第2話 (脚本)
〇アパートのダイニング
深野宙「ケイは大体ここら辺にいると思う」
見つけたらどうするのか、ふと疑問に思ったので問いかけた。
深野宙「・・・倒す」
岡久ユキ「姿は・・・?」
深野宙「厄介な事に、年によって変わるんだ」
深野宙「だけど雰囲気で分かる」
岡久ユキ「プロが言う言葉ですね」
深野宙「いいや。君でも分かるくらい雰囲気が悪い」
岡久ユキ「そうなんですね」
〇学校の裏門
宙さんがマップの中に書き込んだ場所に向かう。
岡久ユキ「あ・・・」
そこには見慣れた建物があった。
私が通ってた学校だ。
学生「ねぇねぇ。あの制服って・・・」
学生「だよね。同じ学校の子だよね。しかも同学年」
制服の胸元に着いていたバッヂで分かったのだろう。
学生「だけどそんな子いた?」
学生「なんか見た事あるような・・・えっと・・・名前」
「あのっ!」
岡久ユキ「私のこと──」
深野宙「行くぞ」
岡久ユキ「でも、名前だけ!」
深野宙「はぁ。分かった」
岡久ユキ「私は岡久ユキ」
学生「おかひさ・・・」
学生「ゆき・・・?」
やっぱりダメか。と思った瞬間、私の服を引っ張り「それじゃあ」と宙さんは話を切り上げて言った。
岡久ユキ「あ、またね!」
〇学校脇の道
岡久ユキ「なんでそんなに急ぐんですか」
深野宙「早く戻したいだろう」
確かにそうだけれど、何故かこのままでも良いという気持ちがあった。
今、家族はどうしているのだろう。
友達はどうしているのだろう。
深野宙「大丈夫?」
岡久ユキ「はい」
深野宙「お腹減った?」
私は首を振る。すると、計算されていたかのようにぐーっとお腹が鳴った。
岡久ユキ「あ・・・」
〇スーパーの店内
深野宙「好きなの選んで」
岡久ユキ「いいんですか⁈」
岡久ユキ「えっと・・・これ!」
私が取ったのは安いヨーグルトだ。
宙さんはあまりにも安すぎて驚いていた。
岡久ユキ「大丈夫です! これ、とても美味しいので!」
深野宙「・・・じゃあ俺も」
〇公園のベンチ
岡久ユキ「やっぱこの味!」
深野宙「確かに美味しい」
食べ終わった後、再びケイがいる場所に向かった。
地図で見たよりも遥かに遠い。
〇ゆるやかな坂道
岡久ユキ「家から大分遠いけれど大丈夫なんですか?」
深野宙「ホテルとかあるから大丈夫だろう」
〇ビジネスホテル
岡久ユキ「あった・・・」
深野宙「ここ、ビジネスホテルだけど大丈夫?」
岡久ユキ「全然!」
深野宙「じゃあ、決まりだな」