告知事項あり。~事故物件のオバケ調査会社~

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第二話:「変なシゴト、変なニオイ」(前編)(脚本)

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〇空

〇岩倉不動産の外観
敷島杏「社会人は第一印象で決まる。 まずは元気な挨拶から!」
敷島杏「おはようございます!」
敷島杏「・・・あれ? 鍵閉まってる?」
敷島杏「えっと・・・住所は合ってるし看板もある」
敷島杏「はっ! 声小さ過ぎたかな!?」
敷島杏「よーし、それなら・・・」
敷島杏「すぅーーーーーー」

〇空
敷島杏「おはようございます!」

〇岩倉不動産の外観
真山文雄「うう・・・誰だよ、朝から大声で」
真山文雄「さっき寝たばっかなんだけど」
真山文雄「・・・あれ? 君は」
敷島杏「あっ! 良かった。おはようございます!」
敷島杏「今日からお世話になります、敷島です!」
敷島杏「張り切って少し早く着いちゃいました」
真山文雄「いくらなんでも張り切り過ぎじゃない? せめて30分前とか」
敷島杏「ええ。ですから7時30分に来ました」
真山文雄「7時・・・?」

〇事務所
岩倉哲也「明日の8時、またここに来て」

〇岩倉不動産の外観
真山文雄「あー。そういうことか」
真山文雄「えーと、敷島さんだっけ?」
敷島杏「はいっ、なんでしょう」
真山文雄「時間、間違ってる」
真山文雄「今日の始業は『午後』8時なんだ」
敷島杏「へっ・・・?」

〇昔ながらの一軒家
敷島香織「それで、帰ってきちゃったの?」

〇古いアパートの部屋
敷島杏「だって、カフェで時間潰したら お金かかっちゃうでしょ」
敷島杏「実家なら、お水飲み放題だしね」
敷島香織「お水だってタダじゃありませんけど」
敷島香織「それにしても、変な会社ねぇ」
敷島香織「夜8時に始業なんて普通じゃないわ」
敷島杏「わかってないなぁ、お母さんは」
敷島杏「そういう形態の不動産だってあるのよ」
敷島杏「私、仮眠してくるね。 5時になったら起こして」
敷島香織「深夜営業の不動産なんて。 変なお客さん来ないといいけど」

〇岩倉不動産の外観

〇事務所
岩倉哲也「敷島さん、いや敷島。 真山から聞いたよ。時間、悪かったな」
敷島杏「いえ、大丈夫です。 真山さんは今日非番ですか?」
岩倉哲也「車に機材でも積み込んでるんじゃないか。 今夜は『内見』の日だからな」
敷島杏「内見に機材・・・ですか?」
岩倉哲也「色んな角度から物件を見る 必要があるんだよ」
敷島杏「それってどういう──」
真山文雄「社長、機材準備オッケーです」
真山文雄「あと新人さんが来たら・・・ っと、来てたか」
敷島杏「真山さん! よろしくお願いします!」
岩倉哲也「よし、じゃあ出発するか」

〇昔ながらのクリーニング屋
敷島杏「えっと・・・ 他にも誰かいらっしゃるんですか?」
岩倉哲也「これで全員なんだよ、悪いな。 うちは少数精鋭だと思ってくれ」
敷島杏「悪くはないんですが・・・ この車、九人乗りですよね?」
敷島杏「駐車場だって限られますし、 何もこんな大きな車で行かなくても」
真山文雄「このサイズじゃなきゃ駄目なんだ。 乗ればわかるよ」

〇車の中
敷島杏「うわっ、何ですかこれ。機材だらけ!  座るところあるかな・・・」
敷島杏「きゃっ!」
岩倉哲也「狭くて悪いが気を付けてくれよ。 結構高価なやつもあるからな」
敷島杏「ビデオカメラに気温計に・・・ こっちの大きな箱は何です?」
真山文雄「電磁波測定関連だね」
敷島杏「内見で電磁波測る必要あります?」
真山文雄「うちの『内見』は特殊だからねー」
敷島杏「特殊・・・それは扱う物件が 事故物件だからですか?」
岩倉哲也「まあ、そう言う事だ」
岩倉哲也「事故物件を住みやすくするために、 ”ある事”を証明しなくちゃいけないからな」
敷島杏「”ある事”・・・?」

