第3話 突然のバグにご用心?(脚本)
〇一人部屋
羽馬マコト「・・・んん」
羽馬マコト「あと5分だけ・・・」
羽馬マコト「うる・・・さいな・・・」
羽馬マコト「・・・ふんっ!!」
羽馬マコト「ああっ!しまった」
羽馬マコト「思わずキレて時計壊しちゃった・・・」
羽馬マコト(最近、力のコントロールが難しくなってきてる気がする)
羽馬マコト(これもスペシャルセルスってやつの効果なのか?)
羽馬マコト「とりあえず、また新しい時計買わなきゃな・・・」
羽馬マコト「・・・って、やばいやばい!!」
羽馬マコト「もう7時じゃん!早く行かないと遅刻しちゃう」
〇開けた交差点
羽馬マコト「急げ急げ!!」
羽馬マコト(今日は学校に行く前にガイア本部の方に寄らないと行けないからな・・・)
羽馬マコト「・・・ああっ!」
羽馬マコト(信号が赤になっちゃった・・・)
羽馬マコト(ここの信号機長いんだよな・・・)
羽馬マコト(てか、前回ここら辺にバグ現れたんだよな)
羽馬マコト(バグ倒してこの交差点救ったの俺だし・・・)
羽馬マコト(ちょっとくらい信号無視しちゃってもいいよな・・・?)
羽馬マコト「・・・よしっ、行っちゃえ!」
コンプラマン「ちょっと待ったーー!!!!!」
羽馬マコト「うぇ!?」
コンプラマン「君、今信号無視して横断歩道渡ろうとしてたよね?」
羽馬マコト「は、はい、そうですけど」
コンプラマン「それ・・・」
コンプラマン「コンプラ違反だよ!!!!!」
羽馬マコト「え・・・コンプラ違反?」
コンプラマン「この作品は老若男女誰でも見れるように作ってあるんだ」
コンプラマン「もちろん、小さいお子様も見る可能性がある」
コンプラマン「そんな小さいお子様に、信号無視なんてシーンを見せてしまったら悪影響だろ?」
羽馬マコト「ま、まあ確かに?」
コンプラマン「つまり信号無視はコンプラ違反!」
コンプラマン「みんなで楽しく元気にコンプラを守ろう!」
羽馬マコト「はい・・・?」
コンプラマン「じゃ!そういうことで!」
コンプラマン「またね!」
羽馬マコト「・・・」
羽馬マコト「なんだったんだあの人・・・」
羽馬マコト「とりあえず、早く青にならないかなー」
羽馬マコト「・・・ん」
篠村アカネ「・・・」
羽馬マコト(あの子・・・)
羽馬マコト(・・・あ!青になった)
羽馬マコト「俺も急がないと・・・」
〇諜報機関
──ガイア本部司令室
金城レイナ「ふわぁぁ・・・」
金城レイナ「今日でバグの出現から丁度1ヶ月・・・」
金城レイナ「中々バグも現れないし、暇なものね」
田名誠二「いい事じゃないですか。 平和なのが何よりですよ」
金城レイナ「それはそうだけど・・・」
金城レイナ「私達はバグと戦うのが仕事でしょ?」
金城レイナ「でもバグが現れなかったら、私たちの存在意義が無いっていうか・・・」
田名誠二「まあ、気持ちはわかりますよ」
金城レイナ「・・・それにしても、沢村司令長まで最近見かけないわね」
田名誠二「そうですね・・・ 上層部との会議が忙しいとか仰られてましたけど」
金城レイナ「こんな時でも司令長は忙しいのね」
金城レイナ「・・・そういえば、この後マコトくんが来るんだったわね」
田名誠二「イーヴの定期調整でしたっけ?」
金城レイナ「そうそう。 もうすぐ来るはずなんだけど・・・」
羽馬マコト「すいません!お待たせしました!」
金城レイナ「おはようマコトくん」
田名誠二「おはよう」
羽馬マコト「はあはあ・・・おはようございます」
金城レイナ「朝から急いできてくれて悪いわね」
羽馬マコト「いえ、登校のついでなんで!」
金城レイナ「ありがとう」
金城レイナ「来てもらって早速なんだけど、イーヴの調整がしたいからついてきてくれる?」
