1 小椿の職場(脚本)
〇オフィスのフロア
小椿俊彦「おう!お早う!」
秋山人志「あ、お早うございます小椿部長!」
秋山人志「部長!昨日のクイズでどうでショウ見ましたよ!見事な撃沈っぷりでしたね!」
小椿俊彦「い、言ってくれるなよ・・・実際悔しいんだからよ・・・」
俺は小椿俊彦。夏目商事の営業部長をしている。昨日、俺は賞金1000万円を獲得する為にクイズ番組に参戦していた。
猛勉強こそしていたが、最後の問題で不正解となって1000万円は獲得出来なかった。
〇コンサート会場
それは昨日の出来事だ。
司会者「では問題です!」
司会者「今から出すのは4択問題です・・・次の4つの内、一つだけ間違いがあるのでそれを探して下さい・・・」
司会者「1.調理師は栄養士、管理栄養士の指示の元調理する・・・」
司会者「2.剣道で一本取った後にガッツポーズを決めて良い・・・」
司会者「3.自動車を運転する際、一方通行では指定されたルートでしか通れない・・・」
司会者「4.食品と薬品は別物である・・・」
司会者「さぁ!間違えてるのはどれでしょうか!お答え下さい!」
小椿俊彦「お、おう・・・でも実際間違えてるのってどれだ?3は正しいから大丈夫として、」
小椿俊彦「食品と薬品って確か別物だよな?となると間違ってるのは1と2のどっちかか?」
小椿俊彦「調理関係はそこまで気にして無かったが、剣道に至っては見る機会無かったからな・・・う〜ん・・・」
小椿俊彦「えっと・・・1番で!」
司会者「分かりました!それでは結果発表です!」
司会者「残念!不正解です!正解は2番で、剣道で一本取った後にガッツポーズをすれば、その一本が無効とされます!」
小椿俊彦「ま、マジか!!」
〇オフィスのフロア
と、これが昨日の出来事だ。チャレンジに失敗して賞金は貰えなかったのだった。
秋山人志「しかしまぁ、部長も本当チャレンジャーですよね・・・芸能人ならまだしも、」
秋山人志「民間人である部長がクイズ番組で賞金狙いに行くだなんて・・・中々出来ませんよ・・・」
小椿俊彦「そりゃまぁ、1000万なんて聞いたらやって見たくもなるだろ・・・何より、そこらのクイズ番組で知らない奴が出るなんて、」
小椿俊彦「別に珍しくも無いだろ?」
秋山人志「確かに!」
秋山人志「でもこれがパチンコや競馬とかじゃ無くて良かったですよ・・・大金積んで負けでもしたらシャレになりませんからね・・・」
小椿俊彦「いやいや、それこそ不合理だって・・・飯食えなくなったらどうすんだよ・・・」
秋山人志「本当、そう言う考えで安心しましたよ・・・」
秋山人志「所で、今日はあいつと一緒じゃ無いんですか?」
小椿俊彦「え?あいつ?そう言えば今朝、何かやる事があるとか・・・」
秋山人志「あ、電話だ・・・部長、俺が相手します・・・」
小椿俊彦「あぁ、頼む・・・」
秋山人志「はい、夏目商事営業部です・・・本日はどの様なご要件で・・・」
秋山人志「え?」
小椿俊彦「さてと、今日も1日頑張るか・・・あいつ遅刻しなきゃ良いがな・・・」
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
小椿俊彦「ん?」
秋山人志「一体どう言う事ですか!?今日になって契約見送りだなんて!?」
電話「ですから、先程言った通りです・・・御社の新人の方が朝方から訪問して、一方的な商談の交渉をしたり、」
電話「こちらが否定の意を唱えると感情的になってこちら側の重役に殴り掛かろうとして来たんです・・・」
電話「一歩間違えれば警察沙汰になってました・・・一体どんな教育をされて来たんですか?そもそも誰が指示したのです?」
秋山人志「あぁ!も、申し訳ありません!詳細を確認次第こちらからご連絡させて頂きます!」
秋山人志「じょ、冗談だろ・・・折角上手く行ってたのに・・・」
小椿俊彦「おい、どうしたんだ?随分慌しそうな感じだったが・・・」
秋山人志「あ!部長!それが、カクカクシカジカで・・・」
小椿俊彦「な、何だって〜!!?」
富田秀夫「・・・・・・」
小椿俊彦「あぁ!秀夫!お前どこで何してたんだ!?」
富田秀夫「え?何をしてたって?心グループへ商談に行ってただけだけど・・・そもそも今日行く予定だったから早い方が良いかなって・・・」
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