僕は天才!

夏目心 KOKORONATSUME

9 IQ0以下(脚本)

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〇川沿いの公園
  それからまた数日。
秋山人志「くあぁぁ!こうして外で背伸びすると、自分が悩んでる事が小さく見えて来るな!」
星川スミレ「全くその通りね!こう言う所で甘い物食べたり飲んだりしてると、何だか自然と気持ちが落ち着くよね!」
小椿俊彦「全く、お前らのそう言う所見ると、真剣に悩んでる俺まで釣られちまうじゃねぇか・・・」
秋山人志「あれ?不服ですか?」
小椿俊彦「違えーよ、俺がお前らの上司で良かったって思ってるんだ!」
赤木加奈子「そう思うなら今日も奢って欲しいっすね!あたしたこ焼き食べたいっす!」
小椿俊彦「ったく本当現金だな・・・それがお前らの良い所か・・・」
富田秀夫「あ!叔父さんこんな所で何をしているんだ!?」
小椿俊彦「あれ?秀夫か?何って、仕事が一段落したから休憩してただけだが・・・何かあったのか?」
富田秀夫「お、お願いだ!助けてくれ!もうあんなのはウンザリだ!!」
星川スミレ「あんたこの期に及んで!自分がやって来た事もう忘れたの!?」
小椿俊彦「ま、まぁまぁ落ち着け!何があったか先ず聞かない事には・・・」
  突然現れた秀夫に驚きながら、俺達は話を聞く事に。

〇豪華な社長室
  秀夫はその時の話を俺達に持ち掛けた。
育田光一「つまりこう言う事ですか・・・この画期的なプランを我が社でやりたいと?」
富田秀夫「そうなんです!夏目カンパニーの力があれば、このプランの実現は!」
育田光一「もしそうだと言うのなら、我々の人生お先真っ暗ですね!」
富田秀夫「は、はい!?」
育田光一「いやぁ最近人事部も疲れてるのかなぁ・・・こんな人雇ってもこっちが疲れるだけなのに・・・」
富田秀夫「ど、どう言う事ですか!?僕の実力を存分に発揮出来ると言う事で僕を人事部に入れてくれたんですよね!?」
育田光一「間違いじゃ無いですね・・・ですがあなたはここに来た時点で底が見えました・・・」
富田秀夫「は、はぁ??」
育田光一「あのですね、このプランはとにかく金が掛かり過ぎる・・・我が社に限らず、お金と言うのは汗水垂らして」
育田光一「苦労の末に手に入れる物であって、一度使えば取り戻すのは至難の業です・・・」
育田光一「そもそもどこから調達します?ゲーム見たいにチート出来る訳じゃ無いのに、魔法でも使おうって言うんですか?」
富田秀夫「で、ですが!このプランが成功すれば!」
育田光一「成功させようとするのは当然です・・・ですが、その過程の事は考えてます?立地の条件とか、天気の対策とか、」
育田光一「そう言うのが揃っていればまだしも、こっちはこっちでまたコストが掛かって大惨事ですよ?」
育田光一「そこを計算した上でプランを立てたんですか??」
富田秀夫「ま、待って下さい!僕はIQ200から300の天才ですよ!その僕の能力があれば!」
育田光一「あの、先ず僕の質問に答えてくれませんか?IQどうたらは今は関係無いですよね?僕の質問に答えて下さい・・・」
富田秀夫「(な、何なんだ・・・何なんだこいつはぁ!!!)」