羽馬マコト「わかりました」
〇魔法陣のある研究室
金城レイナ「・・・よし、調整終了」
羽馬マコト「ありがとうございます」
金城レイナ「礼を言うのはこっちの方よ。 毎週来てもらって申し訳ないわね」
羽馬マコト「この調整って何をしてるんですか?」
金城レイナ「色々とパラメーターとか修正してるんだけど・・・」
金城レイナ「簡単に言えば普段の生活に支障が出ないようにこうやって調節しているのよ」
羽馬マコト「そういえば、朝もつい力が出過ぎて時計を壊してしまったんですよ」
金城レイナ「そう、イーヴに含まれてるスペシャルセルスには基礎能力を上げてくれる力があるんだけど」
金城レイナ「こうやって定期的に調整しないと、力が上がりすぎてつい暴走してしまうのよ」
羽馬マコト「ええ・・・なんか怖いですね」
金城レイナ「でももう大丈夫!」
金城レイナ「ちゃんとパラメーターを修正しといたから、これで力が出過ぎることは無いわよ」
羽馬マコト「助かります・・・」
金城レイナ「ところで、新しいマンションはどう? 気に入った?」
羽馬マコト「はい! おかげさまで!」
羽馬マコト「住む部屋をガイアの方で用意してくださるなんてありがたいです」
金城レイナ「このくらい当たり前よ。 ガイアで働いてもらってるんだもの」
金城レイナ「まあ社員寮を用意したってとこよ」
羽馬マコト「ありがとうございます」
金城レイナ「ちなみに時間は大丈夫?」
羽馬マコト「・・・あっ!学校遅刻しちゃう!」
金城レイナ「了解。 送ってくわ」
羽馬マコト「え、良いんですか?」
金城レイナ「もちろんよ。 こっちに来て」
羽馬マコト「ありがとうございます!」
〇車内
羽馬マコト「すいません、送って貰っちゃって」
金城レイナ「いいのよ。 朝から来てもらってこっちも申し訳なかったし」
羽馬マコト「・・・それにしても、最近バグ出てきてませんね」
金城レイナ「そうね・・・ 私達も朝丁度同じことを話してたわ」
羽馬マコト「僕ら人間がとうとうバグを倒しちゃったからビビって来なくなっちゃったんですかね?」
金城レイナ「そうやって油断してる時こそ足元をすくわれるわよー」
羽馬マコト「へへっ、すいません」
羽馬マコト「でも、怪我も完全に治ったし、いつバグが出現しても準備万端ですね」
金城レイナ「そうねー、」
金城レイナ「ただ、来るタイミングにもよるわね」
羽馬マコト「タイミング?」
金城レイナ「マコトくんがすぐ動けない状況とかだったらどうする?」
羽馬マコト「たとえば?」
金城レイナ「例えば学校で授業中だったりとか・・・?」
羽馬マコト「あー・・・確かにすぐ現場に向かうのは難しいですね」
金城レイナ「まあ、そんな時のために、常に学校近くにはガイアの職員と車が待機してるんだけどね」
羽馬マコト「え!そうなんですか?」
羽馬マコト「全然気づかなかった・・・」
金城レイナ「ふふっ、一般人に変装してるから普通は気づかないわよ」
羽馬マコト「へー・・・」
金城レイナ「さあ、もうすぐ学校に着くから降りる準備して」
羽馬マコト「はーい」
〇教室
山吹ハヤト「マコト遅いなー・・・」
山吹ハヤト「あと10分くらいでホームルーム始まるのに・・・」
羽馬マコト「ふぅぅー間に合ったー!」
山吹ハヤト「よっ!マコト」
羽馬マコト「おはようーハヤト」
山吹ハヤト「毎週月曜日は決まっていつもより学校来るの遅いけど、」
山吹ハヤト「どっか寄り道でもしてきてんの?」
羽馬マコト「えーと・・・」
羽馬マコト(ガイアに行ってるとか言ったらやばいよな・・・)
羽馬マコト「あれだよあれ!」
羽馬マコト「毎週月曜の朝はお母さんのおつかい頼まれてるからさ!」
山吹ハヤト「朝におつかい・・・?」
羽馬マコト(これじゃ・・・バレるか?)
