僕は天才!

夏目心 KOKORONATSUME

8 秀夫の改心?(脚本)

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〇街中の道路
  数日後。
「お昼だぁ!!しかも部長の奢りだぁ!!」
小椿俊彦「全くお前らは本当現金だな・・・ちゃんと仕事も出来てるから文句の良い様も無いけどな・・・」
秋山人志「でも良かったんですか部長?いつも通り割り勘でやった方が効率良さそうだし・・・」
小椿俊彦「そう言うな!偶にはこうやってご褒美とかやらないと、お前らどっかで腐っちまうだろ?」
秋山人志「あ、まぁ、ちょっと言い過ぎな気が・・・」
星川スミレ「部長の言う通りだよ!人の好意は素直に受け取らないと!」
秋山人志「・・・そうかもな、部長、ゴチになります!」
小椿俊彦「おう!ドンと来やがれ!」
秋山人志「ん?何か聞こえません?」
星川スミレ「どうしたの秋山君?」
秋山人志「いや、何か訳の分からない喋り声が聞こえた様な・・・」
小椿俊彦「な、何だぁ!?近くに何かいるのか!?」
星川スミレ「ちょっとちょっと!何の冗談よ!?」
赤木加奈子「み、皆こっち来てくださいっす!」
小椿俊彦「え!?どうしたんだ赤木!?」
赤木加奈子「良いから来て下さい!見て貰った方が早いっす!」
  何だか訳の分からない状況に立った俺達は、赤木の案内に従うのだった。

〇ビルの裏
赤木加奈子「こっちっす!間違い無いっすよ!」
小椿俊彦「え?ここに一体何が・・・」
小椿俊彦「あぁ!?」
富田秀夫「僕は間違って無い・・・僕は正しい・・・僕は決して・・・」
小椿俊彦「秀夫!お前こんな所で何してるんだ!?」
富田秀夫「叔父さん!僕は・・・僕は間違って無い筈なんだ!!」
小椿俊彦「えぇ!?と、とにかく落ち着け!何があったか説明してくれ!!」
  そこにいたのは秀夫だった。俺は泣きじゃくる秀夫の話を聞く事に。
小椿俊彦「そ、そうか・・・頑張ったけど、全然結果出せなかったんだな・・・」
富田秀夫「こんなのおかしいよ!僕は天才の筈なのに、どうして誰も評価してくれないんだ!?」
富田秀夫「僕は間違ってなんか無いのに!どうして!!」
小椿俊彦「秀夫、それはお前が悪いよ・・・」
富田秀夫「お、叔父さんまで僕を否定するのか!?僕はIQ200の・・・」
小椿俊彦「だから、それが間違ってるんだよ・・・」
富田秀夫「え?」
  俺は一度深呼吸をして、秀夫に向き合うのだった。
小椿俊彦「良いか?社会に出る上で勉強する事はとても重要だ・・・だけどな、それだけじゃ出来ない事だってある・・・」
小椿俊彦「学校では勉強するのは勿論だが、友達を作って輪を広げて、沢山遊んでコミュニティを広げるのも大事な事だ・・・」
小椿俊彦「ほら、子供の頃から助け合いは大事だって聞いた事あるだろ?それは大人になってもそうだ・・・」
小椿俊彦「何に対しても、お互いの欠点を補い、一緒に成功を目指す・・・そこにIQとか高学歴とかは関係無いんだ・・・」
富田秀夫「叔父さん・・・」
小椿俊彦「そう言う事を子供の内に教えなかった俺にも責任があるからな・・・秀夫、また俺が教えてやるから、戻って来いよ?」
富田秀夫「え、えぇ!?」
赤木加奈子「ちょ!部長正気っすか!?」
星川スミレ「分かってるんですか!?こいつは・・・」
小椿俊彦「安心しろ、こいつは俺が教えるよ・・・」
秋山人志「で、ですが幾らなんでも・・・」
小椿俊彦「まぁ落ち着けって・・・今の秀夫は現実の壁にぶち当たってしんどい思いをしている・・・」
小椿俊彦「上手く行かない事の辛さを知ったなら、今一度こいつを信じたいと思ってる・・・」
星川スミレ「で、ですが、これで改心してくれるとは・・・」
小椿俊彦「責任は俺が取る・・・だからお前らは心配するな・・・」
富田秀夫「叔父さん・・・叔父さん・・・!!」
小椿俊彦「秀夫、これから確りやり直すんだぞ?先輩や同期の話もきちんと聞いてな?」
富田秀夫「・・・!はい!」
秋山人志「・・・・・・」
  泣きじゃくる秀夫を慰めた後、秀夫も連れて俺達は昼飯に向かうのだった。