〇川沿いの公園
小椿俊彦「つまり、こう言う事か・・・お前のそのトンデモプランを社長に全否定されて逃げて来た訳だと?」
富田秀夫「そ、そうなんだよ!!今まで僕に勝てる奴なんていなかったのに!ここまで酷い仕打ちは無いよ!!」
星川スミレ「(呆れた・・・いつまでも直そうとしないからこうなるのよ・・・)」
星川スミレ「(それにしても夏目カンパニーの社長、噂には聞いてたけど、この子が簡単に崩れる程とはね・・・)」
小椿俊彦「つまり、あれか?今直ぐ夏目カンパニーを辞めて俺らの所に戻りたいと?」
富田秀夫「そうなんだよ!もう僕には叔父さんしか頼れる人がいないんだ!!」
小椿俊彦「・・・分かった、でも一つだけ条件がある・・・」
富田秀夫「な、何?」
小椿俊彦「秋山、星川、赤木の3人に今直ぐ謝罪しろ・・・心を込めてな・・・」
富田秀夫「は、はぁ!?この僕がこんな底辺どもに!?」
小椿俊彦「これまでお前はこいつらに散々迷惑掛けた・・・謝るのは当然だ・・・」
小椿俊彦「それが出来なきゃ、お前を連れ戻さないぞ?」
富田秀夫「くぅ・・・分かったよ!」
富田秀夫「クソ!すいませんでした!戻って来てやるからありがたく思えこのクソ雑魚!死ね!」
「・・・・・・」
富田秀夫「はい謝った!これで戻してくれるんだろ叔父さん!」
小椿俊彦「・・・・・・」
富田秀夫「ん?どうしたんだよ?謝ったんだから良いだろ?」
小椿俊彦「あ、謝った?それが謝ったって?」
富田秀夫「問題無いだろ!早く仕事やらせろって・・・」
小椿俊彦「ふ、ふ、ふ!ふざけるなぁ!!!」
富田秀夫「わ、わぁぁ!!?」
小椿俊彦「こんなふざけた謝罪がどこにあるってんだぁ!?どこまで人を馬鹿にすれば気が済むんだぁ!?」
富田秀夫「お、叔父さん!だってこいつら底辺だし・・・」
小椿俊彦「底辺はお前だろぉ!!」
富田秀夫「お、叔父さん!!」
小椿俊彦「今まで自分は何して来た?勝手に動いて迷惑掛けて、ロクに片付けもせずに放ったらかして!」
小椿俊彦「助けようとしたのに何だその態度は!?俺はお前をそんな風にした覚えは無い!!」
富田秀夫「ひ、ひぃぃ!!」
小椿俊彦「こいつらはいつも真剣に頑張って仕事してくれてんだ!それを馬鹿にしようってんなら幾ら甥っ子でも俺が許さねぇ!」
小椿俊彦「今のがお前の思う謝罪だって言うならなぁ!今直ぐ人生やり直せ!この、」
小椿俊彦「IQ0以下あぁぁぁ!!!」
富田秀夫「IQ・・・IQ0以下だってぇぇ!?」
富田秀夫「ふ、ふざけるなぁ!!何で誰も理解しないんだ!?何で誰も分かろうとしないんだぁ!?」
富田秀夫「死ね死ね死ね死ね!ふざけるなふざけるなふざけるな、ふざけるなぁ!!!」
小椿俊彦「・・・・・・」
秋山人志「ぶ、部長!大丈夫ですか!?」
小椿俊彦「は!お、俺は一体!?」
星川スミレ「部長!格好良かったですよ!あたし達の事そんな風に見てくれてたなんて!」
赤木加奈子「見てるこっちもスカッとしましたっす!」
小椿俊彦「あ、で、でも、どうしよう・・・俺、秀夫に凄く酷い事言ったよな?」
秋山人志「大丈夫です!あいつは本当どうしようも無かったけど、俺達はまだこれからを変えられます!」
秋山人志「俺から見ても部長は正しい事をしました!だから大丈夫です!」
小椿俊彦「お、お前ら・・・」
赤木加奈子「さ、しんみりするのはここまでです!休憩終わる前に、たこ焼き食べましょう!」
小椿俊彦「・・・そっか、お前らありがとな!」
  その後、俺は自宅に戻った後に秀夫の安否を確認したが、秀夫の私物は全て消えており、電話も繋がらず、
  もうどうする事も出来なかったので考えるのを一旦止めたのだった。

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