山吹ハヤト「まーいいや! 朝からおつかいなんて偉いな!」
羽馬マコト(こいつが楽観的な奴で良かった・・・)
羽馬マコト「・・・ん」
羽馬マコト「あの子・・・」
山吹ハヤト「おーい、何見てんだよ」
羽馬マコト「え、べ、別に?」
山吹ハヤト「・・・もしかしてアカネさん見てたんだ?」
羽馬マコト「いや、まあ、」
山吹ハヤト「いやー気持ちわかるよ」
山吹ハヤト「アカネさん可愛いもんなー・・・」
羽馬マコト「アカネって言うんだ・・・」
羽馬マコト「でもあの子って前まで居なかったよね?」
山吹ハヤト「あーそうそう、マコトは知らなかったと思うけど、」
山吹ハヤト「アカネさん、1ヶ月くらい入院してたからさ」
羽馬マコト「そうなんだ・・・」
山吹ハヤト「お前と同じ、入院仲間じゃーん」
羽馬マコト「・・・うるせぇな」
山吹ハヤト「まーそんな怒んなって」
山吹ハヤト「お前がアカネさんに一目惚れぼれなのはわかったからさ」
羽馬マコト「だから違うって!」
山吹ハヤト「俺がお前とアカネさんの恋のキューピットになってやんよ!」
羽馬マコト「はあ?」
山吹ハヤト「なー、アカネさん!」
羽馬マコト「ちょ!おい!」
篠村アカネ「おはよう、ハヤトくん。 どうしたの?」
山吹ハヤト「おはようー」
山吹ハヤト「アカネさん、退院したんだね! おめでとう」
篠村アカネ「ありがとう!」
篠村アカネ「・・・って、あれこの人は?」
山吹ハヤト「あーそうそう、アカネさんが入院してる間に転校してきたんだよ」
羽馬マコト「あ・・・えと、どうも」
羽馬マコト「羽馬マコト・・・って言います」
篠村アカネ「マコトくんか!」
篠村アカネ「私は篠村アカネ(ささむらあかね)! よろしくね」
羽馬マコト「よ、よろしく」
山吹ハヤト「こいつさー、転校して1日で2週間も入院したんだぜ!」
篠村アカネ「え、そうなの?」
羽馬マコト「あはは・・・」
羽馬マコト「転校して舞い上がりすぎちゃって、つい階段から転げ落ちゃってさ・・・」
篠村アカネ「アハハハハハ!!」
羽馬マコト「え?」
篠村アカネ「マコトくん、めっちゃ面白いね!」
羽馬マコト「そ、そうかな・・・ありがと」
篠村アカネ「転校して、か、階段から転げ・・・」
篠村アカネ「アハハハハハ・・・!!」
羽馬マコト(めっちゃウケてるな・・・)
山吹ハヤト「あ、一応言っとくと、アカネさんドが付くほどのゲラだから」
篠村アカネ「アハハハハハ・・・」
羽馬マコト「そ、そうなんだ・・・」
〇近未来の会議室
沢村ジン「・・・以上が、現在進行しているプランの現状報告となります」
ガイア上層部「・・・沢村くん、プランは確かに当初の計画通り進行している」
ガイア上層部「しかし、少々金と時間が掛かりすぎてはないかね?」
ガイア上層部「今年度のガイア運営予算は6兆円」
ガイア上層部「更に、現在進行しているプランに約2.5兆円の追加要求」
ガイア上層部「おまけ付きに前回のバグによる被害額を含め・・・」
ガイア上層部「約9兆円だ。 9兆円もの莫大な金を君に費やしている」
ガイア上層部「君の実力は買っているつもりだ。 しかしな、」
ガイア上層部「これ以上時間と金を浪費するのなら、こちらとしても見直しを行わなければならない」
沢村ジン「そちらに関しては重々承知しております」
沢村ジン「しかし、当初より予想外の問題が起こりまして・・・」
ガイア上層部「予想外?どういうことだ?」
沢村ジン「新知的未確認生物・・・とでもいいましょうか」
沢村ジン「新たなる知能を持ったバグの出現を確認しております」
ガイア上層部「知能を持っているバグか・・・ それはまた厄介だな」
沢村ジン「はい、その通りでございます」
沢村ジン「こちらとしても、新種のバグに関しては対処を進めている方針なのですが」
沢村ジン「コード1の実力と経験がまだ未熟部分も多く、対処しようにもしきれない状況です」
沢村ジン「ですので、図々しい事は承知の上で、もう少々お時間とご予算の程を頂けないでしょうか?」
ガイア上層部「・・・わかった」
ガイア上層部「しかし、なるべく早くしてくれよ」
ガイア上層部「なんたって、例のヤツがまだ完成しきれてないのだからな」
ガイア上層部「後は君の頑張り次第だよ」
沢村ジン「はい、承知致しました」
ガイア上層部「・・・では、会議はこれで以上だ。 予算の増額と新種のバグに関してはこちらでも検討しておく」
沢村ジン「ありがとうございます・・・」
沢村ジン「・・・」
〇通学路
女性「ひゃぁ!!」
バグ「ギャアアアア」
女性「だ、誰か・・・助けて・・・」
〇教室
教師「えー・・・つまりは、」
羽馬マコト(天気・・・怪しくなってきたな)
羽馬マコト「ん、電話?」
教師「おーい、授業中は携帯の電源切っとけよ」
羽馬マコト「す、すいません」
羽馬マコト(あれ、ガイアからだ)
校長「マコトくん」
教師「こ、校長先生!? どうされたんですか・・・?」
校長「授業中すまない」
校長「マコトくん、レイナさんからだ。 至急送迎車へ迎えとの伝言だ」
羽馬マコト「・・・わかりました」