〇オフィスのフロア
  翌日。
「お早うございます!」
小椿俊彦「おう!お前らお早う!」
星川スミレ「あれ?部長・・・富田君の姿が見えないんですが?」
小椿俊彦「秀夫?秀夫なら何か用事があるから先に行っててくれって言ってな・・・」
秋山人志「え?この感じ前にもあった様な・・・」
小椿俊彦「あ、電話だ・・・ちょっと待っててくれよ?」
小椿俊彦「はい!夏目商事営業部ですが何か・・・」
電話「お忙しい所のお電話ありがとうございます!退職代行サービス、ヤメテヤーラです・・・」
小椿俊彦「た、退職代行サービスぅ!?一体どうして!?」
電話「はい、富田秀夫様からカクカクシカジカと言う形で・・・」
小椿俊彦「な、ななな!何ですってぇぇぇぇ!!!???」
赤木加奈子「ん?一体何の騒ぎっすかね?」
秋山人志「昨日から何か嫌な予感がしたが・・・あの反応からすると・・・」
小椿俊彦「はい・・・はい・・・わ、分かりました・・・もう大丈夫ですので・・・」
電話「ありがとうございます・・・それでは失礼致します!」
小椿俊彦「な、何だよそれ・・・」
秋山人志「部長・・・大凡の察しは付くんですが、何かありましたか?」
小椿俊彦「ひ、秀夫の奴、退職代行使ってここ辞めやがった・・・」
星川スミレ「な、何ですってぇ!?昨日あんな事あったばかりなのに!?」
秋山人志「あぁ、こんな風になると思ってたんだよな・・・警戒してて良かったわ・・・」
小椿俊彦「と、とにかく!あいつにも詳しく説明して貰わないとな!お前ら戻ってろ!」
星川スミレ「・・・何かあれば行って下さいね?」
小椿俊彦「・・・・・・」

〇おしゃれなリビングダイニング
富田秀夫「はい、もしもし?」
スマホ「秀夫!これは一体どう言う事だ!?何だよ退職代行サービスって!?」
富田秀夫「あぁ、電話来たんだ・・・ならもう全部納得でしょ?」
スマホ「納得出来るか!!昨日お前を慰めた後に何がお前を駆り立てた!?」
富田秀夫「あぁ、あの後ね・・・改めて僕の何が駄目だったのか自己分析してね・・・」
富田秀夫「自分の何が駄目だったか分かって教えて貰う事が無くなってね・・・だから退職代行やる事にしたんだ・・・」
スマホ「ふ、ふざけるな!まだ何も教えて無いだろ!!大体、ここを辞めてどこ行くんだよ!?こっちは何も聞いて無いぞ!?」
富田秀夫「あぁ、大手企業の夏目カンパニーに行く事になったよ・・・前から勧誘されててね・・・」
スマホ「ちょま!そんな話聞いて無いぞ!?そんなのいつ・・・」
富田秀夫「さて、煩い奴はさて置いて、今度こそ僕の真価を発揮してやる!」

〇オフィスのフロア
小椿俊彦「・・・・・・秀夫の奴・・・」
小椿俊彦「ふ、ふざけやがって・・・!!二度目は尽力出来ないからな!!!」

次のエピソード:9 IQ0以下

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