7 秀夫の独り善がり(脚本)
〇ゆるやかな坂道
星川スミレ「さぁ!今日も頑張って行くわよ!」
赤木加奈子「先輩、やる気満々っすね!」
星川スミレ「当然よ!今日の分終わらせて飲んで発散しないと!」
秋山人志「たく懲りないなぁ星川は・・・ベロンベロンになって連れて帰るこっちの身にもなれって!」
星川スミレ「え〜?そこまで嫌そうに見えないけど?」
星川スミレ「てか偶には秋山君も飲もうよ!きっとスカッとするからさぁ!」
富田秀夫「む!?お前達は!?」
星川スミレ「んげ!今心から会いたく無い奴と出会うなんて・・・」
赤木加奈子「久し振り・・・こっちにいた時は随分好き勝手してくれたね・・・」
富田秀夫「何を言っている?それはお前達が僕を使いこなせず、僕の事を理解出来なかったからだろ!?」
星川スミレ「お陰様で、あたし達は嫌と言う程振り回されたわ・・・本当いなくなってくれて感謝感激よ・・・」
富田秀夫「な、何だと!?そもそも、IQ200から300の僕がいなくなって叔父さんの会社は周ってるのか!?」
秋山人志「周ってるから俺らここでこうしてるんだろ?しかしまぁ、お前の態度も相変わらずだな・・・少しも改心してねぇ・・・」
富田秀夫「はっ!重要な戦力である僕がいないから負け惜しみか?雑魚はいつまで立っても雑魚のままだな!」
星川スミレ「な!言うに事書いてあなた!!」
秋山人志「なぁ、風の噂で聞いたぞ?」
富田秀夫「な、何をだ?」
秋山人志「お前、夏目ゲームスで上手く行って無いんだってな?」
富田秀夫「な、何を言っている!?夏目ゲームスは僕を使いこなせるから・・・」
秋山人志「資料作りは点で駄目・・・いつも1人で勝手にやってる・・・周囲に対しても降圧的・・・」
秋山人志「富田・・・本当に頭良いってんなら今直ぐ自分を見直した方が良い・・・このまま行っても、行き着く先なんて分かり切ってるぜ?」
富田秀夫「う、煩い!大学すらも出た事無い奴らが、僕に楯突くな!言って置くがな!周りが僕を理解出来てないだけなんだ!」
富田秀夫「僕が本気を出せば直ぐに成果だって!!」
赤木加奈子「で、その結果泥沼に嵌ってると?」
富田秀夫「煩い煩い!これからあっちで本気出すから、良く見てろよ!!」
赤木加奈子「あ〜あ、ありゃ完全に負け犬の遠吠えっすね・・・」
星川スミレ「本当それ・・・馬鹿過ぎて心配する気すら起きないわ・・・」
秋山人志「それだけ相手するのが無駄だって事だよ・・・俺達も行こうぜ・・・早くしないと部長に怒られる・・・」
星川スミレ「・・・そうね、行きましょう!」
〇オフィスのフロア
数分後。
小椿俊彦「マジか!秀夫にあったのか!?」
星川スミレ「随分大荒れでしたよ・・・どうも夏目ゲームスで上手く行ってない様子で・・・」
小椿俊彦「そ、そうか・・・最近通りで穏やかじゃ無いと思ったが・・・」
赤木加奈子「部長は富田君の叔父さんなんですよね?何かこう、叔父としてアドバイスとか出来ないんですか?」
小椿俊彦「う〜ん、そうしたいのは山々だが、あの性格だからなぁ・・・やって見て無い訳じゃ無いが、全く効果無かったぞ?」
秋山人志「う〜ん、俺としてはもう相手しなくて良い様な気もしますが・・・」
秋山人志「ほら、家族や親戚とは言え、過去と他人は変えられないって言いますし・・・」
小椿俊彦「お前らの言いたい事は良く分かるよ・・・でも今は無闇にあいつを刺激しない方が良い・・・」
小椿俊彦「取り合えずやる事はやろう・・・改めて、俺から秀夫に話を聞いて見るよ・・・」
星川スミレ「分かりました・・・あたし達戻ります!」
小椿俊彦「・・・兄さん、義姉さん・・・今更だけど、俺ちゃんとやれるかな?」
〇オフィスの廊下
橋本敏夫「ま、待ちたまえ富田君!」
富田秀夫「何故止めるのですか!?これだけの画期的なアイディアを作ったんです!社長に直談判して採用して貰う他無いでしょ!?」
橋本敏夫「ま、待ちたまえ!幾らアイディアが素晴らしくてもまたこんな凄い量を作って!!」
橋本敏夫「これでは社長の逆鱗に触れるだけだ!君は高IQと言う固定概念に囚われ過ぎてる!もっと周囲と連係するべきだ!!」
富田秀夫「低レベルの雑魚が何の役に立つと言うのです!?これさえ見せれば、社長も僕を見直す筈です!!」
橋本敏夫「あぁ!富田君!頼むから考え直してくれ!!」
それから、秀夫は大量の資料を持参して社長に直談判したが、逆鱗に触れて追い返されたのは言うまでも無かった。