〇住宅街

〇アパートの前
真山文雄「サーモグラフィーは棚の横にお願い」
敷島杏「はいっ」

〇畳敷きの大広間
真山文雄「風量計はもう少し壁際がいいかな」
敷島杏「わかりましたっ」
真山文雄「カメラ設置具足りないなあ。 車から取ってきてくれる?」
敷島杏「はいっ」
岩倉哲也「真山も少しは動けよ、 新人ばっかり働かせてないで」
敷島杏「大丈夫です! 部活で鍛えられましたから」
敷島杏「そんなことより・・・」
敷島杏「これから何が始まるんですか?」
真山文雄「言ったでしょ、『内見』だって」
岩倉哲也「真山、カメラチェック」
真山文雄「はーい」
真山文雄「んと・・・大丈夫です。 全部屋撮れてますね」
敷島杏「録画もしてるんですか?」
岩倉哲也「いつ何が起こっても記録されるようにな」
敷島杏「何がって・・・」
真山文雄「幽霊だよ!」
敷島杏「きゃあああっ!」
岩倉哲也「真山、あんまり新人をびびらせんなよ」
真山文雄「退屈だったもんでつい・・・」
敷島杏「まさか・・・幽霊を記録するんですか?」
岩倉哲也「いや、その逆だ。 幽霊が”出ない”ことを記録する」
敷島杏「”出ない”ことを記録・・・?  えっと、仰ってる意味が──」
岩倉哲也「ま、そうだよな。 敷島、ちょっと外出ようか?」

〇アパートの前
岩倉哲也「これ・・・見えるか?  今出してる募集条件なんだが」
敷島杏「に、二万八千円っ!? 敷金礼金ゼロっ!?」
敷島杏「駅徒歩3分ですよ!?  いくら事故物件だからって」
岩倉哲也「じゃあここ、住みたいか?」
敷島杏「それは・・・」
岩倉哲也「だよな。それが事故物件の現実だ」
岩倉哲也「事故で入居者が滞るから、家賃を下げる。低い家賃は悪目立ちして、人が入らない」
敷島杏「・・・えっ!」
敷島杏「ここ、一年も前から募集してるんですか!?」
岩倉哲也「『何かが出るかもしれない』」
岩倉哲也「人が入らなくなる理由なんて、 それで十分ってことだ」
敷島杏「・・・それで、”出ない”ことを記録すると」
岩倉哲也「戻るぞ。時間も押してきた」

〇畳敷きの大広間
岩倉哲也「設置は?」
真山文雄「終わりました。いつでも始められます」
岩倉哲也「よし、じゃあ・・・」
岩倉哲也「頼んだぞ」
敷島杏「え? あのっ、社長!」
敷島杏「真山さん、今のはどういう・・・」
真山文雄「ああ、『記録係』よろしくって意味でしょ」
敷島杏「『記録係』・・・?」
真山文雄「機器は色々測定できるけど結局 事故物件に住むのは人間でしょ?」
真山文雄「だからここに一晩泊まって、 出来事を記録する必要があるんだよ」
敷島杏「えと・・・それを私が?」
真山文雄「初日から『記録係』任されるなんて、 敷島さん。期待されてるよ!」
真山文雄「頑張ってね、応援してる」
敷島杏「・・・え?」

〇アパートの前
敷島杏「ええーーーー!」

次のエピソード:第二話:「変なシゴト、変なニオイ」(後編)

コメント

  • シリアスとコメディのミックスで怖がりな私でも読みやすいです。

    後、言いにくいのですが、一部字が間違ってましたよ。🫡

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