想通り弱かった、です」
？？？「そっか、そうだね でもね、スイ」
？？？「壱天光星、彼はきっと敗北で 化けるタイプのエフェクターだ」
？？？「自分と同じ空気を感じるからね 機会があれば、また試してみてよ」
冥響寺スイ「わかり、ました」
？？？「じゃ、報告ありがとう 引き続きよろしくね」
？？？「・・あぁ、そうそう」
？？？「学校の手続き、終わったからね 何度も転校して申し訳ないけど」
冥響寺スイ「別にいい、です」
冥響寺スイ「クロサビがいれば大丈夫、なので」
クロサビ「にゃひっ!!」
？？？「・・・うん、なら良いんだ」
？？？「遅くまでありがとう もう帰っていいよ」
？？？「ああ、でも流石に暗すぎるか」
？？？「・・・善子さーん？」
板追善子「はっ！お呼びでしょうか？」
？？？「やっぱりまだ居たね スイを家まで送ってって欲しいんだ」
？？？「頼んで良いかな？」
板追善子「お任せください 私が責任を持ってお送りしましょう」
板追善子「さささ！スイちゃま〜！ 善子と一緒に帰りましょうね〜！」
冥響寺スイ「い、いらない・・・ １人で帰る・・」
板追善子「まあまあまあ！ そうおっしゃらないで！」
板追善子「さあさあさあ！ 善子の手をお取りください！」
板追善子「さあ」
板追善子「さあ！」
板追善子「さあ!!」
冥響寺スイ「ひっ・・エフェクト漏れ・・!?」
冥響寺スイ「ば、バイバイ！」
板追善子「ああ！お待ちになってください！」
「スイちゃま〜〜！」

〇研究機関の会議室
？？？「・・少し気の毒だったかな？ 善子さん、度を超えた子供好きだし」
？？？「完璧な人っていないものだね」
クロサビ「にゃっ！」
？？？「おやクロサビ、まだいたんだ」
クロサビ「にゃ、ﾆｬ、ﾆｬ・・・ﾏｱ ﾅﾝﾂｰｶ」
クロサビ「ｻｼﾃﾞ ﾃﾒｪﾄ ﾊﾅｾﾙ ｲｲｷｶｲﾀﾞｶﾗﾅ」
クロサビ「ﾖｳﾔｸ ﾊﾈｦ ﾉﾊﾞｾﾙｾﾞ」
クロサビ「ﾝ？ ﾈｺﾀﾞｶﾗ ﾊﾈｦﾉﾊﾞｽ ｯﾃﾉﾓ ｵｶｼｲｶ」
？？？「別に良いんじゃないかな 相変わらず元気そうで何よりだよ」
クロサビ「ﾏｰﾅ！ ｽｲ ﾄ ｲﾙﾉﾊ ﾀﾉｼｲｾﾞ！」
クロサビ「ｿﾚﾖｶ ﾁｬﾝﾌﾟ ｺﾝﾅﾁｮｳｼﾃﾞ ﾏﾆｱｳﾉｶｲ？」
？？？「・・大丈夫だよ 大会までまだ時間がある」
？？？「大事なのは数より質だ 全国の強いエフェクターを集めないと」
？？？「表向きは楽しい全国大会なんだから 最後の最後まで、こだわるよ」
クロサビ「ﾏ､ﾍﾞﾂﾆ ｲｲｹﾄﾞﾖ」
クロサビ「・・ｵﾚﾓ ｶｴﾙｶ」
クロサビ「ｼﾞｬｰﾆｬ！　にゃ、　にゃん！」
？？？「・・そうさ、ギリギリまで探す」
？？？「自分より強いエフェクターは どこかにきっと居るハズ」
？？？「1人でも多く・・・ 現実を“超越”してもらわなきゃ」
　　ああ、必ず成功させる
　　エフェクトバトルの祭典
　　闘争の坩堝（るつぼ）・・
　　全国大会、トランセンドカップ
　　──楽しみだな