校長「先生、すいませんが、マコトくんは早退でもいいですか?」
教師「ええ?早退?」
校長「緊急なので・・・」
教師「・・・わかりました」
教師「マコト、気をつけてな」
羽馬マコト「はい、お先に失礼します」
山吹ハヤト「えー!マコト急に早退かよ!」
教師「よーし、じゃあ授業の続き再開するぞー」
はーい
〇白い校舎
金城レイナ「マコトくん、こっちよ」
羽馬マコト「レイナさん! ・・・もしかして」
金城レイナ「ええ、そのもしかしてよ」
金城レイナ「バグが出現したわ」
羽馬マコト「やっとか・・・」
金城レイナ「とりあえず、本部へ向かうから早く車に乗って」
羽馬マコト「はい」
〇諜報機関
金城レイナ「コード1、金城レイナ到着しました」
沢村ジン「緊急で来てもらってすまんな」
羽馬マコト「バグが現れたんですよね?」
沢村ジン「ああ、その通りだ」
沢村ジン「今より12分前に京都市Dエリアにてバグの出現を確認」
沢村ジン「民間人の通報によりこちらも察知したわけだが、既に多くの怪我人が出ているらしい」
沢村ジン「急ぎ、現場へ急行し対処を行え。 以上だ」
羽馬マコト「了解!」
金城レイナ「では、マコトくん、専用バイクで出撃して」
羽馬マコト「はい」
沢村ジン「・・・中々コード1も様になってきたな」
金城レイナ「馴染めてきた証拠ですね」
沢村ジン「しかし、前回同様、新種のバグが現れないことを願うが・・・」
金城レイナ「念の為、拳銃を装備した職員数名を付近に配置しており、警備体制を敷いています」
沢村ジン「・・・そうか」
沢村ジン「では、前回同様、現場の指揮は金城くんが執りたまえ」
金城レイナ「承知しました」
〇通学路
羽馬マコト「・・・バグが現れたDエリアはこっち方面だよな?」
羽馬マコト「・・・!! くそっ、もう既に死者が出てるのか」
羽馬マコト「もっと早く向かうことが出来れば・・・」
羽馬マコト「・・・一刻も早く向かわないと」
〇住宅街
バグ「ガアアアアアア!!」
男性「や、やめろ!! それ以上近づくんじゃねぇ!」
男性「俺のカミさんだけには手出すんじゃねぇぞ!」
女性「・・・あなた!!」
バグ「ギャアアアアアア」
男性「ぐわぁぁぁ!!」
女性「あ、あなたぁぁぁぁぁぁ!!!」
バグ「キィアアアアアアアアア」
女性「こ・・・こいつ・・・!!」
羽馬マコト「大丈夫ですか!!」
女性「・・・え!?」
羽馬マコト「危ないから離れて! こいつは俺が対処します!」
女性「は、はい」
羽馬マコト(また1人男の人も殺されてる・・・)
羽馬マコト(どれだけ人をなぶり殺せば気が済むんだこいつらは!!)
羽馬マコト「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バグ「ギャアアアア!!」
羽馬マコト「もういっちょ!!」
羽馬マコト「・・・んなっ!! 腕を掴まれた?!」
バグ「ぎぃぃぃぃ!!」
羽馬マコト「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バグはマコトの腕を掴み振り回し、マコトは道路の端の塀へと叩きつけられた
羽馬マコト「ぐ、ぐぐ・・・」
羽馬マコト「やっぱ、バグって尋常じゃないくらい怪力だな」
羽馬マコト「ん、あれは・・・」
羽馬マコト(ライター・・・)
羽馬マコト「そうだ!!」
羽馬マコト「すいません、このライター借りてもいいですかね?」
女性「お、夫のライターですが・・・それでも宜しければ・・・」
羽馬マコト「あの、ライター壊しちゃうかもしれないんですけど本当にいいですか?」
女性「え、ええ・・・ほとんど使ってないライターですので・・・」
羽馬マコト「・・・ありがとうございます!」
羽馬マコト(ライターに火をつけて・・・)
羽馬マコト(蓋を完全にとる・・・)
羽馬マコト(これで火をつけたままにして・・・)
羽馬マコト「・・・よし」
羽馬マコト「バグ!!いくぞ!!」
羽馬マコト「ふっ!」
バグ「ギャアアアア!!!」
羽馬マコト「よし!!どうだ!!」
羽馬マコト「これがライターパンチ攻撃だ!」
女性(そ、そのままやん・・・)
バグ「ギュルルル・・・」
バグ「ギャアアアア!!」
羽馬マコト「こ、こいつ、意外とタフなんだな・・・」
羽馬マコト「じゃあ連撃で行くぞ!」
羽馬マコト「おら!!」
羽馬マコト「更に・・・キック!!」
バグ「ギュウッッ!!」
羽馬マコト「トドメだァァァァ!!!」
バグ「ギャアアアア」
羽馬マコト「・・・はあ、はあ」
女性「・・・あ、ありがとう」
羽馬マコト「・・・お怪我はありませんか?」
女性「え、ええ・・・」
女性「で、でも、主人、主人が・・・」
女性「うう・・・う・・・」
羽馬マコト「・・・すいません、もっと早く駆けつけていれば」
女性「ぐすっ・・・いえ、」
女性「私を守ってくださって、更に主人の仇まで討って頂いて、ありがとうございました」
羽馬マコト「・・・いえ、」
羽馬マコト「念の為、救急車の方呼んでますので、もうすぐ着くと思います」
女性「・・・ありがとうございます」
マコトくん、聞こえる?
羽馬マコト「レイナさん・・・」
マコトくんも無事そうね。
バグの消滅をこちらでも確認したわ。
帰還していいわよ
羽馬マコト「・・・了解」
女性「・・・!」
女性「あ・・・あの!」
羽馬マコト「・・・はい?」
女性「助けてくださって、ありがとうございました!」
羽馬マコト「・・・!! どういたしまして・・・」
〇諜報機関
羽馬マコト「羽馬マコト、帰還致しました」
金城レイナ「マコトくん、お疲れ様」
金城レイナ「もうこれ以上のバグの出現は今のところ出ていないから、大丈夫よ」
羽馬マコト「良かったです・・・」
金城レイナ「・・・なんだか浮かない顔してるわね」
羽馬マコト「・・・間に合わなかったんです」
金城レイナ「・・・」
羽馬マコト「現場に着くより少し前の道路で、」
羽馬マコト「おばあさんが殺されてて・・・」
羽馬マコト「更に、現場に向かったら、」
羽馬マコト「夫婦の方が居て、その旦那さんの方が僕が現場に着くより少し先に・・・」
羽馬マコト「・・・殺されてしまったんです」
羽馬マコト「・・・もっと、もっと早く着いていればって」
金城レイナ「・・・そうね」
金城レイナ「・・・」
金城レイナ「でもね、マコトくん」
金城レイナ「決して貴方が気に病むことじゃないわ」
羽馬マコト「え?」
金城レイナ「マコトくんはやるべきことをした。 バグを倒し、他の人達の命を救った」
金城レイナ「失った命もあれば、救われた命もあるのよ」
金城レイナ「マコトくんがバグを倒してくれたおかげで、また平和が訪れるの」
金城レイナ「貴方は凄いことをしたのよ」
羽馬マコト「そう、ですね」
羽馬マコト「ありがとうございます」
金城レイナ「とはいえ、目の前で人が死ぬとこを見てしまったらそうもなるわ」
金城レイナ「今は・・・ゆっくり休みなさい」
羽馬マコト「はい・・・ありがとうございます」
金城レイナ「・・・17歳の少年に突きつけられた光景」
金城レイナ「17歳には少々きついものね」
〇一人部屋
羽馬マコト「・・・」
〇通学路
〇住宅街
〇一人部屋
羽馬マコト「・・・」
羽馬マコト「・・・」
羽馬マコト「・・・もっと」
羽馬マコト「もっと・・・守れた命があったじゃないか」
羽馬マコト「結局また2人も、命を見捨ててしまった」
羽馬マコト「あの時と、ハルと同じように」
羽馬マコト「くっ・・・」
〇住宅街
?「・・・」
?「また面白いものを見せて貰ったな・・・」
?「・・・第一の少年」
?「奴は2回目のバグの戦闘にして、かなり戦い方が上達していた」
?「これはあのカラクリの仕業、ではないな」
?「第一の少年・・・厄介なものだ」
?「あのカラクリと第一の少年の相性は凄まじい」
?「・・・もう少し観察してみることにしよう」
?「もっと、面白いものを見せてくれよ・・・」
?「第一の少年」
?「フハハハハ・・・」
──続く
手術シーンがリアルで良かったです。
シリアスが書けるのが凄いですね!
第一の少年と言うことで、まだまだ
仲間も増えて続きそうですね。
素敵なヒーロー物になればいいなと思いました。